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夏の向日葵  作者: 暁紅桜
第6章_夏空の下
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7話《可愛い》

夏の暑さが続く八月。夏休みも終盤になり始め、学生は残り少ない夏休みを友人と、家族と、恋人と共に過ごす。


「どれにしようか」


 人で溢れるショッピングモール。その水着売り場にやって来た歌恋かれんとルミ。店内に販売されている水着を歌恋は手に取り、彼女の後ろで恥ずかしそうにしているルミの前に差し出した。


「これとかどう?」

「あ、えっと……も、もう少し露出が少ないのがいいです……」

「えぇー、絶対似合うと思うのに」

「わ、ワンピースタイプが……」

「だーめ」


 明日行くプールの水着を選びに来て、せっかくならお互いに選ぼうと、今は歌恋がルミの水着を選んでいるが、ルミは顔を赤くして否定するばかりだった。


「室内だから焼ける心配もないし、大丈夫」

「だ、だって私、先輩みたいにスタイル良くないし……」


 両手で自分の胸を押さえながら、そう呟くルミ。その言葉に、顎に手を添えながら歌恋は考える。


「よし、じゃあこれかな」


 並べられた多くの水着の中から一つ手にして、そのままルミに渡し、更衣室へと背中を押す。


「え、先輩?」

「はい、着替えておいで」

「い、今ですか?」

「サイズ合わないかもだしね、ちょうど良さそうならそれね」

「で、でもこれ……」

「着替えたら呼んでね」


 ほぼ強引に言葉で押し、歌恋は更衣室のカーテンを閉め、中からルミが声をかけるまでは、更衣室近くの水着を眺めていた。


「か、歌恋先輩……」

「着た?」

「は、はい。で、でも……」


 カーテンは一向に開かず、その向こうから聞こえる慌てるルミの声。しばしカーテンの前に立っていたが、歌恋はそのまま声もかけずに、躊躇わず、カーテンを開いた。


「ふひゃ!」

「……なんだ、似合ってるじゃん。恥ずかしがることないのに」


 ルミが着ているのは、白いオフショルビキニ。ボリュームのある白いフリルに、下のビキニは花柄で可愛らしいデザイン。肩の露出はあるものの、通常のビキニに比べたらやや少なめ。


「は、恥ずかしいですよ……肩と足、すごい出てます」

「水着だから仕方ないよ。サイズはどう?」

「だ、大丈夫です」

「そう。ピンクと迷ったけど、白がよく似合ってる」


 特に狙って言ってるつもりはないが、歌恋は素直にルミを褒めちぎっていく。ルミの顔は徐々に真っ赤なリンゴのようになっていき、カーテンを勢いよく閉める。


「着替えます!」

「照れなくてもいいのに」

「もう、先輩のばか」

「着替え終わったら、次は私の選んでね」


 返事の声は帰ってこなかった。きっと照れているのだろうと思う歌恋は、じっとルミのいる更衣室のカーテンを見つめ、ゆっくりと右手を口元に持って行く。

 さっきまでの表情とは一変し、顔が赤くなり、どこか照れた様子を浮かべていた。

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