第九章9-10守護者
おっさんが異世界に転生して美少女になっちゃうお話です。
異世界で力強く生き抜くためにいろいろと頑張っていくお話です。
守護者を倒して次行きますわよぉ!(エルハイミ談)
9-10守護者
あたしたちは両開きの扉に手を付け開いていく。
その扉は抵抗なく簡単に奥へと開いて行った。
「さて何でが出るかな?」
ショーゴさんが珍しく軽る口を叩く。
あたしたちは開かれた場所に入るとそこは大きな部屋だった。
そしてそれはそこにいた。
『汝らの力示さん。ゴーレムを倒すがいい』
頭の中にあの声が聞こえてきてそしてゴーレムの目が光る!
部屋の中央に座っていたゴーレムは立ち上がりその眼を光らせながらあたしたちを見る。
立ち上がると意外と大きいわね?
大体四メートル近くあるんじゃないかな?
しかし気になるのはその表面を覆う装甲。
金属っぽいんだけど、やたらと光沢がある。
「主よ、こいつは面倒なゴーレムだぞ、ミスリルゴーレムだ!」
ミスリルゴーレム!?
そんなお宝がいたの!!!?
ゴーレムなのであたしは高をくくっていた。
しかしショーゴさんの次の言葉でその高まったテンションはものの見事に下がってしまった。
「こいつには主の魔法が効かないぞ、直接攻撃しか受け付けんがやたらと頑丈にできている。物理攻撃と援護、回復魔法に徹してくれ!」
そう言うとショーゴさんはストライクモードになって切り込んでいく!
「参ったなぁ、あたしの矢は効くのかな? エルハイミ着替えて後方援護始めるわよ!」
シェルはそう言ってあのブローチでライトプロテクターの姿に変わる。
あたしもすぐに魔導士ライトプロテクターに着替え準備する。
「え、ええっ?? 何ですかそれ! お、お姉さま?」
「イオマは下がっていてくださいですわ、危ないですわよ」
「いえ、それよりなんで変身中に肝心な所が見えなかったんですか!? 期待していたのに!!」
驚いた理由がそっちかいっ!!
あたしは一瞬あきれたけどすぐに気持ちを切り替えてショーゴさんが離れた隙を見計らい【地槍】魔法を発動させる。
ブロックの地面がせりあがってゴーレムの周りから一斉に大地の槍がせり出す!
しかし流石ミスリルゴーレム、さしたるダメージも無く大地の槍をバラバラに折り曲げてショーゴさんに襲いかかる。
しかしショーゴさんにゴーレムが向かう前にシェルの矢が刺さった!
そして大きな音を立てて爆発する。
ぼぉんんっ!
おお!
効いている?
ゴーレムの肩口に刺さったそれは見事に爆発してその内部をあたしたちに見せる。
外装は確かにミスリルのようだけど、中身は別の素材?
なんか白っぽい石灰石のようなものが詰まっている。
「よくやったシェル、主よあそこなら魔法が効くぞ!」
ゴーレムは今度はシェルを狙って動き出す。
たぶん自分に傷を負わせた一番厄介な相手だと思ったのだろう。
ぶんっ!
太い腕が薙ぎ払われるがシェルは脱兎のごとく既に逃げ出して別の所から矢を放つ!
「あっぶないわねぇ! 女の子には優しくするものよ!!」
そう言って放った矢は今度はゴーレムの背に当たり同じように内部破裂する。
ショーゴさんはその背中に剣を突き立てるが振るい落とされてしまった。
しかしこれはチャンス!
あの剣を通して内部コアまで雷撃が届けばゴーレムを止められる!
「ショーゴさん、シェル引いてですわ! 雷が行きますわ!!」
動きを牽制していたショーゴさんとまだ狙われているシェルはさっとゴーレムから距離を取る。
そこへあたしは【雷撃魔法】をぶち込む!
ばりばりばりっ!
空気を焦がしてあたしの雷撃がゴーレムを襲う。
それは狙い通りショーゴさんの剣を避雷針のようにしてゴーレムの内部に雷撃を流す!
ゴーレムは一瞬腕を振り上げたと思ったらその場で目の光を消し両腕を下げてその場に鎮座してしまう。
『汝らの力、見せてもらった。デイメルモ様の庭に入ることを許そう』
完全にゴーレムの動きが止まってからまたあの声が頭に響く。
どうやら終わったようだ。
すると扉の反対側が音を鳴らして開きだす。
見た目は壁だったのが開くとは隠し扉だったのか?
「これで第八層に行けるか」
ショーゴさんはそう言ってゴーレムから剣を抜き鞘にしまう。
シェルもゴーレムをツンツン突いているが興味がなくなったようで持っていた矢を矢筒に戻す。
「流石にお姉さまたち! ああも簡単にゴーレムを倒すなんて!」
イオマは両手を組んで尊敬のまなざしであたしたちを見ている。
まあ、ゴーレム程度ならあたしたち三人がいればこんなもんかな?
あたしはゴーレムに近づき、【錬金魔法】を使って表面のミスリルを回収する。
そしてシェルに頼んでポーチにしまってもらう。
「わざわざミスリルはがさなくてもよかったんじゃない?」
「出来ればショーゴさんの左腕をそろそろメンテナンスしたいのですわ。それと混ざりものの無いミスリルは貴重ですわ。今後私たちの武具を強化するにも、イオマの分を作るにも素材は必要ですわ」
あたしはそう言ってイオマを見る。
この子の装備は決してこの迷宮で生き延びられる装備じゃない。
最低でもあたしと同じ魔導士ライトプロテクターが欲しい所だ。
でも、あたしも自信があるわけじゃないからあたしのをあげる訳にはいかないもんなぁ。
だからせめてプロテクターくらい作ってあげたい。
しかし、最初はミスリルの塊と思ったゴーレムも外装だけとは。
思ったほどミスリルが手に入らなかった。
「まあいいですわ、次の休憩の時にでもイオマのライトプロテクター作ってあげますわ。これから先何があるか分かりませんですわ」
「お、お姉さまが優しい!? そ、そんなぁ、もっといつもみたいにいじめて欲しいのに‥‥‥」
ちょっとまて、今なんて言った?
あたしはいじめてないぞ!?
いや、むしろいじめられることに期待をしている??
「い、イオマ、あなたまさか‥‥‥」
「はうっ! そ、その冷めた目! さ、最高ですぅ!!」
いけない、早くここから抜け出さないとおかしな奴が増えてしまう。
どうしてあたしの周りにはこう、マザーライム様にお腹見せながら尻尾振ってる次期国王とか、あたしに踏まれたいなんてひそかに思っている王子やら、妹大好きなシスコン爆乳や志願してロクドナルさんにべったりな隠密の跡取り息子とかそんなのばっかなのだろう?
「あー、主よ、ミスリルの採取は問題なく続けられそうだぞ?」
ショーゴさんのその言葉にあたしは慌ててショーゴさんの横へ行く。
すると開いた扉の奥の通路、直線の通路の向こうにさっきのゴーレムと同じのが座っている。
道は直線、『試練の道』同様人工の通路はそのゴーレムに塞がれている。
『これより先ゴーレムを倒し続けていけばディメルモ様の屋敷に入れてやろう、さあ汝ら力を示し続けるがいい』
って!
さっきのは守護者かなんかじゃなかったのかいっ!!!?
どうやら近づかない限り動き出さないようだけどこの先、ディメルモ様の庭とやらにはこいつ等がいっぱいいるって事!?
その都度こいつらを倒していけって事??
あたしはめまいがしてきたがやるしかない。
大きくため息をついてからショーゴさんとシェルを見る。
「仕方ありませんわ、全部倒して私たちの武器と防具を全部純ミスリル製にしますわよ!!」
「やれやれだわ」
「しかし我らならやれるだろう、主よ?」
「勿論ですわ、さあ行きますわよ!」
そう言ってあたしたちは二体目のゴーレムを倒しに行くのであった。
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