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エルハイミ-おっさんが異世界転生して美少女に!?-  作者: さいとう みさき
第八章
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第八章8-26激戦

おっさんが異世界に転生して美少女になっちゃうお話です。

異世界で力強く生き抜くためにいろいろと頑張っていくお話です。


あらあらあら~、お母様なにしたらいいのかしらぁ~?

とりあえず出番までお茶でも飲んでいようかしらぁ~(ユリシア談)

 8-26激戦



 「【絶対防壁】!」


 

 迫りくる紅蓮の炎はまだかなり距離があるというのにあたしを狙ってまっすぐに迫ってきた!

 しかしとっさに張られた魔法の壁でその炎は間一髪止められた!



 「エルハイミ! 大丈夫!?」


 「ティ、ティアナ?」



 紅蓮の炎を止めたのはティアナだった。

 

 『なんて炎よ!? あれじゃあドラゴンの炎の方がまだかわいいわよ!?』


 シコちゃんの言う通りだった。

 巨人の吐いた炎は近くのロックゴーレムをも溶かしていた。

 もしあれが直撃していたらあたしは一瞬で消し炭になっていただろう。



 「気を抜くなティアナ! まだ終わっていないぞ!」



 エスティマ様のその声にあたしたちは我へと戻る!


 「とりつかれたぞ!」


 さらにエスティマ様から言われ悲鳴が上がっている東側を見るとあの蝙蝠型融合怪人が別の魔怪人を城壁の上まで運んでいる!?


 

 「小型投石機あいつらを撃ち落とせ!!」


 ゾナーの指示に投石がされるが蝙蝠怪人はひらりひらりとかわし魔怪人を城壁に投げ込んでくる!



 「弓矢隊何している! 牽制しろ!!」


 「このぉっ!」



 ヒュンっ!

 とすっ!

 ぼんっ!!!!



 城壁に上がってきた魔怪人をシェルの矢が射止めその頭を爆破する。

 たまらず魔怪人はその場に倒れ動かなくなる。



 「エルハイミ!」



 ティアナのその叫びに見ると巨人がロックゴーレムたちを薙ぎ払いまた動き出していた。

 巨人はロックゴーレムを持ち上げこちらに向かって投げてくる?

 

 それも次から次へと!



 「「【絶対防壁】!」」



 あたしとティアナが魔法の壁を作り上げるが巨人が投げつけてくるロックゴーレムの数が多すぎる!


 

 どがぁんっ!!!!



 魔法の防壁が間に合わない所にとうとうロックゴーレムが当たる!


 

 ぐらっ!



 その衝撃がここまで伝わってきた!

 だがまだ城壁が破られたわけじゃない!



 が、そうこうしているうちに巨人は城壁の近くまで来ていた!?



 「ティアナ、シェル! ブローチを発動させてくださいですわ! 着替えを!!」


 あたし自身もブローチを掲げ一瞬で着替えをする。


 それは魔法使いの姿格好だけど所々に魔晶石が埋め込まれたライトプロテクターも身にまとった姿。

 ティアナもライトプレートメイル姿に、シェルもライトプロテクターを装備した姿に弓を持つ左手に大型の小手が付いた姿になる。



 「エルハイミこれって!?」


 「アンナさんの原理を私風に改良した学園の学生服同等の対魔性能と物理攻撃を防ぐプロテクターですわ! 多少の攻撃ではびくともしませんわ! これで攻撃に専念できますわ!!」


 そう言ったあたしのすぐ近くに今度は猿のキメラが襲ってきた!



 「エルハイミっ!」



 猿のキメラの爪があたしを襲う!

 しかしあたしがまとうプロテクターが反応してその爪を体が勝手に動き受け止める。



 「主よ!」



 ザシュ!



 ショーゴさんが踏み込んできてストライクモードの刃で猿のキメラを一刀両断に切り伏せる!

 

 「だいぶ取りつかれてきた! 細かいのは俺たちに任せてあの巨人を!」


 巨人は未だにロックゴーレムを投げつけてきている。

 


 どぉおおおぉん!



 またしても城壁にロックゴーレムが当たる。

 いくら頑丈な城壁でもこのままではもたない!



 「シコちゃん、氷結魔法で巨人を凍らせてくださいですわ!」


 『わかった! 【氷結魔法】!!』


 シコちゃんの強力な【氷結魔法】に巨人の表面が一瞬で白く凍り付く!



 よしっ!


 

 そろそろ向こうの魔術師も魔力切れを起こし始めたみたい!!

 普通の魔術師が何度も【絶対防壁】をかけるのは難しいはず!

 

 しかし、しばらくすると巨人は表面の氷をバリバリとはがしながら動き出す。


 「シコちゃん、私が火炎の魔法を撃ったらすぐにまた【氷結魔法】をお願いします! 私が良いというまで交互に魔法をかけますわ!!」


 『何をするか分からないけど、分かったわ! 防御はティアナに任せるわよ!』


 そう言ってあたしとシコちゃんの魔法が交互に巨人に炸裂する。

 しかしほんのちょっと動きを止めては巨人はまた動き出す。



 『いつまでやるのよ、エルハイミっ!?』


 「まだまだですわ! 続けてですわ!!」



 ほとんど効かないと思われたあたしたちの攻撃はここへきてやっと効果が表れ始めた。


 巨人の動きが鈍くなる。

 そしてそのうろこがパキパキと音を鳴らせひび割れ始めた!



 「来ましたわ! シェル、ショーゴさん今ですわ!!」



 あたしの呼びかけにシェルとショーゴさんが矢と魔光弾を放つ。

 それは見事に巨人に直撃して爆発をする。


 もうもうとした煙が晴れると巨人に変化があった。

 攻撃が当たった場所が大きくえぐられていたのだ!   


 「やりましたわ! 今がチャンスですわ! どんどん撃ってくださいですわ! シコちゃん私たちも魔法で攻撃ですわ!!」


 「どうなってるのよエルハイミ!?」


 シェルは言いながらも矢を放っている。

 

 「温度差による装甲の劣化ですわ! 冷たいガラスのコップに熱湯を入れると割れるやつと同じですわ!!」


 あたしの口早な説明にシェルは「そうか!」とか言っているけど分かっているのかな?


 しかし今がチャンス!

 劣化した表皮のうろこは物理的な耐久性を著しく落している。

 

 あたしはシコちゃんにまたまた特大魔法をお願いする。


 「シコちゃんもう少しですわ! 魔力を注ぎます、大きいのお願いしますわ!!」


 そう言ってあたしはシコちゃんに再度魔力を注ぎ込む。


 『いいわぁ! 相変わらず濃くって沢山の魔力! いいわよ、行くわ特大魔法!! 【茨の拘束】!!』


 シコちゃんの魔法が発動する。

 それは地面から沢山の棘付きの茨が生え出しあっという間に巨人の全身を覆う。

 もがき苦しむ巨人、しかしもがけばもがくほどこの茨はその拘束力を高める。


 『これでトドメよ! 【竜切断破】!!』


 光りの大きな刃を発生させ巨人に発射する!  

 今度は【絶対防壁】が巨人に張られる事は無く光の刃が肩口に当たり上半身を袈裟懸けに切り飛ばす!!



 『ぐるぅぅぉぉぉおおおおおおおっっっ!!』



 巨人が悲鳴を上げる。




 おおっーーー!!




 それを見た兵士たちが声を上げる。 

 そして巨人は切られた下半身を片膝をつきながら倒れる。



 「やったぁ!」



 シェルが喜びの声を上げたその瞬間だった!

 切り飛ばされた巨人の上半身は転がり落ちた大地から最後の力を振り絞り残った片腕で首をこちらに向けさせあの炎を吐き出した!!


 まさかのとっさの事にあたしたちは反応が鈍りその攻撃を防御しきれなかった。



 「【防壁魔法】!」



 しかし間一髪、今まで控えていたママンが【防壁魔法】をかけるがこの魔法では威力を消しきれない。




 どがぁぁあああんっ!!




 大きな音と衝撃に城壁は揺れそしてこの司令塔の東側の所に着弾し、城壁を崩した!


 

 「くっ! エルハイミ大丈夫!?」


 「ええ、何とか大丈夫ですわ! お母様、みんなは!?」


 見ると衝撃と揺れに床に膝をついているがみんな問題は無い様だ。

 しかしとうとうこのティナの町の守りの要だった城壁に穴が開いてしまった。




 うおぉぉぉぉぉぅぅぅっ!!


 

 ホリゾン側から大きな声がしてきた。

 見ると本陣と思しき聖騎士団の大軍が押し寄せてきた!


 

 「小型投石機、弓矢隊かまわんありったけの石と矢を食らわせろ!!」


 城壁に上がって来ていたキメラや魔怪人たちを一掃してゾナーやショーゴさんが戻ってきた!

 そして口早に指示を出して聖騎士団の大軍を迎え撃つ。


 「マシンドール部隊、城壁の穴の開いた所へ行け! 聖騎士団の侵入を防ぐんだ!!」


 エスティマ様も指示を出す。

 

 急ぎ穴の開いた所へマシンドールたちが急行して聖騎士団の特攻部隊を迎え撃つ。

 本陣が動き出しいくら小型投石機や弓矢隊の雨のような攻撃でも聖騎士団の勢いは止められない。


 城門破壊兵器も到着して門の破壊が始まる。

 残ったロックゴーレムもほとんど駆逐され城壁の外にはもう味方はいない。



 「くそっ、完全に城壁にとりつかれた! 数が多すぎる! エスティマ様の軍を穴の開いた所へ回せ! それと門にもだ!!」



 ここまで来ると時間の問題になってしまう。

 あたしはティアナを見る。


 「兄さま、町の避難指示を!」


 「くっ、仕方ない! 町に避難指示を出せ!! しかしまだ負けたわけではない! マシンドール部隊を中心に聖騎士団が入ってくるのを阻止しろ! 一歩もティナの町に入れるんじゃない!!」


 エスティマ様の命令を伝令兵が受け取り足早に司令塔を離れる。


 あたしやティアナも念動魔法や【地槍】などの物理攻撃の魔法で聖騎士団を追い払おうとするがやはり数が多い。



 どぉぉおおおおんっ!!



 門を破壊する槌の音が響く?

 やばい!このままじゃ門も壊される!



 「あらあらあら~、やっぱりこれ使うしかないわねぇ~、あの時と同じだわぁ~」



 そう言ってママンは城壁の淵に立ちあり得ないほどのスピードで聞いた事の無い呪文を唱え始める。



 『これはっ! 【大樹の皇帝】の呪文!!!?』



 シコちゃんが驚きの声を上げる。

 そしてママンの呪文が完成する!



 「【大樹の皇帝】!」


  

 ママンのその力ある言葉で手に持つ世界樹の葉がまばゆく輝く!

 ママンはそれを聖騎士団が群がる中に落とす。


 輝く世界樹の葉っぱは興奮した聖騎士団にほとんど気付かれる事無く地面に降り立つ。

 その瞬間爆発的な勢いで大地から無数の蔓が伸びだす!


 それは絡まり盛り上がり、はたまた聖騎士団をからめとり生き血を吸い始める。

 そして盛りあがった蔓は徐々に大型モンスターの姿に変わっていく。

 

 それはドラゴンの姿であり、ミノタウロスであり、オーガーなどであった。


 緑色のモンスターたちは聖騎士団に肉弾戦で挑み始める。

 一人、また一人とモンスターたちは聖騎士団を倒し、倒れた騎士を蔓が襲う。

 そして生き血を吸い再び蔓が絡まり盛り上がり緑色のモンスターへと変わっていく。



 「こ、これが秘術【大樹の皇帝】の威力なのですの!?」



 世界樹の落ちた場所から徐々にモンスターが増えていき聖騎士団を飲み込み始めた。

 聖騎士団も異変に気付き始め、魔術師たちや魔怪人たちに炎の魔法などで対抗させるが緑のモンスターたちは自分たちが焼かれることなどお構いなしに聖騎士団を襲う。

 そして飲み込まれた聖騎士団やキメラ、魔怪人を糧にその数をどんどんと増やしていく。



 「す、すごい、これが北陸戦争でホリゾン軍を撤退に追い込んだ『稀代の魔女ユリシア』の力! 流石ですお義母様!!」



 ティアナは大喜びでママンに振り向く。


 しかしママンはあまりいい表情をしていない?


 「あらあらあら~、またこの秘術を使っちゃったけど、これって見境なしに生き血を欲していくからホリゾンの人も早く逃げて行ってくれないかしらぁ~。いくら戦争でもあまり殺しちゃ可哀そうよぉ~」


 なんてのんきなこと言っているのよ、ママン!!


 しかし確かにこの魔法が発動されてから流れが変わった。

 今や穴の開いた城壁の所まで緑のモンスターが攻め込み城壁をくぐろうとした聖騎士団を飲み込み始めた。



 「マシンドール部隊を最前線に兵士たちは一旦引かせろ!絶対に城壁の外に出るなよ! 蔓に絡まれたら終わりだぞ!!」



 経験者のゾナーは口早に指示を出す!

 緑のモンスターたちは城壁の中には入って行かない。

 しかし触れるもの、歯向かうものには一切容赦せずに犠牲者をどんどんと飲み込んでいく。



 ここにきて聖騎士団が一部引き始めた。



 しかしすでに二割近くがママンの秘術で緑のモンスターの糧となり替わっていた。


 「さあ、聖騎士団どうする!? 『稀代の魔女ユリシア』の魔法は『無慈悲の魔女』以上に残酷だぞ!?」


 ゾナーは頬に一筋の汗を流しながらそう言う。



 ママンはあたし以上に残酷なのかいっ!?

 思わず心の中でそう突っ込みを入れてしまうあたし。



 戦況は今やママンのおかげでホリゾンの聖騎士団の方が不利になってきた。

 


 いける!




 あたしがそう思った時にあの声が響き渡ってきたのだった!!



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[良い点] !の数量調整有難うございます。 変なテンションで筆がぶっちぎる。 有りますね~。 と言うかむしろそんなのが無いと、書いていられないっつーか。 [一言] 巨神h……巨人の最後っ屁表現ですが…
[気になる点] 上半身を斬り飛ばしたのに、どうやれば炎を吐き出せる? ……斬り飛ばされて空中ぐるぐるしてる内に無差別ファイアー? ただただ斬り裂かれて、地面へ滑り落ちる前にファイアー? 斬られて地面…
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