第九章9-12今日もゴーレム狩り
おっさんが異世界に転生して美少女になっちゃうお話です。
異世界で力強く生き抜くためにいろいろと頑張っていくお話です。
うふっ!
この輝き、このそり、そして妖艶なきらめき、刃物はこうでなくてはいけませんわ!(エルハイミ談)
9-12今日もゴーレム狩り
あたしたちはあの後も順調にゴーレムを駆逐して先に進んでいた。
最近は休息前の魔法の特訓でイオマの魔力総量も増えたようでだいぶあたしの雷撃を避けるようになってきた。
それなので今度は攻撃魔法を使わせてみる。
「お、お姉さまに攻撃するなんてできません! するならあたしにお仕置きを‥‥‥」
「今は真面目になさいですわ。避けるだけではだめですの。私のように無詠唱をしろと言っても難しいでしょうから詠唱短縮の訓練を始めますわよ!」
ええーっ!っと騒いでいるイオマだがここまで上達するなら詠唱短縮もできるだろう。
あたしはコツとして最初の辺を先に頭の中で唱え続きから詠唱させる訓練を始めさせた。
「本当に女神様の言葉を使わずに魔法が発動するんですか?」
半信半疑のイオマだったが簡単な魔法から始めさせた。
「まずは明かりの魔法ですわ。イオマ、半分くらい頭の中で唱えて出来る所から口に出してみてくださいですわ」
イオマはあたしに言われた通りにしてみる。
すると‥‥‥
「うわっ! 本当だ!! お姉さま、明かりの魔法が発動しました!」
どうやらうまく行ったようだ。
あたしは引き続きイオマに詠唱短縮の練習をさせる。
「これを繰り返してまずは光の魔法も最後の発動する力ある言葉だけで行えるまで練習なさいですわ」
そう言ってしばらく自主勉強させる。
さてと。
「ショーゴさん、融合魔晶石とストライクモードのなぎなたを貸してくださいですわ」
あたしに言われショーゴさんは融合魔晶石とストライクモードのなぎなたを渡してくれる。
あたしはそれを確認してからここしばらくしていたミスリルの超高圧圧縮金属を取り出す。
流石に少しずつじゃないと作れなかったけど、これは試してみる価値がある。
あたしは【錬成魔法】を使ってこの超高圧圧縮金属を薄く引き伸ばす。
通常の金属よりぐっと魔力を使うけどあたしからしてみれば微々たるものだ。
「主よ、何をするつもりだ?」
「もう時間も無いのでゴーレムをバッサリと切れるかどうか試しますわ。それにこれを扱えるのは双備型魔晶石核を持つショーゴさんで無いと出来ないのですわ」
あたしはそう言いながら薄く伸ばした超高圧圧縮金属であるミスリルを更になぎなたの刃の形、芯金のようなものを作る。
そして今までつかっていたなぎなたの刃を錬成して超高圧圧縮金属ミスリルの刃をはさむ。
そしてさらに錬成してギラリとした妖艶な光を放つ刃に仕上げる。
「ふう、ここまでは上手くいきましたわ。さて、ここからですがショーゴさんて右利きでしたっけ?」
「ああ、そうだが、それが何か?」
「いえ、今度のなぎなたは片側につばのような部分が出来ますわ。そこに融合魔晶石を取り付けます。どちらかというと片刃の剣のようになり、反対側から出る刃は小さめなものになってしまいますわ」
あたしはそう言って錬成を始める。
出来上がったそれは柄はそこそこ長いがメインとなる方には融合魔晶石が取り付けられるスロットルがある。
「さあやっと出来ましたわ、さっそく試してみましょですわ。シェル、ポーチからミスリルの塊を出してくださいですわ」
あたしはショーゴさんに新しいなぎなたを渡し、シェルにはミスリルのインゴットを出してもらう。
「ショーゴさん、お願いしますですわ」
「試し切りか、分かった」
そう言ってショーゴさんは剣の柄から刃を伸び出させてみる。
シュッと音がしてまるで日本刀のようなその刃は伸び出て反対柄からも小刀のような感じで小さい刃が刀身が逆になって伸び出る。
「既に両刃のなぎなたと言うより変わり種の刀だな」
「取り扱いが難しくなりますが、多分効能は確実ですわ、切る瞬間に刀身に魔力を流してくださいですわ」
ショーゴさんは短く「分かった」とだけ言ってミスリルの塊に向かう。
そして息をピタッと止めた瞬間きれいに上段から下段にまで刀を振りぬく。
が、ミスリルのインゴットはそのままだ
失敗した?
いや、シェルが興味深くそれをつつくといきなり真っ二つに割れた!
「うわっ! 何この切れ口? 鏡みたいにきれいじゃない!?」
「うむ、これはすごいな主よ、何の抵抗も無く振りきれたぞ」
「成功のようですわね? 多分この刃は大概のものを切る事が出来るでしょうですわ、しかも切った瞬間にその刃先から融合魔晶石の属性の効力が伝達してミスリルのように魔法をはじく物でも内部より破壊するので切れ味がさらに倍増するのですわ!」
うまく行ったようだ。
これでゴーレムでもショーゴさんの腕ならすっぱりと切り刻める。
シェルの援護、ショーゴさんの剣の避雷針、そしてあたしの雷撃魔法と言うプロセスとしなくてもゴーレムを倒せそうだ。
それとあたしもこの超高圧圧縮金属ミスリルでとあるものを作った。
希少金属なので使える数は限りがあるけどもし前衛のショーゴさんがあたしのフォローに入れない時の切り札になるかもしれない。
「お、お姉さま、見てください! 詠唱短縮できました!!」
見るとイオマがこちらにやってきて明かりの魔法を最後の力ある言葉だけで発動させれるようになっていた。
「良く出来ましたわ、あとはこの応用でよく使う魔法からなるだけ呪文を口で無く頭の中で、更になれたらそのイメージだけで最後の力ある言葉を使ってみなさいですわ」
「はいっ!」
大変よろしい返事です。
その後休憩をしてからあたしたちは更に奥へと進むのであった。
* * * * *
「もうあたしたち何もしなくていいんじゃない?」
シェルは暇そうにショーゴさんがゴーレムを切り刻んでいる様を眺めている。
最近はショーゴさん変身すらしなくなってきたし、ストライクモードを素のまま着込んで無双している。
あたしは切り刻まれたゴーレムからミスリルを回収しながらシェルに言う。
「それでも万が一が有りますわ、警戒は怠らないでくださいですわ。」
などと言っているとこっちに飛び散ったブロックが飛んでくる。
「【防壁魔法】!」
イオマはあたしが【絶対防壁】を展開する前に詠唱短縮で【防壁魔法】を発動させ飛んできたブロックを防ぐ。
「お姉さま、お怪我はありませんか?」
「ええ、大丈夫ですわ。イオマのおかげで全然問題無いですわ」
「じゃあ、ご褒美で今晩マッサージしてください!」
「あら、ショーゴさんがゴーレムを片付けた様ですわ、ミスリルの回収に行きましょうですわ」
そう言ってあたしはそそくさとこの場を離れる。
「お姉さまのいけずぅ!! ああ、でもその冷たさがまたなんとも、はぁはぁ‥‥‥」
だめだこいつ早く何とかしないとっ!!
あたしは心底イオマの将来を心配しながらミスリルの回収に向かうのであった。
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