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【書籍化】落ちこぼれだった兄が実は最強〜史上最強の勇者は転生し、学園で無自覚に無双する〜  作者: 茨木野
第3章

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30/248

30.勇者、戦わずとも連勝してしまう




 武闘大会。

 1回戦はなぜか不戦勝だった。


 2回戦を前に、飲みものを買いに、廊下に出たそのときだ。


「やいユリウス! おまえインチキしたんだろ!」


 1年生が、俺に詰め寄ってきたのだ。


「え、してないぞ?」


「とぼけんな! 勇敢な【兄様】が棄権するわけ無いんだ!」


 1回戦で戦うはずだった人の弟らしい。


「どうせ汚いマネしたんだろ! このぉ!」


 俺のことを、殴ろうとしたそのときだ。


「おーっと、ストップ。そこまでだ」


 パシッ。


「なっ!? 【ネルソン先輩】……」


 彼を止めたのは、背の高い男子学生だった。


 柔和な笑みを浮かべながら、1年生の手を背後から取った。


「ドミニク、兄ちゃんが棄権したからって決めつけは良くないぜ?」


「でも……ネルソン先輩。こいつ絶対インチキしてますよ! 代表選抜戦もでてなかったし!」


「それはユリウスが特待生だからだよ。選ばれるくらいに強いんだ、不正なんてする必要ない。それに現場を見たわけじゃないんだろ?」


「そ、それは……」


 うつむく1年生。

 ネルソン先輩は笑って、彼の頭をなでる。


「兄ちゃんが負けて悔しいのはわかる。けど証拠も無しに相手を貶しちゃだめだ。兄の顔に泥を塗っちゃうぜ?」


「……ごめん」


 ぺこり、と1年生が俺に頭を下げる。


「身内が負けて気が動転してたんだろう。大めに見てくれないか、ユリウス?」


「いいよ、別に気にしてない」


「サンキュー。ほら、行った行った」


 ネルソン先輩は、立ち去っていく1年生に手を振る。


「ありがとな」


「なぁに、もめ事を解決するのは【風紀委員】の仕事だからな」


 先輩の腕には、【風紀委員】と書かれた腕章があった。


「あらためて、【ネルソン・ハワード】だ。3年生で、君の2回戦の対戦相手【だった】」


 差し出してきた手を握りながら、俺は首をかしげる。


「だった?」


「棄権させてもらうよ。私では、君に勝てない」


「え、俺何かしたっけ?」


 苦笑しながら、ネルソン先輩はスッ……と目を細める。


「何もしてないさ。ただ、その完成された、無駄のない見事な肉体、平常時の重心の取り方をみればわかる。君が、とてつもない達人であることはね」


 ふぅ、とため息をついて、先輩が首を振る。


「対戦相手が君みたいなバケモノ新人だとは。ついてないよ……ところで」


 ぽんっ、とネルソン先輩が俺の肩をたたく。


「風紀委員に興味ないか?」


「え、ない」


「即答かよ。面白いヤツだな。ま、考えておいてくれよ。君みたいな強い男がいれば、この学園の風紀はより保たれるだろうなって思ってさ」


 ニコッと笑って、ネルソン先輩は立ち去っていく。


「また戦う前に勝っちゃったな。って、ん? なんか落ちてる?」


 足下に、【風紀委員の腕章】が落ちていた。


「先輩……って、いない。返しに行かないとな」


 それはさておき。


 3回戦。


 ようやく俺は、闘技場コロシアムの、メインアリーナに来れた。


「うひゅーっ! 対戦相手が1年の魔無しが相手なんてなぁ! 僕ちんメガらっきぃ~!」


 対戦相手は、4年生の男子生徒だった。


「ケガしてもしらねぇぜぇ~? 僕ちん、相手が雑魚でも手を抜かない主義なんだぜぇ~い?」


 4年生は試合開始前から、長々と何かを囀っていた。


「ではこれより、ユリウスVSレスターの試合を始めます。試合……開始!」


「うひゅー! 殺戮ショーのはじまりだぜぇ!」


 試合よりさっさと先輩に、腕章を返しに行かないとな。


 大事なものだろうし。


「先輩は観客席に……お、いたいた」


 観客席にいる先輩めがけて、声を張る。


「おーい! ネルソンせんぱぁい!」


「うぎゅっ……!」


 4年生は、妙な声を上げて、固まる。


「腕章、おかえししまーす!」


 俺は軽く腕章を持ち上げて、軽く腕章を投げる。


 ひゅんっ……!

 パシッ!


 ネルソン先輩の手に、腕章が握られる。


「よく私が見つかったなぁ! この大勢の中から!」


「目はいいもんで!」


「そうかぁ! サンキューなぁ! あとでお礼するよー!」


 さて、先輩に腕章を返せたな。


「ユリウスくん、試合中ですよ。私語は慎むように」


 ドサッ……!


「え、なに? どうしたの、4年生の先輩?」


 彼は泡を吹いて、前のめりに倒れていた。


「これは……気絶していますね」


「え、なんで?」


「あなたが張り上げた声だけで、三半規管を狂わせ、相手を気絶させてしまったようです。さすがは、特待生。見事です」


 審判の先生は、俺の腕を持ち上げて宣言する。


「勝者ユリウス! よって決勝戦は、ユリウスVSガイアスに決定しました!」


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― 新着の感想 ―
[気になる点] そいや教師たちはまともなのしかいないのね それに対して生徒はヒロイン以外低能しかいなかったけど、 ようやく一人、人並みの知能の人が出てきたな
[一言] 流石に最後弱すぎでしょうw よく4回戦まで上がれたもんだ…
[気になる点] 気になるところが多すぎて逆に面白い お手本のようななwろwうw小説だね
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