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0.4.6.1 ポトフちゃんの牛肉作物づくり

・うさちゃんの見た目微修正

 さて、何を作ろうかな。やっぱりお肉?そうだ、動物性のものが消えてるわけだから、何がそれに当たるのかちょっと調べてみよう。え~……『動物性 食品』っと。


 肉、魚介、卵、牛乳……それらの加工品。うんうん。ハチミツ……ハチミツ!?だめなんだ。


 つらつらーっと見ていると、一瞬『シルク』を言う文字が見えた気がする。そうか、動物性だな……そういえばブタモモの皮を使うって話があったなぁ……牛皮とか羽毛は肉を作るついでに出来そうだけど、羊は……癖があるって聞くから後回しにしたいな。

 食品関係ない素材も作ったほうがいいかな。それとも、もう作られた?うさちゃんに聞いてみるか。


「シルクに羊毛か……服飾班に聞いてみるか。ちょっと待ってろ…………」

「お願いします。」


 で、わかったことは。服飾班の方で、そういう動物性の糸なんかが採れる植物を作っているところらしい。なので、私が作る必要はないそう。


 ただ、副産物としてそういった物が出来るのはオッケー。その場合、既存のアイテムと同一のものとして扱えるとのこと。

 例えば服飾班のシルク草(仮)と料理班のシルクの実(仮)から採れる絹糸は同じアイテム扱いになって、スタックとかもできるって感じ。


 疑問が解決したので作物を作ろう。

 今日は牛肉を作物にしよう。牛の部位について検索だ!


 …………

 ………

 ……


 多い……多いよ……内蔵とかも含めると、10種類は越えるよ……ちょっとぐらい省略してもいいよね……


 牛肉作物を作ろうと思った時に、ベースにするのはこれだ!と思っていたものがある。

 種類によっては何百キロもの重さになり……世界ではその大きさを競う大会もあったという……そう。『カボチャ』!


 というわけで、そんなクソデカカボチャをイメージしながら作ります。色んな部位をぎゅっと詰め込みます。机に乗り切らない気がするので、魔法陣は地面に移動させようか。うさちゃーん、ちょっと空間弄りますよ……はい、おっけー。




 まずは一番下の地面に接する部分、ここには骨……っぽいものを十字に並べる。ミカンについてる白いやつみたいな感じかな。カチカチだけどね。この周りはスネ肉にしようと思ってるのでとりあえず4つ。


 その真ん中に、大きくて長い骨を立てて、支柱にするよ。中には種を入れる。この骨を地面に埋めても芽が出るようにしよう。


 もういっちょ骨を追加。支柱の上のところから放射状に並べる。これを肋骨に見立てて、内側からバラ肉をくっつけていく。傘の生地の部分みたいな?外側にぷっくりとはみでた部分がカボチャみたいになってきたぞ。あっ、ここ牛脂に変えようっと。よしよし。


 支柱と肋骨を繋ぐように肩肉をつける。傘にもついてるあの、なんて言うんだ……柄の部分から外側の骨組みを支えてる……何?『受骨(うけぼね)』?そんな感じです。

 うーん、肉同士が接してる訳わかんなくなりそうだ……部位ごとに筋膜みたいなので覆っちゃうか。捌くのも楽になるでしょ。


 そうだ、下側の骨を増やして、上と同じ本数になるようにしよう。そして骨と骨を腱みたいなので繋いで……これも食べられるようにするか。ホルモンっぽい食感にしよう。伸縮性があるのでいい感じに伸びるね。

 こっちも上と同じ様にモモ肉を『受骨』みたいにつける。


 外枠はこんな感じていいかな。これで中に他の肉を詰めていけば、最終的にボンレスハムみたいなムチムチした形になって、カボチャのボコボコした感じを再現出来るはず……多分。恐らく。




「ポトフ。」

「ん?お疲れ様です、どうしました?」

「ああ、すり鉢を窯に入れてるからちょっと見に来たんだ……何を作ってるんだ?」


 そりゃこんなデカいの作ってたら気になるよね。私の太ももくらいまで高さあるもん。


「ふふ……まだ内緒です。窯に入れてるって、もう焼いてるんですか?乾燥とかさせるんじゃなかったですっけ?」

「ああ、乾燥させるのに、何週間も待たなきゃならないのは流石に面倒だから、ろくろから離して、焼く時に使う板の上にのせるとすぐに乾燥するようになってるんだ。」

「それってヒビが入っちゃったりしません ?」

「それは大丈夫だ。速く乾かしてるって言うより、乾く過程を早送りしてるって感じだからな。」


 なるほど。それなら大丈夫か。


「それで、他に欲しいものはないか?」

「欲しいもの……」


 本題はこれだね……欲しいもの、うーん。陶芸が出来るなら食器類?


「うさちゃん……」

「!」

「が作ったお皿が欲しいです。あ、あとコップとお椀も……白いのと黒いのがあるといいんですけど。」

「あ、ああ、皿、コップ、お椀だな。ポトフが作ってた木のやつじゃ駄目なのか?」

「白いお皿なら、乗せた料理が見やすいかと思って。黒いのもそうです。木のお皿はどうしても色と模様があるので、見本として出すときに分かりづらいかなって。」


 また作り直さなきゃね……


「なるほどな。分かった、作ろう。」

「お願いしますね。」


 私のおねだりを聞き入れてうさちゃんは作業場へ戻って行った。ありがとうさちゃん!




 さて牛肉の続き。

 大まかな外枠は出来たので中身を詰めていく。配置はどうしようかな。バラ肉は上外側でしょ……ランプ肉を似たような感じで下側につけようかな。


 後は……肩ロース、リブロース、サーロイン、ヒレ、この4つが有名どころかな。

 希少部位ってことで、ヒレは真ん中、腕肉とモモ肉の間の所に。その外側にサーロイン。上骨と下骨を繋ぐような形で……例えが難しけど、ハープの弦みたいな?縦に長い感じでくっつける。

 同じように、その外側にリブロース、そのまた外側に肩ロースの順でくっつける。


 これで配置完了!いや〜ややこしい!めんどくさい!こんなに使い分けしません!でもなんかあった時に使いたい!皮算用!


 位置が決まったので、それぞれの肉の大きさを調節して、隙間を埋めていく。バラ肉はもうちょっとふやして……ロース達ももっと太くして……


 あっ、タン忘れてた……えーっと、上の肋骨に隙間を作って、ヘタを付ける予定の場所の周りに追加。これでよし。



 中身は出来たので外観を整えていくよ。まずはブタモモみたいに薄ーい腸的な質感の膜をはります。腱とくっつけるか。


 次に皮。やっぱり黒毛和牛とか言うし黒かな……いや褐色にすればよりカボチャっぽいかな……うーん、よし、ランダムにしよう。どっちの色も採用!とりあえず今は黒で作ってみる。薄皮の上にピッタリはりつける。これだけだと革張りのソファみたいなので毛も生やすよ。ふさふさ~。よし。


 最後にヘタ。太めに作って、内側をテール肉にする。20センチくらい詰めておこうかな。

 で、先っぽに節みたいなのをつける。ほらつくしの袴みたいな?ちょっと尻尾みたいにフサフサさせる。ここらへんから収穫してね、っていう目印だ。


 これで完成だ~!だんだんコツが掴めてきたので、作るペースも速くなってきたよ。

 うさちゃんの方はどうです?ちらっと目をやると、まだなにやら作業中の様子。もしやあれは、窯かな?う~ん。まだ時間がかかるようなので、私ももう一個くらい何か作ろうかな。

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― 新着の感想 ―
>「欲しいもの……」 >「うさちゃん……」 これは魔性のポトフ。
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