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エルハイミ-おっさんが異世界転生して美少女に!?-  作者: さいとう みさき
第十四章
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第十四章14-17特殊工房

おっさんが異世界に転生して美少女になっちゃうお話です。

異世界で力強く生き抜くためにいろいろと頑張っていくお話です。


くうぅ!

やっぱりエルハイミに似合うわねあたしの下着!(シェル談)

 14-17特殊工房



 うーん、確かにこれはすごいんだけど‥‥‥



 町に行っていろいろ買い出ししたり遊んで楽しい一日を過ごしたあたしたちは自分の部屋に戻って来ていた。

 そしてあたしはシェルの力作という下着を今身に着けているのだけど‥‥‥


 サイズはまるで測ったかのようにピッタリなんだけど問題はそのデザイン。



 隠せてはいる。

 かろうじて。



 しかし五枚もある下着の中には逆にそこだけ布が無くって完全に夜仕様のものまで有る。



 一体何を作っているのだか‥‥‥



 あたしがあきれているとティアナとシェルが部屋に入って来た。


 「エルハイミ、どう? 良いでしょ!?」


 「エ、エルハイミ‥‥‥ こ、これはっ! 夜まで待てそうにもありません!!」


 『あらー、すごいじゃない? このまま収穫祭のイベントでたら、エルハイミ?』



 シェルは自信満々でティアナは鼻息荒くなり、シコちゃんは適当な事言って茶化して来る。

 しかし問題は五枚ともそっち系ばかりで肝心の日常的に使えそうなのが全く無いって事だ。



 「シェル、確かに品質は良いしデザインも良いですわ。でもこれって日常的には使えませんわよ?」


 「大丈夫! あたしの前でだけで使ってくれれば!」


 「シェル! あなた私のエルハイミになんて事を!?  だめよっ! エルハイミはあげないんだからね!! エルハイミはあたしのモノ! 絶対に誰にも渡さないんだから!!」



 興奮するあまり地が出たティアナ。

 しかしシェルはけらけら笑っている。


 「うん、大丈夫よ、今は我慢してあげる。でもそのうちね♪」


 「シェルぅ~!!」



 がるるるるっ

 ふしゃーふしゃーっ!




 あー、なんか懐かしい絡みをやっている二人。


 

 『でもそうするとエルハイミの下着ってどうするのよ? まさかまた町に買い出しに行く気?』


 「それは大丈夫よ、工房で私の分とエルハイミの分は既に確保済みよ。これでまた当分大丈夫ね」


 シコちゃんの疑問にそう言ってティアナは包みを引っ張り出す。

 その袋にはシルクの下着が沢山入っていた。


 「こっちがあたしの分で、こっちがエルハイミの分よ? サイズ大丈夫だと思うけどちょっとつけてみて」


 ティアナに渡された大量の下着の中からブラジャーと下着を取り出しあたしはつけてみる。

 


 うーん、この体は成長が止まっているのだろうか?

 「時の指輪」のせいで前のサイズと全く変わっていない‥‥‥

 あたしが十五歳の時と同じサイズだ。


 確かにあの時は同年代の子よりちょっと大きいのが密かな自慢だったけど、今の実年齢からすると‥‥‥



 あたしは思わずティアナの胸をチラ見する。


 「特盛!」


 うらやましい‥‥‥



 「な、なに? エルハイミあたしを見て? まさか、その、変な気持ちになっちゃったの?」


 「えー? あたしがいるってのに、このエロハイミ!」


 『お願いだから今ここで盛らないでね、まだまだ明るいんだから』


 どうやら誤解を与えてしまったようだ。

 あたしは咳払いしてティアナにお礼を言う。


 「こほん、ティアナありがとうございますですわ。これで私も当分は大丈夫ですわね!」


 とりあえず今回の目的は達成できたのであたしはそのまま服を着てみんなのいる大広間に行く事にした。



 * * *


 

 「ちょうどよかった、主殿、エルハイミ殿。ボヘーミャのアンナ殿からメッセンジャーが届いている。執務室に来てもらえないか?」


 広間に行くとゾナーがあたしたちを待っていた。


 

 風のメッセンジャー?

 ボヘーミャのアンナさんから?

 何だろうね?



 「わかりました。エルハイミ行きましょう」


 ティアナにそう言われあたしたちはゾナーくっついて行って執務室に向かう。



 * * *



 「来たか。ティアナ、このアンナ殿の言っている『ガーディアン計画』とはなんだ?」



 執務室に着くとエスティマ様が風のメッセンジャーの前で腕を組んで考えている。


 

 「兄様、まずはそのメッセンジャーを再生していただけますか? 私たちにもアンナのメッセージを見せていただけないと」


 ティアナのその言葉にエスティマ様は頷き風のメッセンジャーを起動させる。



 『エスティマ様、ご無沙汰しております。アンナでございます。ガルザイルに問合せしたら殿下とエルハイミちゃんがティナの町にいるとの事ですのでこちらに連絡を入れさせていただきました。さて、本題ですが私が考えておりますマシンドールに次ぐ国防の要となりそうな【ガーディアン計画】につき試作及び実証実験にご参加願いたいのです。理由はティナの町には元々マシンドール用の工房があり、その方面の技術者も熟練をしております。そこで今そちらに行っている殿下とエルハイミちゃんにも協力してもらって工房の改築をお願いしたいのです』


 アンナさんのメッセージはここまで言って一旦切れる。

 そして次のメッセージが起動する。


 『工房の改築につきましては詳しい資料は後日発送しますが、一番の基礎となる場所はエルハイミちゃんたちで無いと早急には改築できないと思います。エルハイミちゃん、このメッセージを見ていると思いますがイオマちゃんと話して【ガーディアン計画】の実現が出来そうです。工房のマシンドールキャリアーを六メートル級を想定して作り直してもらいたいのです』


 メッセンジャーのアンナさんはとんでもない事を言い始める。



 六メートル級って!?

 何それ、巨人族でも捕まえて使役でもする気?



 『詳しくはまだ構想段階なのですが実現できれば王城ではなくティナの町で是非とも試験をしたいのです。これが実現できればジュメルのあの【巨人】にも対抗できる力が手に入るかもしれないのです! そして殿下、これが成功すれば国連軍にとっても大きな力となります』



 国連軍と言っても実際にはガレント王国が主体となっている軍隊。

 今までも魔装具などの最新兵器の投入を本国より優先させて試験実装させてきた経由が有る。


 もっともその安全性や使い勝手の良さを研究した完成形態がガレント軍には適用されているけどね。



 「マシンドールに変わる国防につながるものか‥‥‥ 確かに『巨人戦争』以降配備されているマシンドールの数は激減してしまった。追加生産を試みるも肝心の双備型魔晶石核の生産が追い付かない。これは試す価値が有ると言う事か?」


 「そうですね、エルハイミ殿もいる事だし、後はエスティマ様の判断です」


 顎に手を当て唸るエスティマ様。


 確かにあの戦争でマシンドールはかなりの数を失った。

 それにあたしやティアナが魔晶石核の作成に協力していなかったから双備型魔晶石核の生産性は著しく悪い。


 まさかまたあたしやティアナが生産に従事するわけにもいかないからマシンドールの新規配備は遅れている。



 そしてホリゾン帝国はあの後沈黙を保っているそうだ。


 ゾナーの話ではまたこのティアナの町に攻めてくるには十年は力を蓄えなければいけないらしい。

 戦争とはそのくらい時間と物資、人員を必要とするものらしい。



 「ティアナ、エルハイミ殿に協力をしてもらえないか? アンナ殿の言う『ガーディアン計画』の試験、運用をティナの町は全面的に歓迎する。ここは経済的には潤ってきたが防衛は当時の物より劣っている。お前やエルハイミ殿がいないというのはこうも効いてくるとは思わなかった」 

 

 エスティマ様はティアナに向かって協力要請をする。


 「私は構いませんが、エルハイミ、良いのでしょうか?」


 「ええ、勿論良いですわよ! この町、ティナの防衛にもつながるのであればなおさらですわ!」


 あたしとしても自分の家を守るのは願っても無い事だ。

 あたしの了承にエスティマ様は頷きさっそく工房へと言う事になった。



 * * *



 「やっぱりエルハイミさんが来るとなんか起こるよなぁ」


 ルブクさんが苦笑いをする。

 


 何なのよ人をやっかいものみたいに!

 今回は国防がかかるかもしれない事なんだし、ルブクさんたちには面倒事を今はかけないわよ!


  

 「そう言うなルブク、今回は工房の改装だ。エルハイミ殿の発明品ではないぞ?」


 「まあ、それはそれで楽しんですがね。毎回エルハイミさんの発明には驚かさせられますからね」


 ゾナーに言われルブクさんは声をあげて笑う。



 「それでルブク、エルハイミ殿、この工房に六メートル級のキャリアー設置は出来るのか?」


 エスティマ様は工房を眺めながらそう言う。

 今もメンテナンス中のマシンドールや簡易型魔装具の生産をここで行っている。


 職人たちはかなり熟練でそれらの仕事をあの歌を歌いながら淡々とこなしている。



 「そうですね、やはり天井を高くしないとだめですね。それと六メートルもあると足場も作り直さないといけない。メンテが必要なら滑車の大きいのとかも必要だ。それと出入り口の拡張と部品倉庫の改定も必要になる」


 ルブクさんは工房の見取り図を引っ張り出して来てあたしたちに説明をする。



 まあ、そうだよね。

 ほとんど新規で作るのと同じだよね?



 あたしは苦笑いしながらとりあえず基礎となる岩を集める為に近隣の岩を使ってロックゴーレムを集める準備をする。

 ティアナも【錬金魔法】を使って手伝ってくれるそうだ。



 「私も手伝うわよ? ロックゴーレム位なら私も出来るからね」


 そう言ってイパネマさんもあたしたちに行ってくれてウィンクしてくれる。

 思わずドキリとしてあたしはイパネマさんを見るけどシェルやコク、ティアナにまで怒られたりする。




 時間も無い。

 あたしたちは特殊工房を作るために動き出すのであった。


 

 

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[良い点] 特別なランジェリーの復活は面白かった。 夜専用、ははは。 私はいつも彼らがとても小さいにもかかわらずどれほど途方もなく高価であるかを笑います。 魔法のガンダム! この世界が戦車やミサイル…
[一言] もしかしてあのGR計画…?
[一言] ガーディアンねぇ。 なんかロクでもねぇ臭いが、プンプンすっぞ。 ま゛っ!式なら とてもつおい謎動力使って、いざ対ジュメルとなったら動力に仕込まれた細工が起動して、ジュメル勢力の制御下へ転ん…
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