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おじさんという生き物が異世界に転生し若返って無双するキモい話  作者: 埜上 純
第一章 旅立ち編

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第41話 ドゥーラの町の異変

 エンディルヴァンド地下洞窟でレベルの上がったミズトは、かなり遠くからでもドゥーラの町の異変を察知できるようになっていた。


(なんだ? 町に活気がないのか? ずいぶん人が増えているようにも……)

 しかし、その感じた異変が具体的には何なのか、はっきりとは分からなかった。


 町まで辿り着くと、町を囲む柵の出入り口が何故か閉まっていることに気づいた。夜でも閉めたところを見たことがない。


【ミズトさん、クエストが発生しました】


(ん? ここでか……?)


 ====================

 ◆限定クエスト発生◆

 クエスト名:ドゥーラの町の解放

  ドゥーラの町を解放してください。

 報酬:経験値100

    金10G

 ====================


(町を解放してください? なにから? あの入り口を開けりゃいいのか?)


【ここは慎重な行動が必要です。まずは気づかれないよう中に入り、様子を(うかが)ってはどうでしょうか?】


(ああ、そうだな……)


 ミズトは柵に沿って回り込むと、人の気配がない場所を探して柵を飛び越えた。

 町中は人通りが少なく、歩いている人の姿はほとんど見えなかった。しかし、家の中には人がいる気配が感じられる。


(みんな閉じこもってるのか? ん? 冒険者ギルドの周りには結構な人が集まってるな。ちょっと行ってみるか)


【ミズトさん。その前に、ここからなら雑貨屋が近いです。そこのご主人は数少ない顔見知りですので、寄ってみてはいかがでしょうか?】

 エデンは、ミズトが動き出す前に提案した。


(数少ないって言うな……。たしかに、事情を聞いた方が早いかもな)

 ミズトは周りの気配を気にしながら、通い慣れた雑貨屋へ向かった。


「おや、お前さんかい。久しぶりだの。こんな時にポーションを売りに来たのかい? お前さんが捕まってなかったのはえかったな」


「お久しぶりです。捕まってないとはどういう意味でしょうか? 実は私、十日近くダンジョンに潜っていましたので、町に戻るのも久しぶりでして」


「そうか、なら知らんのも無理ないわな……」

 雑貨屋の主人は、ここまでの事情を説明してくれた。


 彼の話では、今から三日前、突然町に『漆黒の羽』という盗賊団がやってきて、この町を占拠すると宣言したそうだ。

 当然、『荒野の牙』のヴィクターやジュリオたち冒険者がそれを許さなかったが、全員返り討ちにあい捕まってしまったのだと言う。

 『漆黒の羽』とは、この王国内では有名な広域盗賊団で、王国騎士団も手を焼くほど大規模な盗賊団という話だ。


「なるほど、それで私も捕まったんじゃないかと思ったのですね。それにしても、そんな盗賊団が何故こんなところに来たのでしょうか」


「それが、どうやらマックスの奴が呼び寄せたようでの。あやつは『漆黒の羽』の一味だったようじゃ」


「そうでしたか……」

(まさか俺に仕返しするために呼んだんじゃねえだろうな)


【その可能性も考えられます】


「とりあえず、お前さんはどこかに隠れていた方がええ。そのうち冒険者ギルド本部か王国騎士団が気づき、なんとかしてくれるじゃろう」


「そうですね……心配していただきありがとうございます。ご主人もお気を付けください」

 ミズトは頭を下げ雑貨屋を出た。


(冒険者ギルドの前にいる集団からジュリオとヴィクターの気配を感じるな。捕まった冒険者が集められてるってことか。エデンさん、『漆黒の羽』ってのはどれほどの規模だと思う?)


【この町には三百十九人が入り込んでいるようです】


(は? そんな具体的に分かるのか?)


【はい。ミズトさんのように長距離の把握は難しいですが、ドゥーラの町程度の範囲なら人の判別が可能です】


(そりゃまた高性能だこと……。ちなみにそいつらのボスみたいなのは分かるか?)


【はい。高レベルの盗賊はほとんど冒険者ギルド前に集まっているようで、その中に一番高い者がおります】


(その一番強い奴がボスっぽいってことか、了解)

 ミズトは誰にも気づかれないように冒険者ギルドへ近づいた。




「おめえら、このオレにこんなことしてただで済むと思うなよ!」


 冒険者ギルドの近くまで来ると、獣人ジュリオの声が聞こえた。

 顔を出すと冒険者ギルドの前で縛られたジュリオの叫んでいる姿が見える。他にもヴィクターたち『荒野の牙』や、見た覚えのある顔が縛られているようだ。


「おい、ジュリオ! てめえ、二日も縛られてんのに随分元気じゃねえか! また痛い目にあいてえみてえだ、な!!」

 マックスがジュリオを蹴り飛ばした。


「くっ……、マックス、おめえだけは許さねえぞ……。あとで必ず殴りまくってやる……」


「おうおう、アニキがいなくても元気じゃねえか? で、てめえのアニキ様はどこ行ったんだ? あのガキ、いつになったら帰ってきやがるんだぁ?」

 マックスは倒れたジュリオの頭部の毛を掴み、グッと持ち上げた。


「はっ! おめえなんかに教えるかよ! もう帰ってこねえかもな!」


「てめえ、まだ自分の立場が分かってねえみてえだな。何度でも分からせてやるよ!」

 マックスはそのまま何発もジュリオの顔面を殴りつけた。


「おい、マックス!」


 誰かがマックスを止めた。


「か、(かしら)……」


「マックス、貴様いつまでそんな雑魚に構ってやがるんだ?」

 盗賊の集団の中から、大量の髭を蓄えたスキンヘッドの大男が現れた。


「す、すんません(かしら)……。こいつが生意気なもんで……」

 マックスは大男に委縮している。


(エデンさん、もしかしてあのレベル50の禿(はげ)がボスか? 他には40台がちらほら見えるぐらいだけど)


【おっしゃる通りです。(かしら)と呼ばれているあの禿(はげ)が一番レベルの高い盗賊です】


(はっ……? あ、いや……そうか。さて、どうすっかな。正面から叩き潰すか)


 ミズトはちょっと様子を見ながら、どう対処しようか考えていた。

 すると盗賊団のボスと思われる大男は、大きな斧を構えた。


「いいか、マックス。『漆黒の羽』に逆らう奴はな、こうするんだよ!!」

 大男は勢いよく斧を振り下ろし、ジュリオの脚を切断した。

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