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0.6.1.1 ポトフちゃんと3種のお肉

 家の外に出ると、既にぐうちゃんがいる!もちさんと一緒に農園内を歩いてる〜!もう仲良くなったの〜!?

 2匹は、むーむーぐぅぐぅお話しながら、もちさんの餌場である、モーチの木の方へ。縄張りの案内をしてるのかな?


「そういえば、うさちゃんの所の子達は、何を食べるんですか?」

「うちのは、木炭とか石炭とかだな。」


 わあ、燃料。オイラの実とか食べるかな……とりあえず、食べれそうな作物は食べていい、と許可しておきます。あっ、流石に木そのものは食べないで……実だけにしてね。


 さて、作業場へ来ましたよ。

 普段、うさちゃんの近くをうろちょろしてるちゅうちゃん達は、ぽぽ達に連れられて中を散策してる。

 やっぱり、かまどや窯、火の気がある場所が気になるみたいだね。


 おや?ちゅうちゃんとぴよちゃんが、かまどの中に入って、灰の中でくりんくりんと転がり始めたぞ?ンン〜カワイッ!スクショスクショ。それにしても、どこかでこんな動きを見たことあるような……確か……


「あれって……“砂浴び”みたいなやつですか?」

「よく知ってるな、その通りだ。ああやって“灰浴び”をして体を綺麗にするんだ。まあ、汚れる訳じゃないからモーションだけなんだが……可愛いだろ?」

「すごく可愛いです……」


 ああ、やっぱりそうだったか。2匹とも、火属性だから砂じゃなくて灰を使ってるのかな?



 さて、愛らしい仲間たちの可愛さを存分に浴びたところで、今日のお仕事を始めますか。


 まずは、ウシカボチャの解体から。

 前回は、皮を剥いて、牛脂の層を剥がしただけで終わったんだっけ。残りの赤身部分をどうにかしよう。

 骨とくっついている所には包丁を入れて、大きすぎる身の部分には切れ込みを入れて……玉ねぎやミカンのように、メリメリと剥がし、分解していく。

 部位ごとに膜で分けたのは正解だね。


 剥がして剥がして、中央の高級肉ゾーン。軸である太い骨の真ん中に大きな肉塊が残っている。さながらマンガ肉のようだ。マンガ肉……料理がメインじゃないマンガにも載ってたりするから、この世界の人にも意外と通じるんだよなあ……

 そのまま焼きたいところだけど、今回は外しちゃいましょう。


 そうして、内部を分解したら、下骨格も上骨格と同じように切り分けて……無事!ウシカボチャの解体が終わりました!



 よーし、トリイチゴも続けてやっちゃおう!

 まずは羽根を毟る。

 それから、沸騰しないくらいの熱ーいお湯を、トリイチゴがまるまる入るくらいのお鍋に沸かします。

 そして、トリイチゴを丸ごとドボン。羽毛の下へ浸透するように揺らしつつ、1分ほど沈めます。


 1分経ったら取り出して、カウンターへ置き、羽毛の流れに逆らうように撫でて羽根を抜いていきます。

 小さな羽根ばかりなので、結構簡単に抜けるよ。

 最後に、ぬるま湯につけながら全体を撫で回すように洗う。産毛を炙るのが面倒なので、ここで抜けるようにします。


 これで下処理が終わりました。

 後は部位ごとに切り分けるだけ。1番外側の皮に包丁を入れて、もぎってもぎって……こちらも解体完了!


 さて、まだお昼には早いので、ブタモモ(バラ)ってあったでしょ?あんな風に小さいサイズで生えてくるようにちょっと工夫します。

 人間の頭部くらいの大きさで、見た目も中身もウシカボチャそのまま小さくしたような感じ。ただし、中の果肉は1種類だけ。バラ、ランプ、ロース各種。お高いお肉は、品質を〈極〉にして、入手確率を下げちゃお……

 あとは部位ごとに模様を決めて……完成!



 さて、牛、鶏はこれで完成したので、ついでに豚も今日終わらせちゃうぞ!


 稀に生えてくるドデカイサイズのブタモモを作る。ウシカボチャとほとんど同じだけど、部位がちょっと少ないのでややスリム。それから、カボチャのボコボコ感をなくすために、骨周りは肉厚に。ラードも詰めて……パツパツに実の詰まったブタモモ(巨大)の完成!

 オリジナルは横に置いといて、複製したものを今日食べるようにちょちょいっと捌いちゃいます。

 で、後はバラ同様、細かく部位分け。皮もカラフルに。ピンク以外にも、黒豚とかまだら模様の豚とかいるよね〜。

 これで、豚もオッケー!




 ふぅ……お肉は一先ずこの三種で完了です。これで料理の幅がぐっと広がるぞ。


 一旦休憩を挟んで、味付けは午後からやろう。

 そんなことを考えながら、うさちゃんの方に目を向けると……


「む゛〜ん?」

「ふふ……もちさんは相変わらずふわふわだな。」

「ぐぅ〜。」

「ん?ぐぅちゃんはゴツゴツしてきたな……またブラッシングしないとな。」


 作業場の窓から中を覗いているもちさん達を撫でているではないか!?


「う、うさちゃん、触って大丈夫なんですか?」

「ん?ああ、少し調整したんだ。防具を身につけると、自傷ダメージがあるのは変わらないんだが、接触ダメージはなくなったぞ。代わりに、“冷えると固まって防御力が上がるが、素早さが下がる”効果になったんだ。」


 はー、なるほど。溶岩だから冷えて固まっちゃうのか。なんにせよ、心置きなくもちさんの魅惑のもふもふボディを堪能出来るようになったのはいいことだ。


「冷えると……ってことは、雪山とか、氷ダメージとか?」

「それに加えて水もアウトだな。」


 素早さは最大で9割減……らしい。

 うさちゃん、戦闘中は機敏に動いてるから、結構致命的なデバフなんじゃないの?と思ったけど、ヘイトをとってカウンターで戦うプレイスタイルを予定しているらしいので、さほど支障はないそうだ。


「ポトフの作業は終わったのか?」

「あ、はい。もうお昼なのでちょっと休憩しようかと。」

「ああ、そうだな。じゃあ、また後で俺の成果物を確認してくれ。」

「分かりました。また後で。」


 それじゃ、休憩してきまーす。

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