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064.【文脈】(コンテクスト)という【捉え方】(第6回・完結)(2022.09.24)

 いつもご覧いただきまして、誠にありがとうございます。中村尚裕です。


 私、先日より【文脈】という【概念】で、【創作】とそれを取り巻く【環境】について【考察】を巡らせております。


 前回は、多重並列で存在する『【文脈】という【概念】』の適用範囲が、【現実世界】における物事の見方や立ち回りに限らない、というところへ【考察】を向けてみました。

 即ち、『文化的【潮流】』に限らず、『【作品】内に存在する【潮流】(人や物事を含め多重並列のもの)』という切り口でも、【文脈】という【概念】は応用し得る――ということですね。


 前回はその顕著な例として【行間】の【概念】をご紹介しましたが。

 今回は、『【文脈】という【概念】』を『【物語】の構成』に応用する――という方向へ、【考察】を巡らせてみましょう。


 ◇


 シーン一つの【描写】でさえ、このように多重並列の【文脈】を示すことができるわけです。であるからには、世界にはどれほどの【文脈】が存在しているものでしょう。【現実リアル】世界に限らず、創作上の【作品】世界においても、人や組織の動きの数だけに【文脈】の数が留まるわけはありません。人にしたって『建前と本音』、『眼先の目的と長期的な目的』などといった【文脈】を多々抱えている以上、集団や組織も例外にはなり得ません。目的や利害を共にするならそれも一つの【文脈】ですし、そういった【文脈】がすれ違うことも衝突することももちろんあるはずです。

 そしてそれら【文脈】を理解したなら、記述することもまた可能です。【ロゥ・コンテクスト】と【ハイ・コンテクスト】が併存できる以上は、複数の【文脈】を一つの【描写】に込められることもまた証明済み――ということになりますね。


 と、ここまで【理解】したなら。

 【伏線】という【概念】にも、【文脈】の【概念】は応用することが可能になります。

 よく認識されている【伏線】像は『【物語】本編内にイヴェントを配置する際、“不自然に思われないための前兆”として【伏線】を張る』というものでありましょうが。

 ここで【文脈】の【概念】を、【物語世界】に持ち込んでみて下さい。イヴェントとは『それまでの【物語】本編という【文脈】』に対し、『見えないながら併存している【文脈】』が、“接触する”瞬間や“衝突する”瞬間を指すのではないでしょうか。

 この瞬間に併存していた【文脈】は【観客】に明確に【認識】され、以後その【文脈】は『【物語】本編という【文脈】』に“合流”するわけですが。では、それまでの段階で『見えないながらも併存している【文脈】』が『なかったこと』になるでしょうか――否。

 一見して判断しづらいだけで、『【物語】本編という【文脈】』と影響を与え合っているはずです――それこそ【ハイ・コンテクスト】を使って『【行間】で【文脈】の存在を示唆する【表現】が成立する』ほどには。

 つまり、【伏線】とは『【物語】本編上に突如として出現する異質な現象』とは限らないのです。多重並列の【文脈】を示唆していくうちに、自然と成立する『【ハイ・コンテクスト】の一形態』として示すこともできる――そういうものなのです。


 要は【文脈】とは、『世界で多重並列に起こっている事象の数々に対する、【捉え方】の一形態』なのです。

 【文脈】であるからには『事象の前後関係』がその本質ですが、その連続性には方向性も意味も見出せる以上、『【潮流】と捉える【認識】』もまた成立します。であれば『事象の数々上に存在する一員』としての在り方、関わり方を【認識】しやすくする【捉え方】――とも、【文脈】は受け止め得るとも申せましょう。

 『文化的【潮流】』として【文脈】を理解するなら、それは【作者】と【作品】の立ち位置や、【提案】を介した関わり方を模索する手がかりになるでしょう。

 『世界に存在する【潮流】』として【文脈】を理解するなら、それは多重並列に存在する【潮流】とその関わり合いを【認識】する補助ともなるでしょう。

 あるいは『【物語】に存在する豊かな情報の【潮流】』として【文脈】を理解するなら、それは【物語】の奥行きや存在感を醸すための強力な武器となるでしょう。


 つまりは、【文脈】とは応用次第で可能性が大きく拡がる【概念】というわけです。

 この【概念】を利用して、可能性を拡げてはみませんか?


 よろしければまたお付き合い下さいませ。


 それでは引き続き、よろしくお願いいたします。

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