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171.【程度問題】、その【裏表】(第5回)(2024.08.10)

 いつもご覧いただきまして、誠にありがとうございます。中村尚裕です。


 私、このところ【程度問題】について考えております。


 【程度問題】を【考察】する上で、【実例】を【観察】してみますと、その【捉え方】にも【見当】がついてきます。


 例えば『【説明】と【描写】』の【性質】から。

 【程度問題】を『互いに【対立】する【要素】を【切り替え】て【採用】する、その【境界】の【設定基準】(=【程度】)を巡る【命題】(=【問題】)』と捉えてみます。


 ここで、【程度問題】を『【要素】の【対立】を巡るもの』と捉えた上で、では“【対立】の【深刻さ】”、あるいは“【共存】の難しさ”に眼を向けてみますと。


 こと【小説】においてよく【議論】の種になります『【説明】と【描写】』を【実例】としてみるなら、際立つ【対立】は『【直接表現】と【間接表現】』、『【観客】の【心理傾向】(【敬遠】と【歓迎】)』と映ります。

 ただここで“【小説】という【物語】”に限っては、『【間接表現】には“【観客】が【受け入れやすい形】”という【コンセプト】が込められている』ことが見えてきます。


 つまりここで【着目】すべきは【形式】ではなく、それより『【観客】に【歓迎】されやすい、【受け入れられやすい】よう【寄り添う姿勢】の【有無】』では――というわけですね。


 【程度問題】の【対象】として語られる【対立】の中に【観客】の【心理】が覗くからには、つまり【程度問題】を【作者】が【観客】に向き合う【姿勢】の【問題】として扱わないわけにはいかない、ということです。


 そう考える時、【作者】が【程度問題】を云々する【作品】を、【観客】へはどのように【紹介】(【自己申告】)しているのか、その【看板】に掲げている内容は何か、という点を見逃すわけにはいきません。この場合は【小説】、言い方を変えると【物語】です。

 そして【作者】の【姿勢】は【看板】(=【約束】)の内容『【作品】=【小説】という【物語】』とその扱い方を、【一貫】するのか【掌返し】を示すのか、そこに現れます。

 この【姿勢】を観る時、実はもう一つの【評価軸】が浮かび上がってきます。


 この【評価軸】についてお話ししますと。


 『“【小説】という【物語】”としての【看板】を守るか否か』は“【正直さ】の【評価軸】”の上にあります。

 ですがもう一つ、『【姿勢】を【一貫する】か、【切り替え】て【掌を返す】か』という“【誠実さ】の【評価軸】”が【存在】するわけです。


 『一見して【正直】でも、【自分】の【都合次第】で【掌を返し】て【嘘】をつく』となったら、『いつ【裏切る】か解らない【不誠実】』ということになりますね。

 この【場合】、【正直】なのか【嘘】なのか、あるいはいつ【掌を返す】かは、【観客】からは【判別】できないわけです。


 であるからには『【掌返し】始め【不誠実】には、一切の【論理的正当性】は宿らない』ことになります。【掌返し】を【前提】とする【程度問題】も【同様】です。


 そこで今回は、【程度問題】以外の【考え方】について【考察】してみましょう。


 ◇


○【姿勢】:“【不誠実】な【姿勢】”との【対立】


 さて、『【観客】の【理解】を得たいなら、“【程度問題】以外の【考え方】”を【採用】するしかない』と【判断】したからには。『では、どのような【考え方】が相応しいのか?』という【疑問】に向き合わなければなりません。


 そこで改めて、私なりに“【観客】から【理解】を得る【考え方】”を【考察】してみましょう。


 ここまでの【考察】で【重要】と私が【認識】するのは、“互いに【対立】する【要素】”の【存在】です。


 一つには、“互いに【対立】する【要素】”を一つところへ【配置】するから【問題】になる――という【捉え方】ができます。【看板】(≒【約束】)に対する『【事実】と【嘘】』、『【誠実】と【不誠実】』、いずれも混ぜてしまうと【即座】に【不誠実】となってしまうわけですから。


 一つには、『【自分】の【都合】で【姿勢】を【切り替える】【掌返し】』という【不誠実】が、そもそも“【誠実さ】の【評価軸】”では【問題】になる側にある――という【捉え方】もできます。このとき、“【誠実さ】の【評価軸】”で【不誠実】と【対立関係】にあるものは【誠実】です。


 ならば【方向性】としては、望ましいのはこういうことになります。

 『【作者】として“互いに【対立】する【要素】”を【棲み分け】させ、なおかつ【誠実】な【姿勢】を保つこと』ができればいい――と。


 この辺りの【解説】を。


 まず“【正直さ】の【評価軸】”について。

 【看板】を含め、【約束】を掲げているならば、【作者】としては【約束】を【守る】【姿勢】を【徹底】すればいい――ということになります。つまり【程度問題】などと【欲】をかかず、『“互いに【対立】する【要素】”のうち、【嘘】になるものは【徹底】して排する』という【姿勢】が【必須】ということです。


 次に“【誠実さ】の【評価軸】”について。

 【誠実】を【実現】する上で【必須】の【姿勢】は、【論理】と【一貫性】です。少なくとも【約束】の【内容】に関わる限りは【論理】一辺倒、【非論理】の割り込む余地はありません。つまり『【約束】を【守る】』以外の【選択肢】は【ない】ことになります。

 また【一貫性】という【観点】から見て、『【約束】を【守る】』ことに【例外】はありません。【一貫性】を損ねることは【誠実さ】を損ねることですから。


 つまり例えば、【作者】が“【小説】という【物語】”を【看板】つまり【約束】として掲げるなら、その【表現】は【一貫】して【物語】でなければならないわけです。

 【作者】が【物語でないもの】を【提示】したなら、それは【観客】から見れば『【作者】が【約束を反故にした】』ことになります。そして【判断基準】は【観客】の【個性】に基づく【価値観】です。【決め打ち】は【不可能】、【程度問題】などという【妥協点】は【実質】のところ【存在】しません。


 ◇


 さて、今回は一旦ここまで。


 【程度問題】の【大前提】が【掌返し】、しかも【掌返し】が【不誠実】と【判明】したからには、もはや他の手を考えるのは【必須】です。


 ここで【程度問題】が抱える【問題】の【根本】は、『“互いに【対立】する【要素】”を一つところへ【配置】すること』です。

 ならば“互いに【対立】する【要素】”を【隔離】、つまり【棲み分け】こそが【解決策】ということになります。「【程度】で【切り替え】しよう」などと欲をかくのは【不誠実】ですから。


 と、【解決策】が厳しい話になるのは致し方ありません。

 ただ【考え方】の点で、私としては【指摘】しておきたい【方向性】があります。

 次回はこの【方向性】についてお話ししましょう。


 よろしければまたお付き合い下さいませ。


 それでは引き続き、よろしくお願いいたします。

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