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【書籍化】落ちこぼれだった兄が実は最強〜史上最強の勇者は転生し、学園で無自覚に無双する〜  作者: 茨木野
第4章

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60.勇者、弟と和解する



 転生勇者ユリウスが、神と学園長を消し飛ばした、その日の夜。


「おやぁ、やられてしまいましたか、学園長」


 学園地下に存在する、理事長室にて。


 白いスーツに、シルクハットをかぶった、妙な出で立ちの人物がいた。


「やはり彼女程度では、勇者神の相手は荷が重かったようですねぇ」


 その人物は、床に落ちていた指輪を拾い上げる。


 それは学園長アリシアが、女神を召喚する際に使った指輪だ。


「とは言え彼女はよく働いてくれました。勇者神の強さが2000年後でも健在であることを証明してくれましたからねぇ」


 さて、と指輪を懐に収める。


 その人物は、理事長室にある、大きな椅子に腰を下ろす。


「これは序章に過ぎません。世界は勇者神を中心に、大きく動き出すことでしょう。そして予言通り、世界に破壊をもたらす。あなたはそういう運命にあるのです」


 理事長の名札プレートを手に取り、ハンカチで表面を拭いながら、実に愉しそうに笑うのだった。



    ★☆★



 俺がアリシアを撃破した、その日の夜。


 弟の部屋を尋ねていた。


「よっ。具合はどうだ?」


 ガイアスはベッドに半身を起こして座っている。


「全然平気だよ。もう動いても大丈夫だって」


「駄目だ。俺の回復術を使っても、おまえはしばらく立つことができなかった。未知の病気かもしれん」


「単に兄さんと女神のバトルに腰を抜かしてただけだって。大げさなんだから」


 苦笑するガイアスの隣に、俺は座る。


「その……ガイアスよ。すまない」


「何で兄さんが謝るの?」


「……おまえの本当の兄ちゃん、ユリウスを奪ってしまって、すまん」


 ガイアスは、俺が勇者神ユージーンであることに気づいていた。


 すなわち、俺が本当の兄貴ではないことも、だ。


「謝ることないだろ。別に、にいさ……あなたは故意にやったわけじゃないんだし」


 転生については、弟に説明済みだ。


「……恨んでないのか? おまえから、兄ちゃんを奪ったのに?」


「わざとやってない以上、恨むのはお門違いでしょ」


 ガイアスは安心させるように微笑む。

 その笑みを見て、ホッとした。


「なぁ魔王、元からいたユリウスの意識は、どこにいったんだ?」


『わからん。転生の秘術は不明な点が多い。ユリウスの魂はおまえと一体化して消えたのか、あるいはおまえが乗り移ったと同時にどこか別の場所へ弾き飛ばされたのか』


 いずれにせよ、俺がこの体に入ったことで、もといたユリウスは居なくなってしまったのだ。


 彼の人生を奪った責任は、負わねばならない。


「俺、ユリウスを探してみるよ。どこにいってしまったのか、今どうなっているのか、わからないけど」


 立ち上がり、俺はガイアスを見下ろしていう。


「お前の本当の兄ちゃん、探してくるからさ。それで許して欲しい」


 俺は部屋を出て行こうとする。


「待ってよ、【兄さん】」


 ガイアスが俺を呼び止める。


 振り返ると、弟は真剣な表情で俺を見ていた。


「ボクとの約束、忘れたの?」


 それは、ガイアスがユリウスを超える日まで、ずっとそばにいるという約束だ。


「いや、でも……おまえあのとき、俺をユリウスだと思ってたから」


「関係ないよ。あの約束は、あなたと……今目の前に居る兄さんと交わしたんだ」


 ガイアスは立ち上がって、俺のそばまでやってくる。


「言っただろ? ボクは兄さんあなたを超えるって。その目標は今も変わらない。……たとえ、あなたの正体が、神を超える存在であっても。中身が、ユリウスじゃなくても」


 にかっ、とガイアスは笑う。


「ボクはあなたから逃げないよ。だから、兄さんもボクから逃げないで」


 言われて、俺は初めて、自覚した。


「ああ、俺……逃げようとしてたんだな。弟から、本当の兄貴を奪ったことに対する、【罪悪感】から」


 罪の意識を感じてしまうのは、目の前のこの弟に対して、愛おしさを覚えているからだ。


 俺の正体を知っても、逃げず真っ直ぐに立ち向かってくる。


 けなげで可愛い弟から……兄を奪い、傷つけてしまったことに……申し訳なさを覚えていたのだ。


「あなたの中身が勇者神だとしても、今はボクの兄さんだよ。無自覚で人のことを踏み潰してくる、ムカつく人だけど……優しくて、面倒見が良くて……かっこいい」


 ガイアスは晴れやかな笑顔を俺に向ける。


「ボク、そんな兄さんのこと、好きだよ」


 その瞬間、胸の痛みが、薄れた気がした。


「あ、あくまでも人としてってことだからね! 勘違いしないでよね!」

「ガイアス……ありがとな」


 俺は弟を抱きしめる。


「なっ!? い、いきなり何すんのさ! ばかっ! 離せよっ!」


 ガイアスは俺を押しのけて、距離を取る。


「俺も逃げないよ。本物以上の兄になれるように……がんばるからさ」


 弟に、俺は手を伸ばす。


「不出来な兄をよろしくな、弟よ」


 ガイアスはやれやれ、と首を振って、笑顔で言う。


「しょうがないな。よろしくしてあげるよ、兄さん」


 俺たちは握手を交わし、共に笑い合うのだった。

 

【※読者の皆さまへ とても大切なお願い】



この話で第4章終了、。


次回から第5章に突入、また新しい展開へと突入します。


「面白い!」

「続きが気になる!」

「ガイアスもっともっと頑張れ!」


と思ったら、

下の【☆☆☆☆☆】から作品への応援おねがいいたします!


面白かったら星5つ、

つまらなかったら星1つ、素直に感じた気持ちで全然かまいません!!!!!!!!


なにとぞ、よろしくお願いします!

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― 新着の感想 ―
[一言] 弟がデレたwww
[良い点] ガイアスがどんどん可愛くなっていきますね! 比例して化け物みたいな強さになったらいいなぁ。 [一言] テンポが良くて面白いです。 続きが楽しみ!
[一言] 貴重な(見た目)幼女が死んでしまった あとハーレムメンバーが中ボス?戦に一瞬も出てこないっていう 作者忘れてそう
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