表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【書籍化】落ちこぼれだった兄が実は最強〜史上最強の勇者は転生し、学園で無自覚に無双する〜  作者: 茨木野
第6章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

85/248

85.勇者、古代兵器も余裕で倒す


 人魚セイレーンの街に遊びに来た。


 翌朝。

 俺は海神トリトンとともに、街の外にやってきた。


「で、俺に用事ってなんだ? 何すりゃ良い?」


 トリトンは海底にある、【それ】を指さす。


「海底の……神殿? 遺跡か何か?」


 見上げるそこには、石でできた建造物があった。


 巨大なトリトンよりも、さらに大きい。


 あちこちに苔が生えており年代を感じさせる。


「いいえ、あれは遺跡ではありませぬ。【古代兵器】でございます」


「へー古代兵器。これが?」


「さよう。【古代獣ヴェスティア】と申す、巨大兵器でございます」


「ヴェスティア……ふーん。これってウミガメ?」


「その通りでございます。こやつは【海獣ケロニオイデア】……この世界に住まう古代生物兵器の1つです」


「なんでこんな物があるんだ……?」 


 トリトンが険しい表情で説明する。


「勇者神が亡き後、再び世界に混乱を招いては困ると、賢者サリー様がお作りなられたのです」


 サリーとは、勇者ユージーンの師匠の1人だ。


「彼女の作った魔法道具のひとつってことか。けど、なんで困ってるんだ?」


「魔王のような邪悪が再び暴れたら困ると、お作りなられた兵器だったのですが、あるときを境に暴走したのです」


「暴走? なんで?」


「それが2000年経った今も不明なのです。暴走した6体の古代獣ヴェスティアを止めるべく、派遣されたのが我ら【六護神】なのです」


 最初から六護神がいたわけじゃなかったんだな。


「でも見たところ、この古代獣は動いてないじゃないか。なら問題ないだろ?」


「……いえ。見張りの報告に寄りますと、3ヶ月前より、少しずつですが活動を再開しているようなのです」


 ゴゴゴゴッ……と、海獣が揺れ動く。


 だがすぐに動きは止まる。


「封印はこの通り解けかけています。このまま復活すれば、暴走したこの兵器によって、海に住む民を根絶やしにするでしょう」


「状況は把握した。俺はどうすりゃいい?」


「古代獣の体内に侵入し、制御装置を……」


 と、そのときだった。


 ゴゴッ……!

 ゴゴゴゴゴゴゴゴゴッ……!


「う、動き出したっ!? そんな! 封印は解いていないはず!?」


 遺跡が徐々に、砂の下から浮上してくる。

 ウミガメの形をした、超巨大な古代兵器が、姿を現す。


【GYOOOOOOOOOO!!!!!】


 この海全体を震わせるほどの、巨大な鳴き声。


 砂塵をまき散らしながら、海獣は起動した。


「ユリウス殿! こうなったら一刻の猶予もありませぬ! すみやかに体内に入って制御装置を……」


「おう、わかってる」


 俺は右手に、魔剣ヴェノムザードを出現させる。


「あれをぶっ壊せば良いんだな?」


「はっ!? ちょっ! 何をバカなことを! あんな巨大なものを、壊せるわけがありませぬ!」


【GYAOOOOOOOOOOOO!】


 海獣が俺に向かって、突進してくる。


 海のなかだというのに、かなりの速さだ。

「いかん! ユリウス殿! 危なぁあああああい!」


 敵の巨体が、俺をひき殺そうとした、そのときだ。


 ピタッ……!


 俺は片手で、海獣の鼻先を受け止めていた。


「なんと!? この巨体をこうも容易く受け止めるとは!」


「よいしょっと」


 鼻先を掴み、俺は海底をめがけて投げ飛ばす。


 ずどぉおおおおおおお…………ん!!


 鈍い音を立てて、海獣は海底に倒れた。


【GYAOOOOOOOOOO!】


 海獣の甲羅の部分に、無数の穴が空く。


 そこから数え切れないほどの、ミサイルが発射された。


「なんて数だ!? ユリウス殿! 退避なされよ!」


 四方八方からのミサイルの雨に対して、俺は一歩も動かない。


 右手に持った魔剣を軽く振る。


 パリィイイイイイイイイイイイン!


 攻撃反射パリィによって、ミサイルはすべて弾かれて、海獣へとすっ飛んでいく。


 ドガガガガガガガガガッ!


 海獣の体のあちこちで、爆発が起きる。


 だが見たことろ、欠損ダメージはないようだった。


「さすが亀。結構頑丈じゃないか」


「海獣ケロニオイデアの甲羅は世界で最も硬いと言われています。何人たりともその甲羅に傷をつけることはできぬと、サリー様の残した文書に書いてあります」


 海獣は首を伸ばすと、大きく口を開ける。

 ゴォオオオオオオオオオオオオ!


 どうやら水を飲み込んでいるようだ。

 ヤツの口に向かって、水が激しく吸い込まれていく。


 離れた位置にいるトリトンは、吸い込まれそうになっている。


 だが手に持っている銛を深く突き刺し、なんとか耐えていた。


「これは好機ですぞ! ユリウス殿、ヤツの体内に侵入し、制御装置を……って、ユリウス殿!?」


 俺はその場から微動だにしない。


「ばかなっ!? なぜこの激しい水流のなか平然と!?」


「え、踏ん張ってるからだけど?」


「そんな! 足場のない水中でそんなことができるわけがないのに!」


「風魔法で空気の足場を作り、そこに立っているだけだ……これくらいで何驚いているんだ?」


 愕然とした表情で、トリトンが俺を見上げる。


「なんてことだ……酸素が全く存在しない深海で……足場になるほどの空気を作り出すなど……規格外すぎる!」


「そろそろ終わらせるか」


 俺は手に持っている魔剣を振りかぶる。


「ユリウス殿! 無茶だ! 相手の甲羅は絶対壊れぬ防御力を……」


「ていっ」


 魔剣を斜めに振るう。


 ズバァアアアアアアアアアアアアン!


 斬撃は水中を走り、海獣の甲羅を一刀両断する。


 敵は体を真っ二つにされて、動かなくなった。


「…………」


 トリトンは魂が抜け落ちた表情で、その場に尻餅をついてる。


「これでいい?」


「い、今のは……いったい……?」


「え、ただ剣を振っただけだけど?」


「いや、いやいやいや! 剣を振るっただけであの巨体が消し飛ぶのはおかしい!」


 そのときだった。


【ふははは! よくぞこの古代兵器を倒した! しかーし! 本体の制御装置に憑依していたこの我が】


「てい」


 ズバアァアアアアアアアアアアン!


 俺はさっきと同じように、剣を振るう。


 海獣の甲羅と、あとなんか黒いもやのようなものが、まとめて消し飛んだ。


「ほら、剣振っただけでできただろ?」


「いや! まぁ……え!? いやいや! 今! 何かいなかったか!? なんか黒幕的なものがおったぞ!」


「え、そんなのいたか?」


 愕然とした表情で、跡形もなくなった海獣。


 そして、俺を見やる。


「御見事でございます! 勇者神ユージーン殿!」


 トリトンは感涙にむせながら、俺の腕を掴む。


「ありがとう! ありがとうございます! あなた様はまさに、2000年後の世に降り立った真の救世主様にございます!」

面白いと思っていただけましたら、下の【☆☆☆☆☆】からポイント評価をしてくださると嬉しいです!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 黒幕さん…ていっ!で倒された…今更か
[気になる点] ……勇者神の穴を埋める為に、勇者神の強さを知っているであろう賢者が作った古代兵器、力足らず過ぎやしないか?w
[一言] 黒幕的さん瞬殺されて可哀想… あにうえが魔王なんじゃないかと思えてきた
2020/07/24 19:50 退会済み
管理
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ