0.4.3.4 ポトフちゃんの三種のバナナ料理
ぽぽ達もおやつにしようね「キッ」おっ、スーザンも食べる?君は今日の功労者だからね。バナナ、リンゴ、モモ……色々置いておくから好きなのお食べ。
私達もバナナ料理を食べますよ。ローラ様〜戻ってきてくださーい。
「あ、ああ、ワリィな。」
「いえ、美味しそうなのあったら今度持ってきてくださいね。」
「オウ!モチロンだ!」
よかった。平静になってくれたので1つ目。普通の『焼きバナナ』から。皿の上に横にしたまま、ヘタの所を切り落とし、切ったところから皮を引っ張って上半分を剥く。あとはフォークで一口大に切って頂くだけ!
「トロ甘〜。」
「ほぉー、柔らかいのう。」
「な、なんだコレ、すっげぇ甘ェ!」
一見まっ黒焦げで失敗かな?と心配になるが、中は白く、火が通ってとろとろと柔らかくなっている。口にいれると、焼くことによって濃縮された甘みが広がる……これだけで立派なスイーツです。
お次は砂糖とバターを使った『焼きバナナ』そのままフォークで刺して一口。
「あ~。美味……さっきのと全然ちげぇ……」
「バターの香りがたまらんのう。」
溶けたバターのクリーミーな深い香りと、ねっとりとした砂糖の甘味をその身に纏う焼きバナナ……最高です……
そして最後は『バナナジュース』沈殿した果肉をスプーンでくるっとかき混ぜて……いただきます。
「ふー、さっぱり。」
「お、いいなこれ。」
「焼きバナナよりも甘味はないが、そこがまたいいのう。」
ひんやりとしてほんのり甘い。ミルクと混ざりあったバナナの風味と果肉がなんともマッチしている。スルスル飲めて、口内に残った焼きバナナ達のねっとりとした甘味を押し流してくれる……
「こっちも簡単にできそうだな。切って潰して混ぜるだけなんだろ?」
「そうですね。今回は簡単に潰せるように輪切りにしましたけど、そのまま潰してもいいんですよ。もっと粗く潰して果肉の形を残したり、砂糖の量をもっと増やしたり……色んな楽しみ方があるんです。」
「クゥーっ......ポトフ、モーチの実ちょっとだけわけて貰ってもいいか......?」
「もちろんいいですよ。」
思う存分試してください!
............
.........
......
「それじゃ、モーチの実解体してみるぜ。」
「はい!」
今日の味付け終わったあとは、ローラ様の解体作業を見学。レシピを見ながら実践してくれるって。こういうのって、本来ゴインキョさんの役割では......?次からやってもらわなきゃ。
ちなみに、ローラ様はなんと自前の包丁を持ってきてくれていた!売買機能のテストとして、うさちゃんの鍛冶屋が出来たんだって!そこで買えるようになったらしいよ。
「まずは8等分に切れ目を入れるんだったな。んっ?結構カタいな。」
「えっ?そうですか?」
「まあ、切れねぇこたぁねぇんだが。......ああ、オマエの包丁が特殊すぎンだったな。」
「あっ!そうでした!」
そうだった私が持ってるのはなんでも切れる包丁でした。あっ!これ撮影でも使っちゃってたな……
「普通の包丁で撮り直したほうが良いですよね……?」
「ああ……そうじゃな。店売りしてるヤツを使って作ったほうがいいかもしれんな。」
「黒曜石の包丁は初心者が用意するにゃハードルが高すぎるかんな……」
ええと、包丁を使ったのは……卵焼きを切り分ける時と、今日のバナナ料理くらい?ブタモモはまだ撮影してなかったよね。そうだ、明日はお休みだし、街の散歩でもしてついでに包丁も買っておこう。ごめんねうさちゃん。この子は個人的に料理するときに使いますね。
持ち前のパワーでどんどん切れ目を入れていくローラ様。いよいよ剥がして行きますよ。
ミチミチ……スッポン!
「ハハッ!気持ちいな、コレ!」
楽しそうに外皮をスポスポ剥いて、お次はチーズ剥がし。
「おおーコレも気持ちいいな!よっ……と。」
「あ、こっちのお皿にどうぞ。」
「サンキュ。あとはコイツだな。」
残ったのは種の部分。包丁ささります?
「アハハ!全っ然刺さんねえ!」
わ、笑い事じゃないっす......普通に切ろうとしても刃が入らないので、ローラ様は鉈みたいに振り下ろして丸く穴を開けていく。まさに力こそパワー......
上部が切り取れたのでカポッと外し、お玉で生クリームを救出。
「残ったミルクはどうする?1個目だと器が無ェけど。」
「そうでした…...まあ、地道にお玉で掬うか、傾けてお椀に注ぐかですかね。」
やってみましょ。種小脇に抱えて、穴の縁にお椀をくっつけて、......傾ける。お、いけるか?いけるか?あっ、ああ〜漏れてる漏れてる。1個目はしょうがないか。必要経費だ。
からになった種を横にしてまたもやガッガッ叩き切っていく。割れたらバターを削ぎ削ぎ。これにて解体完了です!
「いやァ、結構力仕事だったな!」
「ですねえ。」
包丁の事忘れてたのはほんとにうっかりしてたなぁ......
そんなこんなで日が暮れてきたので、ローラ様はそろそろお帰りになるそうです。
「今日は結局使わなかったけど、チーズと生クリームは何に使うんだ?」
「そうですね......チーズは塩コショウをかけてそのまま食べたり、ピザに乗せたり......生クリームはパスタにスープ、泡立ててお菓子のデコレーションに使ったり......色んな使い道がありますね。」
「ハハッ!よくわかんねぇケド、そのうちそういう料理を作るんだな?楽しみにしてるぜ!」
「はい!」
お土産にモーチの実を持たせてお見送り。黒いドラゴンに乗って飛び去って行かれました。
またね〜ローラ様〜。
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さて、そろそろ解散……ってとこでゴインキョさんに呼び止められる。
「ポトフ、明日は休みじゃったな。」
「そうですね。」
あれ、なんかあったっけ?
「いやなに、お主の作ったレシピを元にわしも料理を作ってみようと思ってな。テストプレイみたいな感じでな。」
「ああ!いいですね!じゃあ……食器と調理器具、調理場に置いときますね!お箸が使いにくかったらこっちのヘラとか使ってみてください。今日採れたバターとミルクも置いておきます。あっ、畑の作物も自由に使っちゃってください!」
「うむ、助かるぞ。」
ゴインキョさんが料理……うまく出来るかな?こっそり見にいこうかな。
それじゃあ今日もお疲れ様でした!




