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エルハイミ-おっさんが異世界転生して美少女に!?-  作者: さいとう みさき
第十二章
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第十二章12-19操られし者たち

おっさんが異世界に転生して美少女になっちゃうお話です。

異世界で力強く生き抜くためにいろいろと頑張っていくお話です。


あいつらまでこの街に来ているの!?(シェル談)

 12-19操られし者たち



 「大布教会」それはメル教をこの地で布教する為の大集会でよくよく聞けば以前にソラリマズ陛下もその集会には許可を出していたらしい。



 集会は事前に信仰を深めるためのグッズ販売が盛んにおこなわれていたり入教すると抽選でメル教祖からご褒美の頭ナデナデしてもらえるなど独身男性を中心に急激にその信者を増やしていった。



 「まさか入教希望者が一気に増え街のあちらこちらであのはっぴや鉢巻き姿があふれるとは思いませんでしたわ」


 あたしは開催まであとわずかなメル教の「大布教会」の宣伝チラシを見ていた。


 「しかし不幸中の幸いでした。うちの陛下がエルハイミさんに興味を持たなかったらきっと城を抜け出して『大布教会』に何が何でも参加していたはずです」


 ネミルさんもそのチラシを見ながら大きなため息をついていた。

 そこには今までも同じような苦労を感じられた。



 ネミルさん、お疲れ様です。




 そんな話をしているとコクがやって来た。

 

 「主様、どうやら相手の動きを掴んだようです、ベルトバッツよ!」


 コクがそう言うとまたまたこの執務室の扉がノックされベルトバッツさんが入ってくる。

 流石にメル教のはっぴと鉢巻は外して変装の眼鏡もかけていない。



 「黒龍様、ご報告いたしますでござります」



 ベルトバッツさんはコクの前まで来て膝をつきかしこまる。


 「報告を」


 コクがそう言うとベルトバッツさんは掴んだ情報を話し始めた。



 「ボーンズ神父は姉御がおっしゃる通りの人物に間違いないでござろう。こちらの王城に保護された頃より上層部の一人として来ているとのことでござる。 しかし腑に落ちないのはメル教祖との接触は未だに少なく現在は『大布教会』の開催に力を入れていると言う事でござる。怪しい動きが一切なく他の信者に対しても懇切丁寧に接触しているでござるよ。それと不思議と横で見ている限り当人もその『大布教会』を楽しみにしている節があり事実開催のほぼ全主権をその者が取り仕切っているでござる」


 ここまで言ってベルトバッツさんは一本の矢を取り出す。

 とたんにシェルの顔色が変わる。



 「どう言う事? これは奴らの使う矢じゃない!?」



 シェルの指さす矢は素人目には特に変わり映えがしない。

 しかしシェルはそれがすぐに誰の物か分かった様だ。


 「流石でござるな。シェル殿の言う通りでござる。これはダークエルフ共の矢でござる。実はダークエルフ共が街に入り込んだのでござる。我が方の者が昨日メル教祖に張り付いていた時に攻撃を受けたでござる」



 ダークエルフが動いた?

 しかも攻撃をするとかこちらの動きにも気付いたか?



 「じゃあそれはボーンズ神父の指金何ですか?」


 イオマがあたしを振り向きながらそう言う。

 しかしベルトバッツさんは首を横にふっていた。


 「そこがまたおかしいのでござるよ。その後ボーンズ神父とやらに張り付いていた者からの報告ですとダークエルフがボーンズ神父と思われる者には一切接触をしてい無いとの事でござる」



 一体どうなってんのよ?

 ジュメルに関係しそうな当人は動いていないっての?

 でもダークエルフたちが暗躍は始めているっぽいし‥‥‥



 ますます何か企んでいるのではないかと思ってしまう。



 「それでだな、あたしらの方は別問題を聞いているんだ。街の女性陣がなそのメル教ってのにすごく不満を持ち始めているらしいんだよ、『大布教会』のせいで」


 「街の住人がですの?」


 イリナさんは腕を組みため息をつきながら話し始めた。


 「メル教やその内容に関しちゃローグのベルトバッツさんにお任せするよ、その方があたしたちが動くより確実に情報が入りそうだからな。それでその『大布教会』なんだが参加する信者の中には妻子持ちもいてな、そいつらがあまりにもメル教祖を崇拝して家庭の崩壊寸前の連中もけっこういるらしいんだよ。中には恋人が入教して別れた女もいるほどだ。ただな、別れ際にその相手の男が変な事を言い出していたってのが気になるんだよ」


 イリナさんはそう言ってあたしたちの顔を見る。


 「普通の信仰じゃなく異常なまでにメル教祖をあがめ自分の死すら問わないほど酔狂に陥っていたらしいんだよ‥‥‥」


 信仰が高ぶりおかしくなるというのは聞いた事がある。

 しかし家庭もちや恋人だった者までここまで狂わすとか‥‥‥



 「まさかそれって‥‥‥」



 あたしはジュメルのやり口を思い出す。


 北のホリゾン帝国。

 あそこの皇帝ゾルビオンを含むゾナーの兄たちもみんなジュメルの洗脳に陥っている。

 いくら信仰する宗教の為とは言え家庭や恋人が有る者がそこまでメル教祖に入れ込むだろうか?



 「ベルトバッツさん、布教や教えの集まりで何か変わった事は無いですの?」


 「特に変わった事は無いと思うでござるが‥‥‥ しかし変装をしてあのはっぴや鉢巻きをしているとやたらと一体感と高揚した気分にはなるでござるな」



 信者の統一グッズ!?



 「ベルトバッツさん、そのはっぴや鉢巻きとかって今ありますの?」


 「有るには有るでござるよ? これでいいでござるか、姉御?」


 そう言ってベルトバッツさんは信者のシンボルはっぴと鉢巻とペンライトもどきを取り出す。



 いつも持ち歩いているのね‥‥‥



 受け取ったあたしはある可能性に気付きその信者グッズを見せてもらう。

 

 多分念入りにやっているだろうから同調をして【感知魔法】に【鑑定魔法】も同時にかけてそのはっぴと鉢巻、それとペンライトもどきを見る。

 すると予想通りの結果が出た。


 「やはりそう言う事ですわ。一つ一つでは発動しない様になっていますけどこの三つのアイテムがそろうと精神を侵食する効果が有りますわ!」



 ざわっ!



 あたしのその言葉にここに居るみんなが驚く。

 

 「それは一体どう言う事ですか、エルハイミさん」

 

 ネミルさんは驚きながらあたしを見る。

 他のみんなもあたしに注目する。


  

 あたしは人差指を立てて説明を始めるのであった。

   

 

   

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