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※そして沈黙は破られた

お兄ちゃん視点でせう!

シリアスに行こうとしたらな、オーリ視点だと説明が荒いのだよ……


やっぱ真面目にやると難産でござる!


うちの三男は変わり者である。


父に鍛えられ王族直下の騎士にもなれるであろう実力を持ちながら、わざわざ冒険者になることを選んだのだ。

騎士にならないのか?と聞いてみた所、弟からは興味無いとの返答が戻ってきた。

王族直下の騎士と言ったら高給取りの代名詞みたいなもんだろ、と言うと……騎士って堅苦しい感じっぽいから嫌だ、と。

その言葉には納得してしまった。何せうちは領主が剣を取り魔物退治をするは次期領主が畑を耕すのが普通な領だ。

確かに堅苦しいのはどうも性に合わない。


そんな三男はA級冒険者として活躍しながら迷宮学園に通っているのだが、


こいつは学園でとんでもない人脈を手に入れていた。


某侯爵家の四男とか某魔族の伯爵家・男爵家の長女達と友人だなんてお兄ちゃん聞いてないぞ、手紙には友人としか書いてなかったぞゴラァ。


相手の身分を知りながら気さくに接している三男は大物である。

このとんでもない人脈っぷりは初代にはまだ及ばないもののそれに近いんじゃないだろうか、と思ってしまった。

もし王族連れてきてもお兄ちゃん驚かないよ!


まあ弟が気さくに接さなくとも彼等の方が気さくだった、普通に畑耕しに行くし自警団や学校の手伝いに行くし……あれ?辺境すぎて俺の貴族のイメージおかしかったの?



うちの村に貴族が来る事はない。

辺境すぎるし、特産品があるわけでもない平凡な村だからだ。


初代は能力も功績も強大なのに何故王からこの地を託されたのか。


初代の生まれた地であり、高い地位も名誉も望まなかったからだと言われているが……本当はもう一つある。



魔族領と王侯領の間にある、境の森の中に。






――――――――――






世界樹と聞いて人々が思い浮かべるのは、失われた物語……ありふれたお伽噺。


昔世界を支配していた暴君が、その巨大で神秘的な樹を生け贄に誰にも負けない力を手に入れようとした。

それを知った民(初代達)やエルフによって暴君の野望は阻止されたが、暴君が最期に放った炎によって世界樹は焼失してしまった。


そんなお伽噺。

その葉は死者を生き返らせ、根元に湧く泉の水はどんな病も癒すそう書かれているが、それだけではない。


世界樹はこの世界を支える存在。

世界樹が地下から魔力を吸い上げ天上へと送り、送られた魔力が再び地下へと戻る……そうやって世界には常に魔力が巡っているのだ。


暴君によって世界樹が失われ世界に魔力が巡らなくなると、地上に溜まった魔力はスポットとなり大陸には魔物が蔓延した。


世界が混沌とする中、焼失した世界樹の後から見付けだされた一つの種が秘密裏に境の森に埋められた。


その種は数日で芽を出し一気に成長すると、ゆっくりと、しかし確実に世界の魔力を循環させはじめ数年の後には正常に戻した。


再生した世界樹の存在は、二度と悪しき者に利用されぬよう秘匿される事になった。


エルフは世界樹の守り手として森に住みその魔力で樹の存在を隠し、初代はカッツェ村の領主として境の森近くに住み森へ入る者を制限する。

世界樹の存在を知るのは王族のごく一部、そしてエルフと初代の血筋……領主になる者だけしか知らない。


そうする事によって世界樹を守ってきた。


境の森には別段冒険者の興味を引く物もなく、魔物も村の人間で倒せるよう自警団が設置され鍛えられてきた。

エルフも森に隠れ住み、繋がりに気付かれないようカッツェの村とは極力接触は断ってきた。


そのため今まで森は平穏を保ってきた、



そう、今まで。






――――――――――






「オズ、《回復魔法》を」


至るところに怪我をした血濡れのエルフを寝台に横たわらせ、父は森の様子を見てくると出ていった。

紫色の髪に彫像のように整った美貌のエルフは浅く呼吸を繰り返している。


《回復魔法》で傷を癒し、彼の持ち物を改める。


エルフが得意とするのは魔法と弓、それなのに持っているのはナイフが一つだけ……

彼等の生活には疎いが、着ている服は簡易に見えるので部屋着や普段着のようなものだろう。

そしてよほど焦っていたのか裸足だ。


このエルフは父をゼズ、初代の血筋だと知って声を掛けてきた。


これほど焦ってこちらに接触してきたと言う事は………世界樹に何かがあった、と言う事だろう。


「!大丈夫か」


エルフの瞼が震え、閉じられていた紫色の瞳が覗く。

彼は勢い良く体を起こしたが、ふらついて寝台に戻った。


「傷は塞いだが流した血は戻らん、まだ横になっていろ。」


彼の肩を押さえ布団を掛けると、とりあえず何か食べさせて回復させようと立ち上がり部屋を出ようとする、が


「ゼズ殿の血筋だな?取り急ぎ助けが欲しい。」


彼は俺の腕を掴み真剣な眼差しを向け―――




「世界樹が奪われた」





そう告げた。


――――――――――


オズ・カッツェ


人間・男、カッツェ家長男。そして次期領主。

薄紅の髪に黒色の瞳、のっぺり顔だが人当たりの良さそうな雰囲気持ち。

時々次期領主だと忘れるくらい農民化している、気さくな性格なので村人には慕われている。

体力はあるが戦闘能力は皆無。《回復魔法》が得意で上級である。



長男の名前はオズさんでした!次男とかお父さんは……いや、どうしよ……出す予定今のところ無いけどお父さんの名前はゼオさんで良いですか……←

お母さんはユーリ

次男は……ゼルで!(思い付き)

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