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【書籍化】落ちこぼれだった兄が実は最強〜史上最強の勇者は転生し、学園で無自覚に無双する〜  作者: 茨木野
第14章

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248.

【☆★おしらせ★☆】


あとがきに、

とても大切なお知らせが書いてあります。


最後まで読んでくださると嬉しいです。

 無限に続くかと思われた闇の回廊を抜け、ガイアスは地上への階段を登りきった。

 視界が開けた瞬間、強烈な陽光が網膜を焼く。

 新鮮な大気の味と、草木の匂い。

 生還の実感が、肺の奥深くまで染み渡る。


「おかえり、ガイアスよ。……よくやったの」


 出口の傍らで、巨躯を揺らして魔王ヴェノムザードが待ち構えていた。

 彼はガイアスの姿を認めるなり、満足げに髭を撫でる。

 その言葉に、ガイアスは眉をひそめた。


「分かるのか?」


 ガイアスは短く問う。

 このダンジョンは特殊な結界で覆われており、外部からの干渉を一切受け付けない。

 遠見の魔法で覗き見ることも、使い魔を忍び込ませて監視することも不可能なはずだ。

 だというのに、ヴェノムザードはガイアスが「何か」を成し遂げたことを確信している。


「うむ。確かに外から中を窺う術はない。儂とて、おぬしが中で何を斬り、何を越えたかまでは知らん」


 ヴェノムザードは重々しく頷き、金色の瞳でガイアスを射抜いた。


「だがな、おぬしの目を見れば分かるのじゃ。『成った』、とな」

「成った……?」

「そうじゃ。迷いが消え、ことわりそのものを捉える澄んだ瞳。……かつて儂が仕えた、転生勇者ユージーンと同じ領域に立ったということじゃよ」


 ユージーン。

 その名を聞いた瞬間、ガイアスの胸の奥がカッと熱くなった。

 かつて世界を救い、ガイアスが目標として背中を追い続けてきた伝説の勇者。

 師であり、憧れであった存在。

 魔王の言葉は、ガイアスがその頂きに指をかけたことを認める、何よりの賛辞だった。


 ガイアスは拳を握りしめる。

 掌に残る、概念を斬った感触。

 それが幻ではないことを、目の前の老魔王が保証してくれたのだ。

 鼻の奥がツンと痛むような、熱い感慨がこみ上げてくる。


「……そうか」


 ガイアスは短く答え、こみ上げる感情を噛み殺した。

 今はまだ、感傷に浸っている暇はない。

 最強の力を手に入れたのは、過去を懐かしむためではなく、未来を切り開くためだ。


「行くぞ、ヴェノムザード。皆が待っている」


 ガイアスは視線を遥か彼方、黒雲が渦巻く空へと向けた。

 そこには、世界を滅ぼさんとする巨悪――邪竜帝が君臨している。


「仲間たちと合流し、終わらせる。……ボクたちの手で、この戦いを」

「うむ。参ろうか、新たな勇者よ」


 魔王がニヤリと笑い、ガイアスの隣に並ぶ。

 二つの影が、決戦の地へと向かって走り出した。

【おしらせ】

※2/11(水)


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