最終章 最終-7堕天使たち再び
おっさんが異世界に転生して美少女になっちゃうお話です。
異世界で力強く生き抜くためにいろいろと頑張っていくお話です。
え、えぇぇとぉぉ‥‥‥(シェル談)
最終-7堕天使たち再び
「はぁぁあああぁぁっ! ドラゴン百裂掌っ!!」
どががががっ!
襲い来る魔獣たちを吹き飛ばしながらあたしたちは城へと進んでいた。
「しっかしよくこんだけうじゃうじゃと湧て出て来るわね!」
「倒した後に光の粒子になって消える所を見るとほとんどが召喚獣のようですわね」
「魔王」が覚醒してからのイオマの魔力はティアナ以上だったけどこの数の召喚をするって言う事は今はもっとすごいと言う事になる。
「悪魔どもも依り代が魔獣なのでしょうか? 倒すと同じく光の粒子になって消えますねお母様」
「もう何でもいいよ! 次から次へと弱わっちいのが! あー、早く終わりにしてお肉食べたい!!」
コクもセキも時折襲いかかる幻獣や魔獣をぶっ飛ばし前へ進む。
確かに数だけは多いが今のあたしたちにしてみればなんて事の無いものばかり。
こんな事はイオマだってわかっているだろうに‥‥‥
「ぐっ! まさかあれはっ!? 黒龍様お気をつけ下さい、あれなる不浄の輩を見てはなりませぬ!!」
先頭を進むクロさんから警告の声が上がる。
一体何が現れたというのだろう?
「うっ! あ、あいつらはでいやがります!!」
クロエさんにも動揺が走る。
一体何が現れたってのよ?
「今度は眠りにいざなうのも失敗はせん!」
「ふはははははっ! また相まみえようとはな!」
「あ、今度こそ僕たちの美声で!」
「そう、虜にしてあげる!!」
「畜生、前回は簡単にやられたが今度こそ感染させちゃる!」
「ショーゴ、来たか! もう一度勝負だ!! 今度こそ本気の本気で行くぞ!!」
「うふふ~ん、来るとは聞いていたけど相変わらずいい男ねぇ~ん♡」
あたしたちの前に立ちはだかる六つの影!
その正体は!?
「また変態どもが出ましたね? しかしお母様と過ごした日々のお陰で現世の流行りも理解しました! 既にお前たちの変態など克服しました!!」
現れた六つの影に対して当時よりずっと成長したコクは真っ先に仁王立ちになってびしっと指をさす。
「あー、エルハイミ。この悪魔どもって消滅したんじゃ無かったの?」
「何こいつらって?」
シェルがジト目で堕天使たちを見ている。
初めて見るセキはいぶかしそうにしている。
「あなたたちまたこちらの世界に呼び出されたのですの?」
「今度こそは貴様らを血祭りにあげてくれる!」
「汝らただの人間に本気の我らが負けるはずもあるまい!」
「いっくぞぉ~!!」
その昔「亡者の王リッチ」が呼び出しそこまでの道のりを守っていた堕天使たち。
まあ実際はアークデーモンクラスなのだろうけどまさか消滅していないでまたこちらに呼び出されるとは。
「どうするエルハイミ?」
「時間が惜しいですわ、ちゃっちゃと片付けてしまいましょうですわ!」
あたしがそう言うか言わないかの間に既にクロさんやクロエさん、ショーゴさんに更にコクやセキがぼっこぼこにする。
「そ、そんなぁっ! バトルシーンも無いのかっ!? めぇええええっ」
「うわっ! やられた! ぶもぉーっ」
「ひゃーっ! 歌は良いね」
「キャーっ!! ぼぇぇぇええええぇ」
「一瞬だとおっ! また消毒されたぁっ」
「あっ! がおーっ」
「はぁーんっ♡ そこはだめぇぇええぇっ♡」
瞬殺でこいつらを光の粒子にして消し去る。
それを見ていたあたしとシェルは呆然とする。
「終わっちゃった‥‥‥」
「ま、まあ手間が省けたので良しとしましょうですわ‥‥‥」
あっさりと倒してしまってなんだけど、こいつら出て来る意味あったの?
ますますイオマが何を考えているのか分からなくなってきた。
あたしはそんな事を考えながらいよいよ城の中に入って行くのだった。
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