0.6.0.0 ポトフちゃんと食事のチュートリアル
・ナンバリングを弄りました。またちょこちょこ変わるかも。
おはようございます。今日も1日頑張りましょう!
本日一発目はゴインキョさんの手料理の味見!
大きくて丸いおにぎり。米粒が詰まり気味だけど、炊き加減も味付けもいい感じ。
フリスビーのような焼きおにぎりは、粗めのみじん切りのネギがたっぷり入ったネギ味噌が使われており、ジャクジャクとした食感が楽しい。
クレープは私の作ったものと遜色ないね。
「それから、クルミのキャラメリゼに、甘栗、バタードングリじゃ。この3つは他のスタッフが作ってくれたぞ。」
こちらも問題なさそう。ちょっとカラメルが焦げてるかな?いいねいいね。それもまた“味”ってやつだよ。
味見をしながら調理の感想を聞く。ふむふむ。手が大きいと握りづらい、おにぎり自体が大きくなるので中心部に味がつかない……これはまあ、中に具材を入れるタイプのおにぎりにすればいいかも。おかずをたくさん詰めても面白いよね。
焼いたネギ味噌が美味しいなら、味噌マヨを焼いても美味しいのでは?食べてみたい……食べてみたいって意見が出たのか!嬉しいなあ。張り切って作りますよ!
さて、味見を済ませたところで、今日は何をしましょうかね。
焼きマヨは作るとして、山林と草原には行ったから、次は火山の国か湖の国に行ってみる?
迷っていると、ゴインキョさんから提案が。
「ひとまず、宿屋に行かんか?食堂をいじれるようにしてあるぞ。」
「そうしましょうか。」
おっとそうでした。宿屋で料理を売れるようにするんだったね。
それじゃあまずは、森の街の宿屋へレッツゴー!
…………
………
……
ブランチにはまだ早い時間。それでも片手で数えられる程のお客さんが食事をとっている。
店員は3人。
パラパラと宿帳をめくる恰幅のいい女将さん。
『お待たせしました』と料理を運ぶ若いお嬢さん。
そして、キッチンに立っているがっちりした体格のコックさん。
ファンタジー漫画や小説で100回は見た、親子で経営する宿屋だ……!気のいい母ちゃんと寡黙な父ちゃん、そして気立てのいい娘……!
パッと見、枝の村の宿屋を一回り大きくしたような感じだけど、お父さんが立っているカウンター内に、うちのお店のキッチンをそのまま入れてあるみたい。配置を微調整して使わせてもらおう。
結構空きスペースがあるから、何か置きたいな……あっ!食器棚!これがないのは違和感あるね。あと足りないものは、冷蔵庫とか?凍結がなくても冷やせる道具、欲しいよね。
「ん?………ポトフ、ちょっといいか。」
「はーい。」
店内を確認しているとゴインキョさんに呼ばれる。ハイハイなんでしょ。
「今クエストのチェックをしておるようでな、食事のチュートリアルを作って欲しいそうじゃ。」
「食事の?」
「うむ。」
なんでも、ゲーム内にプレイヤーが降り立つと、チュートリアルのクエストが自動的に開始されるそうで。
・街に入る。
・身分証を手に入れるため、総合ギルドへ向かう。
・装備の確認をする。
などなど……都度細かい解説が入るらしいが、おおよそこんな感じ。で、その内のどこかに、“ご飯を食べる”を入れたいんだそう。
「その行程の中に、“宿に泊まる”というのがあってな。」
「ああ、食堂があるからついでにどうかってことですか。」
「うむ。そういうことじゃ。」
うんうん。チェックポイントみたいなもんだし宿に泊まるのは必須だよね。
行程はこんな感じ。
・店主に話しかける。
・2階の部屋へ行き、休む。
・荷物の整理をする。
・外へ向かう。
「食事の説明をするなら……1番邪魔にならないのは、外に出るときですかね。」
「そうじゃのう。宿屋の説明も終わっとるし。」
じゃあ、荷物の整理の後をいじって……
・1階へ降りる。
・ご飯を買う。
・ご飯を食べる。
・外へ向かう。
こんな感じかな。宿屋でご飯を買えることを示して……
「買うとしたら、やっぱりバフ量の高いものが選ばれますよね。あ、でもお金ないかな……」
「チュートリアル中にだけ買える無料の商品でも用意するか?」
「いいですね。」
何がいいかな……初めて食べるんだから、味の濃すぎるもの、刺激が強いものは避けて……薄味の物。
果物類が無難かなあ……皮が薄くて、そのまま食べられるリンゴはいいかも。いや、あの大きさにかぶりつくのはハードルが高いかな?
もっと小さい、一口で食べられるような……あっ、1ついいものを思いついた。“アレ”にしよう。
問題は何を食べてもらうか。無料で売ってあれば買っては貰えるだろうけど、口に運んでもらえなきゃチュートリアルの意味が無い。食事の疑似体験が出来ますよーって教えなきゃ。
だから、どうにかして食べさせないとね。例えば……
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荷物の整理を終え、1階に降りる。
宿屋の外へ続く扉へ歩を進める私に、ウエイトレスの少女の溌剌とした声がかけられる。
『あれ、お客さんもう出ていっちゃうの?ここで食べてかないの?』
『こら、無理に引き止めるんじゃないよ。』
女将に咎められ、一瞬口を尖らせた少女は何か思いついたのか、キッチンカウンターに乗っていたカゴから小さな袋を手にとった。
そして、私の元へ駆け寄り、その小さな袋を私の手に握らせた。
『はーい。あ、良かったらコレおやつ代わりに持ってきなよ。私が作ったんだけど、“これじゃ金はとれねえな”なんて言われちゃったから押し付け……こほん、配ってるの。あ、味は保証するよ!ほら、あむっ、むぐむぐ……ん〜!美味しい!お客さんも食べてみて!』
私の手の中の袋から1つつまみ、にこにこと口へ運ぶ少女。
その笑顔につられ、私も1つ、と手を伸ばした────……
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「食堂である必要がなくなっちゃった気がしますけど……こんな感じでどうですかね。1個つまみ食いしたのは、“食べる”ところをプレイヤーに見せるためです。」
「なるほど。」
「あとは、私たちがサクラというかファーストペンギンというか、そんな感じでプレイヤー達のいる所で食べる所を見てもらえばいいかもしれませんね。」
ひとまず、この設定で行くことになりました。
クエスト内容は、
・〇〇を食べる。または、インベントリから使用する。
だよ。
口に合わなかったらその時はその時。無理せずアイテム欄から[使う]を選択して下さい。
リリース前には先行プレイがあるらしいので、そこでまた様子を見ます。
さて、最初に食べてもらうものを決めたので作りますよ!




