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【書籍化】落ちこぼれだった兄が実は最強〜史上最強の勇者は転生し、学園で無自覚に無双する〜  作者: 茨木野
第14章

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247/248

247.

【☆★おしらせ★☆】


あとがきに、

とても大切なお知らせが書いてあります。


最後まで読んでくださると嬉しいです。

 ガイアスの宣言に呼応するように、闇の塊が爆発的な反応を見せた。

 危機を察知した不定形の怪物は、その体積を一気に膨張させ、数百本もの触手と刃の嵐となってガイアスに襲いかかった。


 全方位からの同時攻撃。逃げ場など存在しない、死の包囲網。

 だが、ガイアスは動じない。彼の神眼には、その全てが「遅すぎて」見えていた。


 触手が鞭のようにしなる前に、その軌道となる魔力のラインが視える。

 刃が空間を切り裂く前に、その発生点となる座標が視える。


 ガイアスは嵐の中を歩いた。

 最小限の動きで上体を逸らし、半歩足を引き、首を傾ける。彼の身体を掠めることすらできず、闇の刃は虚しく空を切った。

 それは回避というよりは、あらかじめ決められた舞踏のようだった。攻撃が来る場所に、ガイアスは既にいないのだ。


 焦燥した闇が、唸りを上げた。

 小手先の攻撃が通じぬと悟ったのか、周囲に拡散していた黒い霧が一点に収束していく。

 圧縮された闇は、光すら飲み込むほどのどす黒い球体となり、ガイアスの頭上で震えた。


(来るか)


 ガイアスは足を止め、頭上の脅威を見据えた。

 次の瞬間、球体が弾けた。

 それは指向性を持った攻撃ではない。空間そのものを押し潰すような、純粋な魔力の奔流による広範囲殲滅攻撃だった。


 回避は不可能。防御も無意味。

 だが、ガイアスは待っていた。この瞬間を。


 絶大な攻撃を放つその一瞬、霧の中で絶えず移動を続けていた「核」が、その場に固定されたのを神眼が捉えた。


 ガイアスは地面を蹴り、奔流の中心へと自らの身体をねじ込んだ。

 肌がチリチリと焼けるような感覚。濃密な魔力に当てられ、肉体が悲鳴を上げる。

 しかし、彼の視線は一点、闇の深淵に輝く核のみに注がれていた。


 肉体を持たぬ霧。物理干渉を無効化する闇。

 本来ならば、拳で殴ることも、剣で斬ることも叶わない存在。


 ――だが、今は視える。


 ガイアスの神眼は、物理法則を超えた領域を捉えていた。

 魔力が事象を構成する結節点。存在をこの世界に繋ぎ止めている「縫い目」。

 形のないものに存在する、唯一の「切れる場所」が。


 ガイアスは右腕を振り上げ、その手刀を、何の抵抗もない虚空へと向かって振り下ろした。


「断絶せよ」


 ザンッ!!


 何かが断ち切られる、硬質な音が響いた。

 それは肉を斬る音ではない。世界を構成することわりが、強制的に切断された音だった。


「――――ッ!?」


 声なき絶叫が木霊する。

 ガイアスの手刀は、正確に闇の「核」を両断していた。

 核を失った魔力の奔流は、制御を失って霧散し、主を失った黒い霧は、急速にその色を失い、ただの大気へと還っていく。


 数秒後。

 そこには、静寂だけが残されていた。

 あれほど濃密だった闇の気配は、跡形もなく消滅していた。


 ガイアスはゆっくりと息を吐き、自らの掌を見つめた。

 傷一つないその手で、彼は確かに、形なき概念を斬り裂いたのだ。


(……完成したか)


 神眼は、新たな領域へと達した。

 もはや彼に斬れぬものはない。たとえそれが、実体を持たぬ闇であろうとも。


 ガイアスは掌を握りしめ、再び歩き出した。

 目指すは地上。

 この眼で捉えられぬものは、もはや何もない。

【お知らせ】

※2/5(木)


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