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エッセイあれこれ

THE MANZAIでビートたけしさんが言った言葉で思ったこと

作者: 荒野ヒロ

 ノンスタイルの二人が漫才を終えたあと、ビートたけしさんが口にした感想。


「あいつらえらいよな。ベテランの感じがぜんぜんない。いつまでも若手みたい」


 といった言葉。

 これ、ノンスタイルの二人をバカにしているようにも受け取れる。

 けど実はぜんぜん違う。というか逆。


「ベテランといえるくらいの実力があるのに、いつまでも若手のように、のびのびと漫才をしている」


 とか、だいたいそんな(初心を忘れてないという)意味の言葉だと思えた。

 というのもベテランほど、「慣れ」からくる「作業感」が増し、慣れれば慣れるほど手を抜いたり、漫然とした繰り返し作業になりがちだからだ。


 それに対していつまでも新人の心を忘れず、若手のように漫才をできる。それがすばらしい。

 ビートたけしさんは、ベテランゆえの落とし穴をまったく感じさせない二人の漫才を見て、そう感じられたのではないかと思う。



 人の言葉(日本語)の機微って、そういう部分にあるし、それを汲み取る気持ちがなければ、()()()()()()()()()から、自分の感情や考え方に照らし合わせて答えを出そうとする。

 読解力のない人がたいてい否定的な受け取り方をする場合、対象に対する感情から、対象が「嫌い」という感情から、「そう思う(そう思いたい)」という読解の仕方をしているだけだったりする(否定したい相手の言葉を否定的に受け取る)。


 相手が「こういう人間だ」なんて簡単に決めつけず、「あの人の本意はどこにあるんだろう?」

 といった考え方ができないと、物事の本質は見抜けないものだ。──自分に都合のいい受け取り方しかできなくなる──

文章から想像するのも同じ。

たまに「作者の考えてることなんてわかりっこない」なんていう人がいるけど、日常生活で人と接するときに「相手の気持ちなんてわかりっこない」っていう態度で人に対応しているのかと。

相手の立場になってものを考えてみる。これ、大事なことですよ。

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