4話
連れて行かれたのは白い建物だった。
中には私達以外も何人か少年少女がいて。
腕には注射痕があって、そして誰も話さない。
もっくんはここに来てから顔色が悪い。
ここにつれてこられて二日目。食事など最低限の生活はできるが外には出られない。窓もない。そして、食後には毎回何かを注射される。それが一体なんなのか私にはわからない。もっくんに聞いても険しい顔をするだけだ。顔色が悪い。
あぁでも、私も負けず劣らずの顔色の悪さなんだろう。ここにきてから体調が優れない。食欲もない。
なんだか怖くなって、部屋の隅でもっくんと手を繋いで座り込んでいたら部屋の扉が勢い良く開かれた。
「あぁ! 本当だ! 赤毛の子と白髪の子がいる!」
中に入ってきた男は私ともっくんを見て喜色を表した。そして、それと同時に私の手を握るもっくんの手に力が入った。
「って、君はもしかして26番じゃない!? あぁ、久しぶりだねぇ! すっかり大きくなって! また会えるなんて夢みたいだよ!」
ズカズカと大股でやってきた男はもっくんをなめ回すように見て、嬉しそうに笑う。誰だこいつ。変態か? ショタコン? YesロリショタNOタッチという言葉を知らんのかこいつは。知るわけがなかったわごめん。
「隣の子は26番の友達かな? 白髪かぁ! 素晴らしい!!」
連れ去られるときにウイッグは取られてしまったから、地の色の髪を撫でられる。あぁ、気持ち悪い。触るな。
「次は君たち二人にしよう!!!」
周りの子がどこかホッとした表情を浮かべた。
ロンドと呼ばれた男に連れられて廊下を歩く。男は止まることなく喋り続ける。
「私達はねぇ、この国で言う希少種を作りたいんだよ! だってあの力があれば何でもできるもの。そのためにも君たちに協力してもらわないとね」
「26番は前いたところで一番良い結果を出してくれたんだよ。なのに軍の奴らに介入されちゃってねぇ。あぁでもまた会えるなんて」
「知ってるかい? 希少種は他の国では神や天使、悪魔と言われているんだよ」
「それを作れたら、ボクは神や悪魔の生みの親になれるんだ」
狂ってるなぁ。




