表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
40/114

0.4.3.2 ポトフちゃんの解体ショー

 モーチの実を収穫し終えたら、作業場へ。先に必要になりそうな道具を作ろう。転がらないように、固定出来る台座みたいなのも作ろうかな。


 まずはスプーン。長さは15センチくらいでいいかな。長方形の箱型に切り出し、おおよその形を決める。先の方は丸くて反対側には持ち手。強度が心配なんで、あんまり細くはしない。


 あとは持ちやすいようちょっと薄くして、くぼみを作って掬えるようにするだけ!お椀を作ったときのスキルがここで活きる……!


 似たような感じでお玉もつくった。これで生クリームを掬おう。

 そうだ、ヘラも作ろう。やっぱオムレツなんかは箸だけじゃちょっとやりにくかったもんな。切り出した30センチの角材を平たく削り、先端は四角いままにして、持ち手をつくる。このままだと鳴子みたいだから先っぽをちょっと斜めにして……この2つは専用ツールに設定。これでよし。


 それからモーチの実を置く台。適当な大きさの丸太を5センチくらいの幅で切り、真ん中をくり抜いてドーナツみたいな輪っかにする。これに乗せれば転がらない、はず。


 これで道具はオッケー!


 料理の前に、ゴインキョさんがスパッとやっちゃった実を味見しましょうか。裂け目に沿って刃をいれて真っ二つにすると……チーズとバターしか残ってないね……


「んん~。美味~。」

「おお、何じゃこの弾力は。」

「うわなんだコレ口の中で溶ける……」


 むっちりとしたチーズをちぎり取って一口、じんわりとホエーが染み出し、口の中でほろほろとほぐれる。

 スプーンですくい取ったバターは舌の上で溶け出し、濃厚で滑らか……

 どちらもミルクの風味が濃~い。美味……ここで塩を一つまみ。


「不思議だ......塩しかかけてねぇのに何となく甘さも感じるな。」

「ほう......ポトフ、胡椒はあるかのう?」


 はいはいこっちにありますよおじいちゃん。


 …………

 .........

 ......


 味見が済んだところで、まずは下準備から。ここも撮っておくってさ。大きすぎて机に乗せるとやりにくいので地面の上から失礼します。台座の上にモーチの実を固定し、外の皮に縦に切れ目を入れていく。


 8つほど切れ目を入れたらミカンをむく時のように、一房掴んで外側へ動かす!ぐぅっと力を込めるとグポンと間抜けな音を立てて外れた!


「おお~。なんか楽しそうだなソレ。」

「まだモーチの実はあるんで、よかったら後でやってみますか?」

「オウ!」


 どうやらローラ様に興味を持っていただけたみたいです。すぽっと取れるのは確かに楽しいし気持ちいい。


 さて、8分の1の外皮。お次はこれについているチーズを剥がしていく。縁に隙間を作り指を突っ込んで引っ張ると、ミリミリメリメリ面白いくらい剥がれる。どっかで見たことあるな......スクイーズを形から外す動画がこんな感じだった気がする。

 残りのチーズも剥がし、真ん中の種も外すよ。


 剥がし終えたチーズをお皿に乗っけ、外皮と一緒に端に寄せときまして、机の上に移動。お次は種からミルク達を取り出すよ。穴を開けるのもいいんだけど、それだと生クリームと混ざっちゃうので、種を固定し缶切りを使って缶を開ける時のように、上部に刃を入れていく。濃い牛乳が飲みたい時はそっちでいいかもね。


 パカッと蓋をとるように開けてみると、なみなみと溜まった生クリーム達が!縁のバターを削ぎとって穴を広げ、お玉を入れてすくい取る。お椀の半分ぐらいはとれたが、想定よりも少ない。やっぱ落とした衝撃で混ざっちゃったかな……直接もぎに行くしかないか。

 あ、たんぽぽ農園のやつは大丈夫ですよ。私の創造した形でちゃんと並ぶんで。多分。


 残った濃いめのミルクは……あ、丁度いいやゴインキョさんが割ったやつに移しとこ。半球状だから器につかえていいね。

 こぼさないように先に器をミルクの入った方の実の穴の上に被せ、上下から抑え込むようにガッチリ掴む。そして……クルッっと逆さにする!実を持ち上げると、ごっぽごっぽと音を立てて器を満たしていく。よしよし一滴もこぼさす移せたぞ。


 からになった種は横向きにして半分に切り、下側を器代わりにして中のバターをそこへ削ぎ落としていく。これで解体完了!


 早速とれたてのミルクとクリームを味見~。


「濃厚だ……」

「これが牛乳か……」

「結構あっさりしてんだな。こっちのクリームは……ミルクとバターの間って感じか。」


 やはりクリームと混ざっているのか、ジャージー牛乳のように濃密でコクがある。いや美味いな。クリームの方はさらにもったりしていて……うーん泡立てて食べたい。


「そうだ、ポトフこれを渡しておくぜ。」


 そう言ってドドン!と机に乗せられたバナナ!バナナ!!バナナ!!!


「と、どうしたんですかこんなに沢山……」

「いやぁ、森ン中歩いてっと結構生えてるんだよな。見かけるたびちょっとずつもいでたら、こんなんなっちまった。これでもアタシの手持ちの半分なんだぜ?」

「は、半分……」


 フィールド上の素材は、一日ごとにリスポーンするから重複してる分もあるんだろうけど……ローラ様めちゃくちゃバナナのこと気に入ってくれてるな。

 そんなローラ様の期待に答えられるよう、美味しく料理させて頂きますからね!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ