表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【書籍化】落ちこぼれだった兄が実は最強〜史上最強の勇者は転生し、学園で無自覚に無双する〜  作者: 茨木野
第4章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

53/248

53.勇者、天使すら凌駕する



 弟と温泉に入った、翌日。


 俺は学園長室を訪れていた。


「別についてこなくていいんだぞ、弟よ?」


 隣のソファに座るのは、弟のガイアスだ。


「そうはいかないよ。兄さん……なんか隠してるんでしょ。昨日様子おかしかったし」


 とそのときだ。


「おまたせしました、ユリウス君」


 学園長のアリシアが、部屋に入ってきた。

 小柄な彼女が、俺たちの前に座る。


「それで、火急の用事とはなんでしょう?」


「単刀直入に言う。生徒達の中に魔族がいた。誰かがこの学園に手引きしてる疑いがある」


「なっ!? ほ、ほんとうかい、兄さん」


 驚くガイアスとは対照的に、学園長は沈んだ表情をしていた。


「風紀委員のネルソン先輩に聞いた。最近、学園を無断で休む生徒が増えてきてるらしい。家にも帰ってないそうだ」


「そ、それって……?」


「魔族が活発に動き出し、人間えさを食い散らかしてる……と俺は踏んでる」


 弟が息をのむ。

 一方で、学園長は目を閉じて、重々しくため息をついた。


「……ユリウス君。悪いことは言いません。これ以上踏み込んではいけない」


「ということは、何か心当たりあるんだな?」


 真剣な表情で、アリシアは続ける。


「……ふたりは、数年前から、【理事長推薦枠】ができたことを知ってますか?」


「理事長、推薦枠?」


「確か、理事長自ら能力のある学生を全国から集めて、【S級特待生】として学園に特別に入学させる」


 ガイアスの言葉に、学園長がうなずく。


「……通常の特待生なら、学園入学の決まった生徒の情報は、学園長のもとに来きます。けど……」


「理事長が選んだS級の情報は、手元に来ない?」


「……その通りです。さすがユリウス君ですね」


 特待生が魔族と考えるなら、つじつまは合う。


「現にアルファー君は3年のS級特待生です。彼が魔族だったのならば、おそらくは……」


 と、そのときだった。


「下がってろ」


 俺は学園長と弟の首根っこを掴み、後ろに投げる。


 ドガァアアアアアアアアアアアアン!


「なっ、なんだよ!? 何が起きたんだ!?」


「巨大なクレーター……。なにかとてつもない高熱の光線が、上空から降ってきた……?」


 俺は見上げる。


 そこにいたのは、【翼を生やした白いモンスター】だ。


 巨大な人間のようである。

 だが顔に目などのパーツはない。


 白い石像のようなイメージだ。


「ま、まさか……【天使】!?」


 学園長は目を見開く。


「そんな馬鹿な!? 神の使いである彼らは、2000年前の勇者神と魔王との戦い以降、姿を地上に現したことはないはず!」


「その天使がどうしてボクらを攻撃したのさ!?」


 わからないことは多い。

 だがこれだけは、わかる。


「どうやら、俺たち3人を抹消したいらしいな」


 天使は両手を前に出す。


『下級天使だな。【天の矛】という極大魔法を超える光の魔法を使ってくるぞ、勇者よ』


 ビゴォオオオオオオオオオオオオ!


「お、終わりだぁ! 天使に人間がかなうはず無いんだァ……!」


 超高温のレーザーが射出される。


 俺は剣を創生し、レーザーを攻撃反射パリィする。


 パリィイイイイイイイイイイイン!


「「は……?」」


 弾かれたレーザーは、そのまま天使の右腕を消し飛ばす。


「兄さん!? あんた今なにしたの!?」


「え、天の矛の軌道を見切って、剣で弾き返しただけだけど?」


「はぁああ!? あ、あんな超高速なレーザーを見切ったって言うの!?」


「……それに、あの高温の光を間近で、生身で無事なはずがないですよ」


「え、あの程度の熱量じゃ、やけどすら負わないだろ? 熱感知で耐熱魔法障壁って自動展開されるようになってるよな?」


「そんなの兄さんだけだよ!」


 片腕を失った下級天使は、左手を頭上に掲げる。


 ブィイイイイイイイイイイイイイン!


『【天の剣】。超高熱のレーザーソードだな。触れたものを瞬時に融解し、万物を切り裂くという』


「ゆ、ユリウス君! あの剣は耐熱魔法障壁でも防げません! 逃げてください!」


 天使はレーザーソードで、俺に斬りかかってくる。


「よっと」


 パシッ。


「掴んだぁあああああああ!?」


「え、魔力の鎧を手に一点集中すれば、こんなの普通に熱くないよね?」


 天の剣を素手で掴むと、俺はそのまま引き寄せる。


「魔王、剣を」

『心得た』


 魔剣ヴェノムザードが俺の手に握られる。

 魔力を吸い込んだそれは黒く輝きだす。


 俺に引っ張られ、頭から突っ込んでくる天使に向かって、俺は魔剣を振るう。


 ズバンッ……!


『虚空剣……空間すら切り裂く最強の剣術スキル。天使すらも切断するのは道理だな。さすが勇者だ』


「て、天使が……神が作りし兵器が、一撃ですって……?」


 ぺたん、とへたり込む学園長。


「ぐす……うぐ……」


 一方で弟は、なぜか泣いていた。


「え、なんで泣いてるんだ?」


「うるさい! 泣いてないよ! くそっ、修行だっ。もっともっと頑張らないと、兄さんに全然追いつけやしないじゃないか!」

面白いと思っていただけましたら、下の【☆☆☆☆☆】からポイント評価をしてくださると嬉しいです!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] もうオトウットがヒロインじゃね? [気になる点] ユリウスの大元はどうなったんかね? 元々転生させるために産まれて来たとかだとちょっと不憫になった。 …まぁそんなこと言い出したらこのての作…
[良い点] ユリウスの反応このままほほうが面白いですね [一言] いつも楽しみにしてます!
[気になる点] さすがにそろそろユリウスは自分が異常なことを自覚した方がいいと思います いつも反応が「え?こんなの普通だけど?」だから変化がないし、なんどもそんな経験してれば普通は違和感に気づくはずな…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ