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0.4.5.2 ポトフちゃんの殻剥き

 それじゃ放置している間にクルミ。殻の割り方っていろいろあるんだね、試してみよう。1つは水に浸して乾煎りして割る方法。これはお椀に入れて水を入れて放置しとく。


 それからそのまま割る方法。マイナスドライバーとかを隙間に突っ込んだりハンマーでそのまま割ったり。ドライバーは流石にないので細いノミでいけるかな?


 クルミのヘコんでいるところ、おしりの部分にノミの先を押し付けて……ひねる!ん、ずれちゃった、難しいな……もう1回。


「それは木工専用じゃなかったか?」

「……あっ!割れました!……専用って外していいかもしれませんね。」

「そうじゃのう……」


 ツールはツール。攻撃力とかが設定されてないから武器としては使えないけど、別の作業には一応使えるんだね。ハンマーなんて、鍛冶木工彫金その他専用とか書いてあるし。

その他て。専用じゃないじゃん!多分スキルが少なかった頃の名残なんだろうな……制作ツールとかで伝わると思うよ。


 というわけでハンマーを使って割ってみる。けど、加減が難しいな〜。実まで砕けちゃう。これならノミのほうがきれいに割れるね。そしてもう一個、私にはちょっと難しいかもしれない。


「クルミって素手でも割れるらしいですよ。ちょっと試してみません?」

「ハンマーで割るようなモンを素手でか?……ふむ、やってみようかのう。」


 てことでクルミ割りチャレンジ。2つ手に取りまして片方のおしりにもう片方の尖った所をセット!動かない様に両手を組むような形で握り込み……力を込める。


「「ふんっ!」」


 パキッ


「おお、割れたぞ!」

「わあ!すごい!」


 私の方はダメでした……筋力がもっと高ければいけるのかな……テクニックのほうが大事なのかな。割れる人は1個でも割れるらしいけど、ゴインキョさんどうです?


「……ふんっ!〜〜〜〜っはあ、無理じゃな。」


流石に難しいですか。


「ヂッ」

「おっ、どうしたんじゃ?」


 私たちのクルミ割りをゴインキョさんの肩の上て眺めていたトッキーが、おもむろにテーブルに降りてきた。そして殻がついたままのクルミを頬袋から取り出し……


 カカカカカカカカカカカッ!!!パキッ!


「ヂヂッ!」

「「おおおおー!」」


 目にも止まらぬ早業!前歯でクルミの割れ目を削って穴をあけ、そこへ前歯を差し込んで、私がノミでやったようにこじ開けた!すごい……リスってそうやって開けるんだ……そうやって開けるのかな……



 割れたクルミはどれもみっちり詰まって美味しそう!実を取り出して薄皮も取り除く。これが苦い原因なんだって。私のはちょっと残しとこ。


 それじゃあ生クルミを味見してみましょうか。これも現実ではお腹を壊しちゃうかもしれないからあまりよろしくないんだけど、ここじゃ関係ないもんね。いただきます。


「ん、美味しい。」

「おお、固いのに柔らかい……」


 薄皮を剥いた白くて美しい生のクルミは、よく知ったローストしてあるやつよりも、しっとりとした柔らかい食感。しかも甘みを感じる。でもクルミだってわかるよ。美味しい。これは火を通したものも期待できますよ……!あ、皮は苦いっす。




 ドングリ、もとい椎の実も下準備。最初はトッキーのドングリから食べれそうなのを選別。後で返すからね……心なしか悲しい目でこちらを見ている。


「他のは食べられんのか?」

「…………食べますか?」

「もうその聞き方で答えが出とるな……」


 しょうがないなあ〜!食いしん坊さんめ。雉も鳴かずば打たれまいって知ってる?道連れですよ。

 適当なドングリにノミでちょっとだけキズをつけておいて椎の実の中へポイッ。半分こして食べましょうね。いやあ〜プレイヤーがうっかり食べちゃうかもな〜。とんでもないトラップができちゃったな〜。


 選別を終えたら一応水に浸けてみる。……うん、よかった。全部沈むね。


「どれも水に浸すんじゃな。」

「あ〜そうですね。ドングリに関しては虫が入っていないかの確認ですけど。」

「……虫が?」

「そうです。クルミは浮いちゃいますけど、クリとドングリは虫に食われてると中身がないので水に浮くんです。」

「……」

「まあ、沈んでても虫が入ってたりするんですけどね。」

「ど、どっちみち入っとるのか……!」


 虫が入ってると聞いて話し合いが始まってしまいました。あ〜あ。現代でも虫は多少生き残ってるので、苦手な人はちょこちょこいるんだよね。今日とったやつは虫の入る隙なんてなかったから大丈夫ですよ。


 その間に水からあげて、乾煎りしていくよ。ざらーっとフライパンに入れてそのまま火にかけてしばらく炒める。コロコロ転がしているとどうやらお話し合いは終わったようです。


「どうなりました?」

「うむ……そもそも生き物は基本的にインベントリに入らないんじゃ。虫もその入らないものの一つじゃな。」

「あっ、じゃあ収納しようとした時点で虫が入ってることがわかるんですね?」

「そういうことじゃのう。」


 選別が楽でいいね。剥いたら虫さんがコンニチワしてくることが無くなるのか。


「中で死んで「死んでも死骸は残らんぞ」なるほど。」


 はい。

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食い気味で答えてくれる まあ、食うつもりではあるけど
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