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おじさんという生き物が異世界に転生し若返って無双するキモい話  作者: 埜上 純
第二章 冒険者編

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第86話 セシル・フルールと共に

「セ、セシルさん!?」

 ある朝、冒険者ギルドへ行くと唐突にセシルに声を掛けられ、ミズトは驚いたように声をあげた。


「あなた、まさか正式に冒険者登録してたとは意外ね。しかもB級なんて、さすがだわ。おかげでちょうど良かった。合同の討伐依頼は見たかしら? あれに一緒に行ってほしいの」


「ど、どうもお久しぶりです。合同討伐とは、どこかの遺跡の古代種討伐というやつでしょうか?」

 挨拶もそこそこで本題に入るセシルに、なんだか彼女らしいなと思いながらミズトは答えた。


「ええ、そうよ。あれはどうしても討伐したいの。だから、ずっとあなたを捜してたわ」


「そうでしたか……。でもあれは随分前の募集だったと思いますので、もう募集は終わっているのではないでしょうか?」


「そうね、すでに一度、討伐隊が挑んだわ。でも駄目だったの」


「え? 駄目だった!?」

 ミズトは思わず、近くにいた受付のベティに視線を向けた。


「はい、その方のおっしゃる通り、合同討伐は失敗し、B級冒険者に死者が出ました」

 ベティは目を伏せながら答えた。


「そんなことが……。もしかしてセシルさんも参加したのですか?」


「私は参加してないわ。少し遠くにいて知らなかったの。一応、B級冒険者だけど、あまり冒険者ギルドには来ないのよ。でも、再募集には参加するわ」


「ですが、前回B級の冒険者が集まって失敗したのでしたら、次も難しいのではないでしょうか?」


「そのとおりよ。A級が参加しないなら、()()()B級だけでは結果は同じね」


「今回、A級冒険者が参加するか確認できたりするのでしょうか?」


「事前に参加者の確認は可能よ。でも、きっとA級は来ないわ」


「でしたら、今回も危険じゃないですか!」

 ミズトは、いつの間にかセシルを心配している自分に気づかず、声を少し上げてしまった。


「そう、だからただのB級ではなく、あなたが必要なの。ミズト、私と一緒に来て」


 セシルが手を差し出す姿を見て、ミズトの心臓は大きく脈打った。


【ミズトさん、限定クエストが発生しました。わたしの方で開きますのでご確認ください】

 エデンがそう言うと、ミズトが触れてもないのにクエスト内容が表示された。


 ====================

 ◆限定クエスト発生◆

 クエスト名:セシルの悲願

  セシル・フルールと共に古代種討伐に参加し、彼女の悲願を達成してください。

 報酬:経験値10,000

    金1,000G

    クランの紋章

 ====================


(セシルの悲願? 何か強い思いがあって行動しているのは知ってたが、古代種を討伐することが目的だったってことか?)


【そのようです。もう少し補足しますと、限定クエストが発生するということは、ミズトさん次第でセシルさんの悲願が達成されるということを表しています】


(協力しなかったら……?)


【達成されないでしょう】


(…………)

「えっと……私なんかでお役に立てるのでしょうか?」

 ミズトは、なぜセシルがそこまで自分を買うのか不思議だった。


「ええ、私の知るあなたなら間違いないわ。あなたが、この短期間でB級まで上がっているなら、一番欲しいのはあなたよ、ミズト」


「そ、そうですか……」


【彼女はこの世界で最も、ミズトさんの能力に気づいている人物と言って良いでしょう】


「ミズトさん、ここは是非お受けするべきです!」

 ベティが話に乗ってきたと思ったら、熱弁をふるいだした。

「彼女はハイエルフのセシル・フルールさん。ソロ冒険者として世界でも有名な冒険者のお一人です! そのセシルさんがパーティを組もうと言うなんて、とても考えられなかったお話なんです! ミズトさんをどれほど必要としているのか、どれほど期待しているのか、ミズトさんでも簡単に想像できますよね!?」

 ベティはいつものように机を一回叩いた。


 ミズトは完全に八方塞がりの気分だった。

 異世界に来てまで、自分に選択肢がない、窮屈な状態は勘弁してほしかった。

 ただ、そうだとしても、いや、たとえそうではなくても、ミズトの選択は変わらなかったかもしれない。


「分かりました、セシルさんとご一緒させていただきます」

 ミズトは差し出されたセシルの手を取った。

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