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夏の向日葵  作者: 暁紅桜
第3章_夏の恋
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9話《胃の苦しさと心の痺れ》

「うぅ……ぎもじわるい……」


 家に帰って部屋でゴロゴロしていれば、あっという間に夕方となった。母の呼ぶ声が聞こえていつも通りにリビングへと足を運んだ。その時、食卓に並べられた料理を見た瞬間に、歌恋かれんの顔は青くなり、頭を抱えながら思い出した。

 豪勢に並べられた食事は、母がよく作ってて楽しいと言っている凝ったものばかり。歌恋は母の料理は好きだ。だけど、量が量だった。


「さぁ、たくさん食べていいわよ」

「あ……う、うん……」


 満足そうに、嬉しそうな笑みを浮かべる母親に「食べられない」なんてことは、歌恋も、すでに食卓についている父も口にすることもできず、少しばかり重く暗いトーンで「いただきます」と口にして、限界を迎えるまで胃に料理を詰め込んだ。


「あぁ動いたら吐きそう……もうしばらくはおかゆで良い気がする……胃がぁ」


 ベットの上で唸り続ける歌恋。その時、ルミからメッセージが届いた。内容は明日のことで、部室に行くから付き合って欲しいというものだった。

 続けて送られてきたお願いスタンプに思わず笑みがこぼれ、歌恋は了解のスタンプを送った。


「可愛いなぁ……」


 不意にこぼれた言葉。心臓が甘く痺れ、幸福感で身体中が満たされ始める。頭がぼーっとして、まるで空気の中を漂っている感覚に襲われる。


「かれーん!早くお風呂入りなさい」


 だが、母の声が聞こえた瞬間に現実へと戻され、歌恋はゆっくりと体を起こしてベットを降りた。

 まだお腹は苦しい。だけど、それ以上に少しだけ頭がぼーっとしてしまっている。


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