0.5.1.1 ポトフちゃんと風車小屋
それではお待たせいたしました。今日のメインクエスト、麦の収穫です。ちょっと調べてみたけど、お米の収穫方法と割と似てるんだね。根元から刈って、乾燥、脱穀、という流れ。
とりあえずザクザク刈り取ってはみるけれど、どれくらい必要かな。10キロ……20キロ……雑に計算して、半分の量の小麦粉がとれる……ってことで……ん~、とにかく沢山刈る。
さて、お次は乾燥。そのために、ちょこさんの所にあった乾燥棚をどこかへ設置したい。私の店にもいずれ置くつもりだけれど、今日はちょっと気になる建物が近くにあります。
「ゴインキョさん、“アレ”って使えますかね?」
そう言って私が指差した先には、小麦畑沿いに建っている風車小屋。風をうけて悠然と風車が回っているね。アレって小麦を挽くのにつかえるよね?こんな畑の近くにあるんだから、製粉するためのものだと思うんだよね。
「ふむ、あの建物は…………ただのオブジェクトのようじゃな。外も中もそれっぽく出来ておるだけじゃな。何に使うんじゃ?」
「あの風車小屋って、多分中で小麦粉を作れると思うんです。この小麦を、こう、すり潰して粉にする道具があって。」
「なるほど、粉にする、か。それだけなら加工の工程は簡単そうじゃから、今ある建築物に手を加えてやればその道具も使えるかもしれんな。」
見てみないことにはまだわからない、という訳で風車小屋にやってまいりました。
扉を開けると、部屋のど真ん中に重機のタイヤを横倒しにしたような形で大きな石臼が設置してある。高さは私の腰くらい。ドーナツのように真ん中に穴が空いている上石は、天井から地面に向かって生えている大きな柱……というか軸かな。軸と繋がっていて、ゴリゴリと回転している。
その軸に上石を固定するためか、十字形に太い丸棒の木材が刺さっているのだけど……なぜか長めに外側に飛び出している。ちょっと……いやすっごく邪魔。
ん?待てよ……この見た目どこかで……あっ!あれだ、奴隷が回すやつだ……!ぐるぐる回してるよくわからないやつだ!なんてものと混ざってるんだ。
後は……棚だったり大きな袋だったり、それっぽーい物が周りに置いてあるね。
他に目ぼしいものはなさそうなので、お次は部屋の隅にあるはしごを使って2階を見に行く。
おお、すごい。雑然と並んだ沢山の歯車が、ギシギシと軋む音を立てながら回っている。まるで時計の中に迷い込んだみたいだ。
詳しい仕組みはよくわからないからヘタに触って動かなくなるのは困る。てことでここはノータッチで。石臼はちゃんと動いてるのでヨシ!石臼周りだけなんとかすれば麦は挽けるよ。1階に戻るよ。
それじゃあこの風車小屋を改造しましょう!てことで、今からこの空間を自由にいじれるようにしてもらったよ。とりあえず風車の動きを止めて、邪魔な棒は切り落としちゃおうね……
後は必要そうなものを足していこう。
下石を上石よりふた周りほど大きくして、その広げた縁のところににぐるっと囲いを設置。小麦を取り出せるように、一部を開けてシューターを付ける。この下に袋の口を広げて置いて、滑り落ちた小麦粉を回収するんだ。下には飼葉桶みたいな受け皿も用意しておこう。
次は小麦を入れるところ。
上石と軸。その間には10センチほどの隙間がある。その隙間に麦を投入するために、臼の外周に木で支えを作り、私の頭くらいの高さに大きな漏斗を設置して、隙間に向けて滑り台のようにシューターを取り付ける。
これで回転する石臼の外から安全に麦を入れられるよ。……ちょっと高いから踏み台も用意しておこう。
これで風車小屋の完成!やっと小麦粉作りに移れる!その前にちょっと休憩~。
…………
………
……
それじゃあ小麦を加工していくよ。置いてあった棚を、そのまま乾燥棚にしてもらい、小麦を並べて、2週間ほど経過させました。
次は脱穀。穂先をプチッと切り取って、手ではさんですりすりと擦る。チクチクするけどこれが一番手軽かな。後はお米同様、ふるいにかけて、殻を取り除く。キレイにして量産!
次はいよいよ石臼の出番だ。漏斗へ小麦を投入すると、シューターを伝って雨粒のようにパラパラと落ちていく。粒が隙間へ入るように調整しつつ、経過を見守る。さて、上手くいくかな?
最初は小さかった破砕音がじわじわと大きくなり、石臼全体へ行き渡り……ついに粉がでてきた!全粒粉ができたよ!入れ物はーっと、部屋にあった袋をアイテム化してもらって、そこに保存しよう。この袋はサービスです。
そしてこの出来上がった全粒粉は、4等分に分けます。で、4分の3をもう一度挽く。これで強力粉に変換するよ。強力粉が出来たら、4分の2をまたまた臼で挽いて中力粉に。
今まで、小麦粉って挽き方によって用途が違うのかな、って思ってたけど、そもそも小麦の種類からして別物みたい。でもこのゲーム内じゃ同じ小麦から出来てるってことにします。
「まだ細かくするのか?」
「これで最後です……よっ、と。」
中力粉を更に挽いて薄力粉に変換。これで4種の小麦粉ができたよ!全粒粉はちょっと茶色っぽく。そこからだんだん色を薄くして、ちょっとは見分けがつくかな。
「ふう。これで『小麦粉』完成です!」
「おお、お疲れ様じゃ。」
「ありがとうございます。それじゃあ、キッチンのあるところに移動しましょう。」
「そうじゃな。1番近いのは七ツ葉の町じゃが……ふむ。パピ達の居る一ツ葉の街に行くか。」
ということで、今いる麦畑からずーっと南、『一ツ葉の街』へ行きます!
ちなみに、街と町の違いは端的に言うと広さ。それから施設の数。街にはギルド、公式からのお店共に全て揃っているけど、町はそうじゃない。
だだっ広い平原にある町に、鉱石を沢山使うようなうさちゃんの鍛冶屋はないし、草1本も生えていない砂漠にある町に、木製の家具が多く並ぶちょこさんの家具屋はない……って感じ。
たんぽぽ農園?扱ってるのは食べものだからね。全国どこにでもありますよ。




