0.4.5.1 ポトフちゃんと手料理
立派に育ったクルミとドングリ。早速収穫します。
まずはクルミ。よくみるカチカチの種や、緑の果実部分がついたままの物が落ちてきた。この実の部分ってそのまま剥ける?あ、手でいけるね。種だけを取り出すと、わあ、黒い。でもアイテム化されるときれいなクルミへ。洗わなくていいなんて楽でいいや。
お次はドングリ。パラパラと降るドングリの雨。あ~音が楽しいね。お椀を取り出して、マテバシイっぽいものを選別して、ちまちま拾う。あっ、ぽぽ達もお手伝いしてくれるの!?ありがと~!助かる~!このサイズなら持ち運べるんだねぇ。トッキーも楽しそうに集めてくれて……?
「ゴインキョさん、その……フードのやつは大丈夫なんですか?」
「ん?何がじゃ?」
トッキーは、集めた椎の実をゴインキョさんのおろしたフードの中にいそいそと詰め込んでいる。コイツ……ゴインキョさんがいいなら良いんですけどね……とか思ってたら、
「わしにもお椀を貸してくれんか?」
「ああ、どうぞ。」
あ、ゴインキョさんも拾います?どうぞどうぞ。
「うむ。そら、沢山集まったぞ。」「ヂッ!?」
「えっ!?あっ、ハイ。」
お椀でフードの中をガサっとさらって渡される。ト、トッキーが驚愕してますよ。
「ゴインキョさん、トッキーがせっかく貯めたご飯を取られてショックを受けてますよ。」
「……?」
もしかして自動で拾ってくれる機能?特性?があると思ってらっしゃる?多分違うと思うんですよね……
「トッキーの種族?って、食料を地面に埋めたりして貯蓄しておく習性があるんですよ。なんでかフードにつっこんでますけど……」
「あっ、そういうことか!わしが食料を取ってしまったということか!す、すまん、トッキー。」「ヂ……」
「トッキー、クルミいる?」
「ヂ……」
あっ、渋々受け取ってくれた。クリもあげようね。じゃあ、このドングリは貰ってくね……選別したら残りは返すからね……
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収穫を終えて作業場へ。料理の前に……
「ポトフ、ここに昨日わしが作った料理があってな。」
!!!!ゴインキョさんの手料理!テーブルに並べられるケーラン料理とバナナ料理。見た感じちゃんと出来てますよ!
「これは……私が食べて良いんですね……?」
「うむ……正直な感想を頼む。」
で、ではオムレツから……
「う……」
「ポ、ポトフ……?大丈夫か?」
「美味い~……すごく美味しいです……グスッ……」
人の作った手料理だ……!私の作ったオムレツと違う味がする……!火力が強かったのか表面には薄っすら焼き目がついているし、中身もちょっと固まり気味。塩味がちょっと濃いめだけどすごく美味しく感じる。
べそをかきながら他のものにも手を伸ばす。目玉焼き……いいねえ半熟だ。卵焼き……すごい!ちゃんと巻けてる!
焼きバナナ2種も美味しかった!ところでバナナジュースは……?
「その、これなんじゃが……」
「わ、凍ってる!」
全体が凍ったバナナジュース!いや……
「ゴインキョこれは……」
「うむ、少しだけ凍らせて冷やすつもりだったんじゃが、全部凍ってしまってな……」
「『バナナアイス』!素晴らしいです!新しい料理を作るなんて!」
「ん?」
スプーンを突き立てるとカッチカチかと思いきや、意外と削れる。では1口いただきます!
おお、そのまま凍らせただけなのにあんまりシャリシャリしてない!氷の粒が小さいのかな?それに、生クリームがちょっとだけ混ざっていたミルクだから、さっぱりしすぎなくて良い……
「ほら、ゴインキョさんもどうぞ。」
「う、うむ。……ん!凍らせたのに柔らかい……おお、口の中で溶ける……」
削ってお椀に盛り、ゴインキョさんへ渡すと、中々ご満足いただけた様子。
いやあ、凍らせる魔法は覚えてないし、冷凍庫もないから、アイスは後回しにしようと思ってたんだけど……偶然とはいえ作っちゃうんだもんな〜!レシピに残しましょうね。
そんなこんなでゴインキョ料理を堪能したあとは今日の料理。まずは下ごしらえから。
最初はクリ。フライパンじゃ茹でるのはちょっと難しそうだから、このまま剥こうかな。何個かは焼くか蒸すか用に分けておこう。
クリって生で食べられるんだね。ザラザラしたおしりの方を切り落とし、その面を下にして平たい方の面も切り落とす。あとは、おしりの方から頭の方に向けて、包丁で剥いていくだけ。
ちょっとだけ渋皮も残しておこう。で、剥けたら半分に切る。ゴインキョさんには渋皮のついてないほうあげるね。
「……あ、ちゃんとクリだ。」
「お、今までにない食感じゃのう。」
サクサクとした食感とほんのりした甘味がいい感じ。現実じゃあんまり食べない方がいいらしいけど、ゲーム内じゃ関係ないね。渋皮は渋いっす。
もう1個、お湯につけて、皮を柔らかくしてから剥く方法を試してみよう。まずはフライパンでお湯を沸かし、クリをいくつか入れたお椀に注いで、しばらく放置。蓋も乗せとこ。
「こういう下準備の段階のものって、自動作成出来ますかね?ほら、木工とかで使う釘みたいに。」
「レシピに残せば出来るぞ。」
「あ、そうなんですか?」
「うむ。釘なんかの小さなパーツにも設計図があるからのう。この下準備もその小さなパーツを作る段階なんじゃろ?」
その通りです。小さくて沢山使うようなものって、手作業だと作るのちょっとめんどくさいもんね。レシピ残します。




