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0.4.7.3 ポトフちゃん、パーティを組む。

もう一着は仕事着。料理人仕様なお洋服。


インナーは特に変わりなし。下が白いホットパンツになったくらい。


上着はコックコートのような感じ。黄色をベースに緑のラインが入っている。袖は短く、パフスリーブのように膨らんでいる。


それから、葉っぱのようなコックタイに、リボン、ファーのついた靴など細々したもので飾って……最後にふわふわ綿毛帽子。これで完成!


試着して気になるところを直したら、いよいようさちゃん達にお披露目です。


「あれ、うさちゃんは?」

「うさぎさんはご自分の店を見に行くとおっしゃってましたよ。あら……」

「ポトフ!」


仕事着を着たまま店内に戻るとうさちゃんが不在……だったけど丁度戻って来たよ。見て見て〜どうです?


「おお!あれだ、たんぽぽの花っぽくていいな!すごく可愛いぞ。……帽子は残してくれたんだな。」


褒め言葉をひねり出してくれてる……綿毛の服はどうかな?着替えてみる。


「お゛っ!?かっかわっ……!!?」


おっ、こっちが刺さったね。ゴクリと生唾を飲み込み、手をわきわきと動かし、1歩、2歩とこっちに近づいて......アッ、やばいハグされる。


「うっ……!?」

「ポトフさんをまた吹っ飛ばすつもりですか?」


危うく2回目の発射となりそうなところ、颯爽と私達の間にななさんが割り込み、うさちゃんの喉元へ杖を突きつけた。後ろからは花菱さんの「なっちゃんカッコイイ~」という小声が聞こえる。


「す、すまん。我を忘れた……」

「……そんな貴方に朗報ですよ。パーティが組めるようになりました。」


おっ!パーティ!ついに実装ですか!


「プレイヤーを選択して……メニューから選んで……」

「……これか。」

「これは仮でいいので……」

「……よし。」


ななさんがうさちゃんに説明しているのをソワソワと見つめていると。ポコっと目の前にウィンドウがでてきた。


【ふわふわうさぎ さんからパーティへ招待されました。加入しますか?】

〈加入する〉 〈拒否〉


チラッとうさちゃんを見ると......ふふっ、そんな不安そうな顔をしなくても。もちろん加入する、を押しますよ。


73(ななさん)、ポトフに説明を。」

「はいはい。ポトフさん、視界にあるアイコンの中に、人が2人並んでいるものがあるのがありませんか?」


ウキウキとしたうさちゃんに呆れた目を向けるななさん。

二人……あ、この肩を組んでいるようなマークのやつかな。


「はい。ありますね。」

「そちらを選択して“パーティメニュー”を開いてみてください。」


はーい。メニューを開くと、うさちゃんと私の名前とレベル。それだけ。シンプルだね。

ななさんの指示を聞きつつ、うさちゃんの名前をタッチ。お、簡易的なステータスが出てきた。体力、魔力、スタミナだけね。すごいな……スタミナ1000超えてる……


それから、連れている仲間。ちゅうちゃんとぴよちゃんの名前が載ってる。

ステータスを画面に表示する……?ああ、ミニマップみたいに視界の隅において置けるのかな。オンにしておこう。


それから、端っこにある歯車のマークをタッチ。ここにもなにやらチェックボックスがあるね。えーっと、“接触の許可”?うさちゃんが言ってたやつかな。許可します!チェック!


......すると、白いウィンドウがでてきた。一番上には『接触の許可に関する注意事項』なるタイトルが。他は何も書かれていない。んー?一番下に許可する、しない、とあるけど……


「そちら、中身の文面は作成中ですね。内容を端的に申しますと、“常識的な範囲で触れ合え”“性的接触はやめろ”“強要されているなら通報しろ、相談窓口で助けを求めろ”......そういった事が書かれる予定ですね。」


そう説明してくれたななさんは微笑みを浮かべ、じっ......と見つめてくる。な、なんだろう、貴方達の行動によって変わるかもしれませんね、って視線で訴えかけられている気がする……!こ、心に刻みます……!

と、とにかく、許可します……!ペケがつきました。これでよし。


「許可できました!わっ!」

「ポトフ……!ずっとこうしたかった……」


許可を出した途端、うさちゃんにぎゅむぎゅむ抱きしめられる。ふふふ。進化した綿毛を堪能してくださいね。




「んんっ、お二人とも……そろそろよろしいでしょうか?」

「あっ、はい。うさちゃん、そろそろお暇しましょうか。」

「ん?ああ、そうだな。」


1分、2分どれくらい抱き合ってたのかわからないけど、流石に痺れを切らしたななさんからストップがかかる。店の中でスイマセン……

擦り寄るうさちゃんを止めると、そのまま抱きかかえられ扉の方へ。


「ありがとうございました!」

「またお越しくださいね。」


ひらひらと手を振るお二人に手を振り返しながら店を出る。またね〜!


──────────


「うさぎさん、ポトフの前だと全然キャラ違うじゃん!?もっと......こう......ツンッとした一匹狼で、辺境で1人仙人みたいな生活してて......でもなんだかんだ頼られると手を貸してくれるって感じの......そういう感じじゃなかった!?」

「凄いですね。そんな感じのロールプレイをしてますよ。全部当たってます。ポトフさんの前だとそれが全部吹っ飛ぶだけで。」


──────────


............

.........

......


「2着も作ってもらったんだな。」

「はい!代わりにクリを使った料理を作ることになりました。」


うさちゃんに抱っこされて、雑談しながら街の外へ向かう。


パーティシステムの事も聞いたよ。

メンバーが近くにいる場合、敵を倒した時の経験値、黒晶石は均等に分配される。残念ながら、レベル差のボーナスが入らなくなるのだけど、人数に応じてちょっとだけボーナスもつくんだって。ドロップ品は早いもの勝ち。


ただ、ボスモンスターは少し特殊で、パーティでもソロでも報酬は個人に与えられる。かなり美味しい敵だけど、一日一回とかの制限があるんだって。


「そうだ、パーティ名は何がいい?ポトフと一緒に決めようと思って適当につけてあるんだ。」

「なんてつけたんですか?」

「パーティ。」


そのまんまだ......あっ、もしかしてウィンドウの縁に書いてあったパーティってそういうこと......!?本当にテキトーだ。


「うーん......私たちの共通点ってやっぱり生産職って所ですよね。」

「確かにそうだな......生産......ものを作る......作業場......アトリエ......工房......」

「あ、いいですね。工房。“ふわふわ”うさちゃんと“ふわふわ”な私で『ふわふわ工房』とか......どうです?」

「いいな!『ふわふわ工房』!」


というわけで決定!今日から私は、『ふわふわ工房』のポトフです!

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― 新着の感想 ―
綿毛堪能してね〜ってことは恋愛感情は無い…?ww 孫→ポトフは確実やと思うんやけど、ポトフから矢印出てるのか…。
あれ、こいつら正式にお付き合い始めたんだっけ?と記憶を疑うレベルのいちゃつき……すげえ…… もしや本当に読み飛ばしたのか不安になってきたので改めて読み返してこようと思います
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