グロはアカンよ、グロは
「お野菜は誰の袋に入ってましたっけ」
「お湯沸いたぞ!」
「肉はこのくらいの大きさに切れば良いか?」
「では私は味付けを……」
せんで良いです。
今日の迷宮探索は迷宮内にお泊りです!
森で一晩過ごすのとはやっぱ違うんだよね、先に色々用意してきたんだが……
「鉄串は?」
「ルナの袋じゃなかったっけ?」
小部屋内でキャンプでせう。
密室空間で火を焚いているけど煙くならないミステリー(もう突っ込むのは止めた)
現在バーベキュー中です。
焼くのは良いけどイナンナがまだスープ作ってる途中だからね。
肉だけじゃなくて野菜も刺しなさい。
――――――――――
小部屋の中に魔物は入ってこないので安心です(最初から居たらアレだけど)。
「やっぱ森とは違うな」
「ですね、森でのサバイバルに慣れてるから違和感を感じてしまいます。」
あと閉塞感な。
迷宮探索者は毎日こんな感じなんだよな〜
冒険者よりは魔物と確実に会えるし宝箱も見つけられるから収入は安定するんだよね。
でも冒険者を選んだ理由?……ロマン?
まあ半分冗談ですが、冒険者の方が色んな地方に行けるんだよね。
探索者になると迷宮がある町を拠点にしたら攻略するまで滅多に移動しないから……
それに閉鎖空間って気が滅入るよね(真顔)
「見張りは?」
「あー俺が入り口付近で眠るわ」
各々毛布に包まって眠る体勢に入る。
学園の迷宮だから心配ないけど、本当の迷宮だと泥棒する人がいるから注意なのだとか。
「明るすぎて眠れん」
残念ながら灯りは消えませんから諦めて。
――――――――――
「すまんかた」
謝罪はいいから腹の上から降りなさい。
朝のパスタが口から出る。
何故エヴァーが俺の腹の上に乗ってるかって?
それはトラップに引っ掛かったからだよぉ☆
エヴァーがな
……俺?
巻き込まれたんだよ……エヴァーに……
エヴァーが壁に手を置いたら落とし穴が出現したとかウケる。
ウケる……
トラップに引っ掛かったらどうすれば良いのか、それはですね……
落とし穴系は落ちた先に魔物がいて、それを倒すと元の場所に戻れんのよ。
出てくる魔物は決まってるんだよね。
落ちた場所から少し離れた位置にあるドアを開けると、中は殺風景な小部屋になっている。
そして部屋の中央には黒い靄のような塊、ミラーと呼ばれる迷宮にしか存在しない魔物。
それは一番最初に部屋に入った者の真似をする魔物だ。
まずは外見、次に攻撃方法や魔法を真似た者そっくりそのまま使用する面倒なヤツである。
それを倒さなければ元の場所に戻れない。
まあ真似して強力なの使われる前に早々に仕留めれば良いんだよね。
「はい、エヴァーちゃんの〜ちょっと良いトコ見てみたーい」
なんて飲み会みたいなノリで言ってみる。
任せろ!ってお嬢様ノリノリです、ハンマー振り振りちょろいっすな。
エヴァーの戦いを部屋の隅で体育座りで鑑賞中なう。(暇)
………あの、自分の姿をハンマーで容赦無くフルぼっこすんのは……どうなの?
血飛沫とか無くて良かったね、絶対グロッキーよ。
原型止めないレベルでエヴァーが殺って無事戻れました。
ホラーは良いのだがグロ耐性は俺、持ち合わせておらんぞ……?




