232.君の色
ガイアスたちは八宝斎の工房にいた。
邪竜帝と戦うための武器を、八宝斎に作って貰うことになった。
彼らにぴったりの武器を作る課程において、八宝斎と戦う必要がある……らしい。
ガイアスたち勇者パーティは、戸惑いながらも、八宝斎の言うとおり戦うことにしたのだった。
「さぁ! いつでもおいで」
「んじゃ、えんりょくなくです」
義弟ミカエルが右手を前に突き出す。
「どーん!」
ミカエルの技、天の矛。
凄まじい出力のレーザーだ。
八宝斎めがけて飛んでいくレーザー。
だが彼はつまらなそうな顔で右手を振る。
パシッ!
「な!? れ、レーザーを掴みやがった!?」
「ちっがぁああああああああああああああああああああう!」
掴んだレーザーを、思い切り、ミカエルに投げ返す。
放ったときを上回る速度で、ミカエルに天の矛が帰ってきた。
ミカエルは敵の攻撃をギリギリで回避する。
「とんでもねーやつです……」
「それじゃあない! ミカエル! 見たいのは、おまえの潜在能力だ! 天の矛は、天使のスキルだろうっ? おまえの力を見せてみろ!」
「い、意味わからないです……」
ミカエルと対話してる八宝斎。
その背後の陰から、サクラの召喚した悪魔が顔を覗かせる。
「それも違う!」
悪魔を掴んで、地面に押しつける。
「悪魔を素手でつぶしよったであいつ……」
「それは、極東に伝わる符術だろう? ミカエルよりはマシだ……が! やはり違う! それじゃあないんだよ!」
八宝斎が両手を突き出し、くいくい、と折り曲げる。
「もっと君たちの! 全力全開を! 見せてくれ! 手加減なんてしなくていい! おれを殺す気……いや、殺せ! 殺さないと!」
全員が、困惑してる。
そんな中で、ガイアスはジャンプし、片手に構えた魔王剣ヴェノムザードを振る。
「崩壊剣!」
魔力を超圧縮した斬撃を、ガイアスが放つ。
崩壊剣。
触れた相手を、消滅させるという凄まじい一撃だ。
だがパシッ、と八宝斎は魔王剣を素手で捕まえる。
「ガイアス君! 君もだ! 君が……一っ番! ツマラナイ!」
「なんだと……?」
「他の子達は、つたないながらも、自分の色を出してきた。しかーし! 君からは……何の色味も感じない!」
……八宝斎の言葉が、妙に、胸に刺さる。
「おれが見たいのは! 君の色で描かれた絵であり、君の手で作られた芸術作品だ!」




