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0.5.1.3 ポトフちゃんのトッピング

 クレープと言えば!バナナ!イチゴ!ホイップクリーム!チョコソース!

 まあ、後者の2つはないんですけどね。


 果物類は切るだけ。バナナはちょっと斜めの輪切り。イチゴは縦に半分。ちょっと味見〜。うーん、そのまま食べるにはちょっと酸っぱいかも。まあ、クレープに入れるなら問題ないか。


 それじゃ1つ目、ホイップクリームを作ります。

 用意するのは、モーチの実からとった生クリーム。そして、その10パーセントぐらいの分量の砂糖。多少甘めの味付けです。

 それから氷水。キレイに泡立てるコツは冷やしながら混ぜる事なんだって。


 というわけで、大きいボウルに半分くらい水を張って、ゴインキョさんに凍結をお願いします。

 氷ができたらピックでガシガシと砕いて、水を入れる。これで準備OK。


 別のボウルに生クリームと砂糖を入れて、氷水に浮かべたら後は混ぜるだけ!うおお、私は人間ハンドミキサーだ!混ぜ続けても腕が疲れないっていいね。

 5分もすればしっかりツノが立った。味付け味付け~。


「んん~。甘ウマ~。」

「おお……口の中で溶ける……」


 濃厚で滑らか、それでいてふんわり軽く、きめ細かい泡が舌の上でシュワッと消え、濃いミルクのコクと風味が口の中に広がる。たまんないね。


 次はチョコソース……はまたいつか作るとして、代わりにカラメルソースとキャラメルソースを作ろうと思う。


 材料は、砂糖と水。それから、砂糖と同じ分量でカラメル用に水、キャラメルには生クリーム。水と生クリームはあらかじめ小鍋に入れて火にかけ、温めてからインベントリに保存しておくよ。


 それじゃあ、カラメルを作るよ。

 鍋に砂糖と少量の水を入れてさっと混ぜてから強めの火にかける。後はヘタに触らずに、優しく鍋をゆすって混ぜる。


 ぷくぷくと煮立ってきたら火を弱めて、引き続き煮詰める。

 黄色、茶色と色が変化しべっ甲のような美しい色になったら火からあげる。気持ち早めにあげたほうが焦げすぎなくていいかも。これで『カラメル』の完成。


 今回はソースにするためにカラメルが冷えないうちにお湯を入れる。ヘラでしっかり混ぜて、『カラメルソース』完成!

『キャラメルソース』は、最後のお湯を生クリームに変えるだけ。これもちゃちゃっと作ります。

 ほろ苦いカラメル、ミルキーで濃厚なキャラメル。どっちも美味しくできました。


「ふむ。カラメルの方はちょっと苦いのう。わしはこっちのキャラメルの方が好きじゃな。」


 ほーん。そういえば、大人になると苦いものが食べられるようになる、って言うけど、それって小さい頃からの積み重ねがあってこそだもんね。私以外の人間にはまだ早いかな。次はもうちょっと早く火から離そう。




 さてさて、甘いものばかり作ったけど、おかずクレープ、なんてのもあるよね。

 ツナレタス、ハムチーズ……肉、魚は無いものとして……野菜とモッツァレラチーズ、あっ、ケーランがある!ゆで卵にしてマヨネーズと混ぜて……って、マヨネーズないね。欲しい!


 とりあえずゆでケーランは作っておく。鍋にケーランと、ケーランが浸かるぐらいの水を入れてかまどにセット。だいたい十分くらいかな。


 茹でてる間にマヨネーズの作り方を調べる。必要なのは、卵黄、油、塩……そして、お酢。

 お酢かぁ……さしすせその“す”料理の基本だよね。でも、お酒から作れる、ぐらいしか分からないや。助けて先人の知恵!『お酢 作り方』で検索っと。


 お酒に種酢を混ぜる……その酢はどこから?酢酸菌?そっか、菌か……果物や野菜についてる……ふーん。酵母とかもそんな感じじゃなかったっけ。

 なんだかややこしいので、直で採れるようにしちゃお。未実装アイテムの出番だ!


 チョイスしたのは、卵ぐらいの大きさのドングリのような木の実。

 帽子の部分は赤くゴツゴツとしていて、閉じた松ぼっくりのよう。実の部分は黄色く、ミカンのように房が密集している。

 なんだか見たことあるな、こんな感じの半分だけ剥かれた果物。ちょっと検索……ああ~マンゴスチン!これだ。


 この実、酸っぱい……サワー……『スワーの実』からお酢をとります。

 帽子を外したら、ミカンのように分けて、あとは唐揚げについてるレモンのようにギューっと指でつまんで絞る。色を黄色っぽくして……これはお酢、これはお酢……穀物酢……


「な、なんじゃ、異臭がしとるが大丈夫なのか?」

「大丈夫です。この匂いは成功ですよ〜。」


 うーん、むせかえるような酸っぱい匂い!

 お味の方は〜?すっぱ!キュッと口が窄まるような刺激!唾液ドバドバですよ。

 搾りかすの方もちょっと齧ってみる。ん~……酸っぱいだけの削り節って感じ?キュウリなんかとあえて、酢の物みたいにしてもいいかも。とっておこう。


「ウッ……強烈じゃな、コレは。」

「これが酸味とか、酸っぱいって言われるやつですね。」

「ううむ、そういえば今までも果物を食べる時に酸味の話は出てきたが……それを凝縮したのがスワーの実と言うことか。」

「あー……それとはまた、ちょーっと違うんですよね。あっ!」


 果物の酸味、で思い出した。インベントリにレモンが入っていることを。

 森で収穫したときは、刺激が強いからゴインキョさんにはまだ早いかな、と後回しにしてたんだよね。ついでに今味付けしちゃおう。

 くし切りにして、思い切ってかぶりつく!


「んむー!っぱ!」

「んんっ!な、なるほど、確かにこっちのほうが果物の酸味に近いな。」


 お酢の、ツンと来るような酸味とはまた違った、さっぱりとした酸味。爽やかな香りもいいね。


 それじゃあ味付けがすんだので、マヨネーズを作りましょう!

 材料はスワーとケーランの黄身、黄オイラと塩。ついでに、くし切りにしたレモンも一欠片。卵白はまた今度。保存しておきます。


 黄身を一つ。スワーを1片。1つで小さじ2杯分くらいははあると思う。それから塩を一つまみ。

 オイラはとりあえず1個分、大体100ミリリットル。


 オイラ以外を全てボウルに入れ、レモンを絞って、混ぜる。

 モッタリとしてきたら、オイラを少しずつ入れながら更に混ぜる。混ぜる。混ぜる。

 で、ちょこっとツノが立つくらい混ぜたら『マヨネーズ』完成!いただきます!


 んん〜、クリーミーに混ざりあった黄身の旨みとスワーの酸味が見事にマッチしている!美味い!


「んん……なんとも言えん味じゃな。」


 一口食べて首を傾げるゴインキョさん。これは……あまりお口に合わなかったようですね。まあそのまま食べるものでもないしね。てことで、このキュウリにつければ……?


「ん?またキュウリにつけるのか?……!ほう……」


 マヨネーズの油っこさと酸味をキュウリの水分でマイルドに!これで多少は食べやすいはず。そして……


「んん?なんじゃ、なぜ味噌を取り出して……」


 マヨネーズと合体!ここに爆誕『味噌マヨ』!

 マヨネーズのまろやかさと酸味、味噌のコクと塩味……うーん、これは勝てない。


「むぐむぐ……美味っ!さあ、どうぞ。」

「な、なんちゅうことを……」


 キュウリ片手にゴインキョさんへ味噌マヨを差し出す。

 恐る恐るキュウリをディップして1口……

 カッ!と目を見開いたかと思えば、ギュッと眉間に皺を寄せ目を瞑る。黙々とキュウリをポリっていたが、最終的に天を見上げ……


「キュウリ、まだあるか?」

「あります!」


 おかわりですね!はい喜んで!

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