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エルハイミ-おっさんが異世界転生して美少女に!?-  作者: さいとう みさき
第五章
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第五章5-27再びウィルソン家 *

おっさんが異世界に転生して美少女になっちゃうお話です。

異世界で力強く生き抜くためにいろいろと頑張っていくお話です。


そ、そんなあたしにはエルハイミと言う人がいるというのに・・・

で、でも感じちゃう・・・(ティアナ談)

5-27再びウィルソン家



 「それでは今後はその価格でお取引お願いいたしますわね、陛下」



 アテンザ様はにっこりと笑っている。

 ウェースド陛下は苦笑いしているが今までの事があるので致し方なくアテンザ様の言い値で契約するしかない。


 「さて、それではそろそろコルニャに戻りましょう」


 そう言ってアテンザ様は席を立つ。


 あの後結局魔結晶石は見つからずあたしたちは更に二百個ちょっとの上等な魔晶石原石を買い込み、ウェースド陛下の目の前で魔結晶石を作って見せた。

 陛下は大変驚かれてはいたが結局今回はノルウェンは良いところが全然なく、支援の新型マシンドールや今後のジュメルの襲撃の危険性も無くなったのでアテンザ様がそれらをもとにかなりの好条件でノルウェンとコルニャの見直し契約を取り付けた。

 これでコルニャは破格の値段で魔晶石の原石を購入できるわけだ。


 ご愁傷様、ウェースド陛下。


 アテンザ様のこういった手腕は確かにすごい。

 道理でコルニャは最近豊かになったと聞いてたけどこれって多分アテンザ様のせいだろう。


 あたしたちはウェースド陛下に挨拶をしてからノルウェンを後にしたのだった。



 ◇ ◇ ◇ ◇



 「ティアナ、無理はよくないですから今日はしっかりと我がウィルソン家で休んでいきなさい」


 アテンザ様はティアナに抱き着いて頬ずりしている。

 

 「ぷはっぁ!! ね、姉さまは私を窒息死させる気ですか!!!?」


 「どこの世界にこのような可愛い妹を窒息死させる姉がいますか!?」


 なんか前にも見たな、この会話。

 あたしたちは衛星都市コルニャのウィルソン侯爵家に戻ってきた。

 

 「しかし、今回も大変そうだったねアテンザ」


 フリッタ侯爵は苦笑いしながらあたしたちを出迎えてくれている。

 

 「お世話になります。ウィルソン侯爵」


 マース教授がフリッタさんと話している。

 

 「ウィルソン侯爵、早速で済みませんが以前見せていただいた魔導書をもう一度見せていただきたいのですがよろしいかな?」


 「ええ、かまいませんよマース教授」


 フリッタさんは快諾しているようだ。


 「アンナ君、すまないが君も一緒に来てくれたまえ。一緒に調べてもらいたいことがある」


 「はい? 私は構いませんが、一体なにを?」


 「うむ、今回見つけた魔導書とこちらに保管されている魔導書で気になる事が有ったのでね。その確認をしたいのだが君の見解も聞きたい」


 そう言ってマース教授はあの魔導書を取り出す。

 魔導書にはたくさんの付箋が挟まっていてこの間にマース教授がいかにこの魔導書を研究していたかがうかがえる。


 そして使用人に案内されてこのお屋敷の書庫へと向かっていった。


 ティアナは相変わらずアテンザ様とじゃれているし、ロクドナルさんはフリッタさんと何か話し込んでいる。

 アイミもティアナの周りでピコピコしてるし、マリアはさっきから出してもらった茶請けのビスケットと格闘している。


 さて、そうするとあたしは暇が出来たのでショーゴさんを呼びつける。

 

 「我が主よ何でしょう?」


 「いいからその左手の義手を出しなさいですわ」


 ショーゴさんは大人しく左の義手を差し出す。

 あたしは感知魔法で確認して機能的な問題点が無いのを確認してから創作魔法を発動して義手の表面にある傷を直す。


 「主よ、わざわざその様な事をせずとも俺が磨きますが?」


 「駄目ですわ。この鏡面を取り戻さないと私の気が済みませんわ。それに定期的に確認しないと機能問題が有ったらいざと言う時に問題ですわ!」


 あたしはずっと気になっていた傷を直し、鏡面にまで戻す。

 ふう、やっと気が済んだ。


 「すみません、以後もう少し気を使います」


 「いいえ、戦闘の時は仕方ありませんわ。でも傷ついたらまた私に直させてくださいましな。どうも傷がついたままと言うのは気になって仕方なのですわ」



 ふんっとあたしは意気込む。

 ショーゴさんはポカーンとしているが小さくはははっと笑った。



 あれ? 

 そう言えばショーゴさんが笑うのって初めてじゃないかな?

 あたしもつられて笑う。




 「エルハイミ! 助けて!! 姉さまが旅の汚れ落とすから一緒にお風呂入ろうってしつこいのよ!!」


 「なんならエルハイミさんも一緒でも構いませんよ、どちらが良いかティアナに知ってもらうまたとない機会ですわ!」



 なんかとんでもないこと言ってるな姉よ。



 「え、ええ~と、私アイミの調整がありますので~ 」


 ぴこぴこっ!



 あ、こらアイミ余計なこと言うんじゃありません!!



 「え? アイミは問題無いからみんなでお風呂入ろうですって?」


 

 なにっ!?

 ティアナいつの間にアイミの言葉が分かるようになったのよ!?



 「あら、良いですわね。それではみんなで入りましょう!」

 

 そう言ってアテンザ様はあたしたちをお風呂へ連行するのであった。



 * * * * * * * * *


 

 前回はあわただしくてよく聞いていなかったけど、北方に近いここコルニャにはなんと温泉が湧いているらしい。

 ノルウェンとは別に西の方にもう一つ山があってそこから湧いている温泉だとか。

 なので当然このウィルソン家にもそのお湯は引かれている。

 天然かけ流しの温泉。

 ものすごく贅沢ではあるのだけど‥‥‥



 かぽーん



 「ふん、エルハイミさんまだまだですわね!」


 前も隠さずその大きなものをブルンブルンと震わせてアテンザ様はあたしの前で立ち上がる。

 アンナさんより大きいそれは形も美しく非常に目の保養になるのだが‥‥‥


 「姉さま、それって私への当てつけですか!?」


 「ティ、ティアナ、そうではないです。これはエルハイミさんと私の話でどちらが女としてティアナにふさわしいかを話しているのでして‥‥‥」


 ぴこぴこっ!


 はいはい分かった、分かった。

 貧乳はステータスと言いたいのでしょう、アイミ?


 しかし困った。

 口ではああ言っていたもののアテンザ様の妹ラブは相変わらずだ。

 まあ、ティアナは可愛いし分からなくはないけどちょっとアテンザ様の愛は重過ぎる。

 ティアナもなんだかんだ言って逃げ回っているし。

 でも明日にはまた王都ガルザイルに戻るんだ、少しは大目に見ないといけないかな?


 「ではどちらがティアナを満足させられるか勝負です! エルハイミさんよろしいですね!?」


 「はい?」


 何か言い合っていたみたいだけどあたしは聞いていなかったのでいきなり振られても分からないって。


 「ですから、どちらがティアナの胸をマッサージして気持ちよく‥‥‥ じゃなくて効果が出るか勝負です!」


 「大丈夫よエルハイミ! あたしはエルハイミじゃなきゃ気持ちよくならなぁ‥‥‥ じゃなくて、効果が出ないわ!!」



 おいおい、そこの姉妹何の勝負だよ?



 「では私が右、エルハイミさんが左でよろしいですね?」



 だからあたしは了承していないんですけどぉ。

 あたしは立ち上がって辞退してお風呂から出ようとしたら‥‥‥



 「エ、エルハイミ! ちょ、ちょっと良く見せて!!!!」


 いきなりティアナに手をつかまれた。

 そしていきなり胸を揉まれる!


 「なっ! やっぱりあたしより大きくなっている!? そ、そんな! あたしはエルハイミの触っていないのに!?」


 「ちょ、ちょっと、ティアナ!! 触り過ぎですわ! くすぐったいですわ!」


 「そ、そんなぁ、あたしより二歳も年下なのに既にあたしを超えているですってぇ!?」


 「そうかしら? ティアナと変わらないと思うのですけど?」


 もみゅっ!


 アテンザ様まであたしの胸もみ始める!?

 そしてもう片方の手でティアナの胸を揉む!


 「あら、本当ね。ティアナよりわずかに大きいかしら?」


 もみゅもみゅっ!


 「あっ! ア、アテンザ様、やめてくださいですわ‥‥‥」


 なに?

 何この感覚!?

 や、やばいぃ!

 

 「お、お姉さまそろそろ手をはなしてっ!」


 ティアナも様子がおかしくなってき始めた!?

 お、おそるべし人妻!!


 「ふふ、可愛い子たちね」


 既にアテンザ様は目の色が違う!!

 肉食獣だ!

 完全に肉食獣の目をしてる!! 

 や、やばい!

 あたしたち、ぴーんちっ!!!!



 ビシっ!


 「うっ!」


 アイミの手刀がアテンザ様の後ろ首に入る。

 アテンザ様はあっけなく白目をむいて気絶する。



 「はぁはぁはぁ、あ、危なかったですわ。ありがとうアイミ」


 ぴこっ!


 「エ、エルハイミぃ~! どうしよう、あたしエルハイミよりちっちゃいよぉ~!!」


 いや、どうしようと言われても‥‥‥

 涙目で裸で抱き着いてくるティアナ。

 思わずその勢いを受けきれず倒れるあたし。


 「うわっ!」



 がらっ!



 「こちらのお風呂は温泉だったんですねぇ~。前回はよく聞いていなかぁ‥‥‥」


 アンナさんが入ってきた。

 白目向いて倒れているアテンザ様。

 あたしを押し倒して裸のまま泣きついているティアナ。

 ちょこんと女の子すわりでそれを見ているアイミ。


 「しゅ、修羅場!? ご、ごめんなさい! わたし何もみていませんですぅぅぅぅぅっ!!」



 「またこのパターン!? アンナさんっ! 違うんですぅぅっっっ!!!!」




 結局またあたしの叫び声がこだまするのであった。


  

  

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― 新着の感想 ―
[一言] アンナさん、空気が読める優秀な方ですねぇ。それに比べて、この王女姉妹は・・・ この国、こんな王族で大丈夫?
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