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215.【誤解】経由【理解】ゆき(第1回)(2025.07.05)

 いつもご覧いただきまして、誠にありがとうございます。中村尚裕です。


 さて私、時折このような【作者】の【願望】をお見かけします。


 ◇


・【願望】:“【誤解】の【余地】のない【表現】”を【実現】したい!


 ◇


 大抵の場合、この【願望】が目指すものは、以下のような【表現】――と私には映ります。


 ◇


・【表現】:【一言一句】、【作者】の【表現意図】と全く同じ【イメージ】を【観客】の【脳内】に【伝達】するもの


 ◇


 今回はこの【誤解】というものと、そこに絡むであろう【心理】に【考察】を巡らせて参りましょう。よろしくお付き合いのほどを。


 ◇


○【考察】:“【誤解】の【余地】のない【表現】”


 さて、ここで【確認】を。

 【願望】の【舞台】となるのは【創作】と、そこで【作者】によって生み出される【作品】です。よって【表現】とは【作品】またはその一部、そこで【作者】が伝えたいものは【表現意図】、【相手】は【観客】ということになります。


 【極論】すれば、【表現】とは【伝達】の【手段】です。たとえ『伝わらないこと』を【表現意図】として込めるとしても、『伝わらなさ』を【伝達】してこそ【表現】というものでありましょう。でなければ、【素人】の【落書き】と【差別化】ができるはずもありません。


 何が言いたいか、と申せば。


 【表現】であるからには【伝達】が【必須】です。これは【出来】に【関係】なく【存在】する【命題】です。そして【伝達】するからには、【相手】というものが【存在】します。


 一般に【創作】であれば、【相手】は【人間】です。ですが、そも【人間】とは【多様性】を持つ【生物】です。そして【多様性】があるところ、【思考】もまた【多様性】を持つものです。


 となればその【受け止め方】、さらに申せば“【不特定多数】の【観客】の【解釈】”というものに、“【多様性】のなさ”を【意味】する【完全一致】などというものは、求めようがないことになります。


 「そんなことはない! 【思考】は【完全一致】させられるはずだ!」と【主張】なさる方が、仮においでなら。


 どうぞ、【ご自身】の【思考】を隣の方に【完全一致】させてみて下さい。【言い方】を変えると【隷属】ですね。覗き見することすらできない【他人】の【思考】と【ご自身】の【思考】、「【完全一致】できない」、または「【完全一致】させたくない」「【隷属】したくない」と思った【瞬間】に、その【主張】は【破綻】します。


 そして人の【思考】は当の【本人】にしか解りません。よって仮に【制御】できるとしても、それが【可能】なのは当の【本人】ただ一人ということになります。

 ならば、【外部】から【思考】を【制御】する【表現】など、望むべくもありません。


 つまり【冒頭】に掲げた【表現】(以下に再掲)は、【事実上不可能】という【結論】になります。


 ◇


・【表現】:【一言一句】、【作者】の【表現意図】と全く同じ【イメージ】を【観客】の【脳内】に【伝達】するもの

 →【結論】:【事実上不可能】


 ◇


 すると【自動的】に、その元となる【願望】もまた【事実上不可能】と【判断】せざるを得ない――ということになります。


 ◇


・【願望】:【誤解】の【余地】のない【表現】を【実現】したい

 →【事実上不可能】


 ◇


 ここで『【事実上不可能】』と【記述】したのには、【理由】があります。

 【誤解】の【余地】をひたすら【排除】する【記述】そのものは、実は【可能】ではあるからです。ただし【後述】します通り、【小説】即ち【物語】を描く上では、およそ【非実用的】なものになります。


 例としては【定義】、動かない【事実関係】のみを言い表す【記述】ですね。

 ただし【高等数学】や【法律】で用いられるような“【厳密】な【定義】”を思い浮かべてみて下さい。


 単に【記述】するだけでも【数式】や他の【定義】が絡みますし、それら【数式】にしても【定義】にしても、“【厳密】な【理解】”の上で【正確】に【紐付け】できる【状態】でないと、“【厳密】な【定義】”は【正確】に【伝達】出来ないことになります。

 もちろん、【送り手】と【受け手】のどちらか一方でも“【厳密】な【定義】”を思い浮かべられないのなら、その時点で【伝達】は【失敗】します。


 要は、相応に【膨大】な【背景知識】を【共有】していない限り、【定義】は伝わらないのです。

 

 さらに、『【定義】された【言葉】や【概念】』の【位置付け】は【記号】に限りなく近いものです。であるからには、基本的にはその【言葉】や【概念】の内側に【創作】を込める余地はありません。むしろ『【創作】の余地があってはならない』ことになります。


 その【理由】は【単純】です。【定義】というものの【表現意図】は、そもそも『【定義】から外れる概念を【排除】すること』なのですから。


 つまり、こういうことです。


 ◇


・【気付き】:“【誤解】の【余地】のない【表現】”というものは【存在】する。ただし【創作】、特に【物語】の【表現】とは極めて【相性が悪い】


 ◇


 何のことはない、『【事実の伝達】を重んじる【記事】と、【心理的影響】を重んじる【創作物】では、【背景思想】から異なっている』のと【同様】――ということになりそうです。


 ◇


 さて、今回は一旦ここまで。


 “【誤解】の【余地】のない【表現】”というものを望む【作者】は少なくないようです。

 ですが【観客】も【作者】も【人間】で、【人間】であるからには【多様性】を持ちます。しかも【他人】の【思考】は覗けません。となれば【作者】と【不特定多数】の【観客】の間で【思考】を【完全一致】させるなど、【事実上不可能】です。


 もちろん【定義】を【共有】することは【可能】ですが、これは【高等数学】や【法律】並の【ハードル】を越えてのことです。相応に【膨大】な【背景情報】を【共有】し、しかも【事実】のみを扱います。

 【表現】としては【記事】に近く、従って【創作】、特に【物語】とは極めて【相性】が悪いということになりそうですね。


 次回は「【誤解】されたくない」という【心理】、その【背景】に【考察】を巡らせてみましょう。


 よろしければまたお付き合い下さいませ。


 それでは引き続き、よろしくお願いいたします。

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コピー、ダビングしたものが オリジナルと同一と見なして良いのか? 難しい問題かな ┐(´д`)┌
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