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【書籍化】落ちこぼれだった兄が実は最強〜史上最強の勇者は転生し、学園で無自覚に無双する〜  作者: 茨木野
第14章

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220/248

220.矛盾



 結界の中、俺は理事長とゲームしてる。

 エア・テレビゲームをな。


 脳内でレースゲームをしてる。

 お互いにキャラクターのスペックをあらかじめ決めておいて、脳内で戦わせる。


「常人には理解できないあそびでしょうねえ」

「だろうな」


 ここでガイアスが居ればツッコミを入れてくれるだろうが、まあ、居ない者はしょうがない。


「ところでユリウス君。どうして私を殺さないのですかぁ?」


 レースの途中で、理事長がなんか行ってきた。


「確かにこの結界内では暴力が無力化される術式が組まれてますが、それもあなたならどうにかできるでしょおぉ?」


 そう、できる。

 結界内の条件を書き換えることなんて、俺には簡単にできる。

 まあ、すぐさま理事長が上書きしてくるからってのもあるが。


 それでも……やっぱり、こいつを殺すことはたやすい。

 しかもやつは今俺の間合いにいるうえ、結界で自らを逃げれないようにしてる。


「こんなにわかりやすく、首を差し出してるのにぃ、殺そうとしないのですね。それは優しさからですか?」


 ……理事長の声からは、こちらの真意を測ってるような、慎重さを感じられた。

 こいつでもわからないことがあるんだな。


「ま、端的に言うと……あんたに、悪意を感じないからだ」

「…………」


 理事長から、にやけ笑いが消えた。

 そこを……いや、底を見抜かれるとは思ってなかったのかな?


「あんたはうさんくさいよ。どう見てもね。暗躍もたくさんしてる。でも……なんでかな、あんたからは悪意を感じないんだ」


 こいつが初めて学園に来たとき、言っていた。

 こいつの望みは世界平和だと。


 何を嘘を……と最初は思った。

 けれど、どうにも……その言葉は嘘ではなかったように感じる。


「……なるほど。さすが勇者神だ」


 真面目な顔になるルシフェル。

 どこか……うれしそうに微笑んでいた。


 だがまたいつもの、にやけ面に戻る。


「そのとおり。私が望むのは、ずっと変わらないですよぉ。世界を平和にするため」


「そのためなら、ほかはどうでもいいと? たとえ世界を滅ぼしても?」


「ええ」


 矛盾してるよ、ほんと。

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