第十三章13-20囚われの少女
おっさんが異世界に転生して美少女になっちゃうお話です。
異世界で力強く生き抜くためにいろいろと頑張っていくお話です。
真面目なボーンズ神父様、ステキっ!(ベス談)
13-20囚われの少女
それはまさに怒涛の攻撃だった。
ボーンズ神父の声と共になんと数百体の魔怪人たちが一気に押し寄せてきた!
いくら個々はそれほどでは無くても流石にこの数、全部捌くのは至難の業だ。
「数が多すぎですわ!」
「エルハイミ、私も援護します!」
あたしが広範囲攻撃魔法で魔怪人たちの足止めをしているとティアナが【火球魔法】ファイアーボールを数百個生み出し魔怪人たちにぶつける。
「うわっ! ティアナさんもお姉さま並みの魔法を使うの!?」
「そこの貴女、下がりなさい!」
イオマが驚いている所に魔怪人の【炎の矢】が飛んでくる。
しかしそれを師匠は刀で切り裂き、その魔力を吸収するとともに防壁魔法を展開する。
「きゃぁっ!」
他の角度から撃ち出された【炎の矢】がイオマを襲うが師匠の張った防御魔法で防げたようだ。
「あ、ありがとうございます」
「かまいません、下がって!」
そう言って師匠は衝撃波を放ちながら同時に飛び込み漏れ出る魔怪人たちを切り裂く。
ショーゴさんも同じくあたしたちが撃ち漏らした魔怪人たちを切り裂くが一向にその数が減らない。
さらに漏れ出る魔怪人たちにシェルの矢が当たり爆破する。
「何なのよあれ! 数が全然減らない!」
「無駄口叩いてないでシェル! 次来ますわ!」
「いい加減にしてよ! 矢が無くなる!!」
『エルハイミ、足止めするわ魔力をちょうだい!』
シェルが泣き言を言い始めるのを叱責し、あたしはシコちゃんに魔力を注入する。
「行きますわよ、シコちゃん!」
そう言ってあたしはシコちゃんに魔力注入する。
『久々のエルハイミの魔力、流石に濃いわね! お腹の中に濃くて熱いのがいっぱいだわ!! 行くわよ、【茨の戒め】!』
シコちゃんの魔法が発動すると、以前あたしがファーナ様の「女神の杖」で使ったのと同じように大地から茨が出てきて魔怪人たちの足に絡み付き最前線を転倒させた!
茨の蔓はその後も湧き出る魔怪人たちを絡み付き身動きを取れなくする。
よしっ!
「シコちゃん一緒にお願いですわ! 大きいの行きますわよ!! 【雷龍逆鱗】!」
『ええ、いいわよ! 【爆裂核魔法】!』
あたしとシコちゃんの魔法が発動して倒れた魔怪人たちの上に巨大な魔法陣が現れそこへ豪雨の様な雷が落ちる!
ガラガラどががががぁぁあああぁぁァんんっ!!
雷が効かない個体もいるけどこれで数が減った!
そしてそこへ立て続けにシコちゃんの爆裂核魔法が炸裂する。
赤く光った光が魔怪人たちの目の前に収束した瞬間まばゆい光を放ち向こう側へ超超高熱の爆裂を放つ。
それは核分裂に匹敵する熱量!
地面の小石を焼き溶かしガラス状にするほどの威力を放つ。
しゅ~‥‥‥ カッ!!
ドばガガガガァガアアアァァァン!!!!
見ればその光の後にはぽっかりと空間が空きそこにいた魔怪人たちをきれいさっぱりと焼き尽くしていた!
「すごい! お母様この光は私の成竜時のドラゴンブレスに匹敵します!」
コクがシコちゃんの超破壊魔法に驚く。
『ふふん! どう新しくティアナと覚えた超ド級の爆裂魔法は!』
「すごいですわ! シコちゃん!」
「エルハイミ気を緩めないで! まだ来ます!!」
あたしも驚いていたけどそこへティアナが一喝の声をかけあたしたちは気を引き締め直す。
「エルハイミ! あのおっきい巨人が倒れる!!」
マリアが飛び交ってあたしたちに向こうの状況を報告する。
見ればすでに体の数か所を切り刻まれ巨体の巨人が倒れる所であった。
流石クロさんとクロエさん!
魔法援護の無い巨人であればすでに敵ではない!
そしてあたしがこちらに意識を集中した時だった。
「むう、流石にエルハイミさんたちですね。こうもあっさりと巨人や魔怪人たちがやられるとは。しかし時間は稼げました。これを見なさい!」
あたしたちが次に魔怪人たちに攻撃をかけようとするとボーンズ神父の後ろからあのダークエルフの女性、ベスが小さな少女を引っ張りながら出てきた。
「メ、メル様!!」
ファイナス市長が悲鳴を上げる。
何て事!
あれは間違いなくメル長老だ。
「何と言う事だ!? 村の連中は何をしている!」
ソルガさんが弓を引くのをやめる。
他のみんなも動きを止め、一旦下がる。
メル長老は猿ぐつわをされ体中を菱形縛りの荒縄で拘束されている。
「フーフーっ!」
何か叫んでいるようだが猿ぐつわのせいで何を言っているかさっぱり分からない。
そんなメル長老をボーンズ神父は掴んであたしたちの前に出す。
「さあ、皆さん手を引いてください。このエルフの最長老がどうなっても知りませんよ?」
心底楽しそうに笑うボーンズ神父。
あたしたちは歯ぎしりするもこうなっては手が出せない。
あたしたちはその場にくぎ付けにされ動くに動けなくなってしまったのだった。
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