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エルハイミ-おっさんが異世界転生して美少女に!?-  作者: さいとう みさき
第十七章
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第十七章17-4ユミナ

おっさんが異世界に転生して美少女になっちゃうお話です。

異世界で力強く生き抜くためにいろいろと頑張っていくお話です。


カルロス様ぁ~っ!!(ユミナ談)

 17-4ユミナ


 あたしの実家ハミルトン家。

 ガレント王国の王族とも親戚であり先代の国王とうちの爺様なんかは竹馬の友だったらしい。


 あたしの生家はユーベルトの街から少し離れた郊外の丘の上にある。



 「ただいま戻りましたわ、お父様、お母様。ご無沙汰しておりますわ」


 親しい中にも礼儀あり。

 あたしは正式な挨拶をして両親に頭を下げる。


 「良く帰って来たね、エルハイミ」


 「あらあらあら~、コクちゃんいらっしゃぁ~い、あら? こっちの子はもしかしてセキちゃん!! あらあらあら~!! こんなに大きくなって! お婆様うれしい!!」


 ママンはさっそくセキとコクに抱き着く。

 

 おいママン、あたしへの挨拶は?



 「お婆様お久しぶりです。セキご挨拶を」


 「え、え~とおばあちゃん? こんにちわ」


 「あらあらあら~! セキちゃんちゃんとご挨拶できるのねぇ~、いい子ですね~ そうだ、ササミー! この子たちにお菓子を準備してあげてね! チョコレートもお願いですよ~」


 「えっ! チョコレート!? 私も食べる!!」


 舞い上がるママンはコクたちに首ったけ。

 そこへ食いしん坊のマリアも加わるから既に向こうには別の世界が‥‥‥



 「さて、お父様、お母様たちは放っておいてこの子たちですわ」


 あたしはずっとあたしの後ろに控えてたバティックとカルロスを引っ張り出す。


 「街で偶然捕まえましたわ。事情は既に二人から聞きましたわ」


 あたしがそう言うとパパンは安堵の息を吐いた。


 「話を聞いているのなら早い。バティック、カルロス、エルハイミが戻って来たのなら落ち着いて話も出来るだろう? 過信は身を滅ぼす、いくら強くなったからと言って冒険者となるのは‥‥‥」


 「分かってます!」


 バティックはパパンの話半ばで声をあげる。


 「ティアナさんがいなくなって姉さまがティアナさんの生まれ変わりを探しに世界を動き回っている。姉さまだから何かあっても大丈夫だろうけど、それでもやっぱり心配なんですよ!」


 「それに父様だって若いころ冒険者してたじゃないか! 僕たちだって世界を見てみたいんだ!!」


 バティックとカルロスはそう言ってパパンに喰いかかる。


 「バティック、カルロス。いいか、冒険者と言うのはだな」



 「カルロス様! あっ、エルハイミ様ぁっ!!!?」



 パパンがなおも何か言おうとすると広間の入り口で女の子の声がする。

 あたしは振り返って驚いた。


 前回は会えなかったけどそれはササミーたちの娘ユミナちゃんだった。



 うあー、そうかユミナちゃんも結構大きくなったんだよなぁ。

 たしかもう十歳くらいになる?



 「あ、すみません旦那様。ほら、ユミナ、ちゃんとご挨拶を」


 メイドのカルシアさんがユミナちゃんにそう言ってお茶のカーゴを押してきた。


 「エルハイミお嬢様お帰りなさいませ。ご無沙汰しております」


 クッキーの焼き菓子をトレーに乗せたままユミナちゃんはひざを折る簡易的な挨拶をする。

 

 うん、この辺はエルザメイド長の躾が行き届いてるわね。

 しかし、ユミナちゃんはメイド服を着ている?


 「げっ! ユミナ!!」



 ん?

 なんでカルロスが動揺する?



 「カルロス様‥‥‥ ユミナおいて本当に出て行くなんて‥‥‥」



 んん?

 ユミナちゃん、カルロス??



 ジト目でカルロスを睨むユミナちゃん。

 ちょっとかわいい。


 「ふう、カルロス、お前ユミナまで置いていくって分かっているんだろう? ちゃんと話したのか?」


 パパンがにやにやしながらカルロスに話している。


 ちょっとまて、この雰囲気って‥‥‥


 「カルロス様あたしをお嫁さんにしてくれるって言ったのに出て行っちゃうなんて酷いです!!」


 

 おおっ!

 やっぱり!!


 なになにそれ!?

 カルロス、ユミナちゃんとそんな約束したの!?



 あたしは思わず瞳を輝かせカルロスを見る。

 こういったお話が嫌いな女の子は存在しない!



 「へぇ~、カルロスも隅に置けないじゃない。流石エルハイミの弟。 と、挨拶が遅れました。お義父様、お義母様大変ご無沙汰しております。この度正式にエルハイミの妻となりましたシェルにございます」


 シェルはなんと人間界の正式な挨拶をパパンとママンにしたぁ!?



 「‥‥‥エルハイミ、お前もちょっといいか? どうして私の子供たちってのは」





 思い切りこめかみを押さえるパパンだったのだ。 


 

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