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私の兄は。  作者: 棚田もち
エピローグ
34/34

蛇足

本日七話目です。


一章四話目の「私はヤマダ」関連の話になりますので、読まなくても問題ありません。

むしろこの話に問題があるかもしれません……。

ソレはただそこに存在していた。


生まれる星々を眺めながら、気が向いたときには生き物たちにほんの少し手を出す。

すると純粋な歓喜や絶望を感じることができる。


時には次元を超え、またそこでしばらく過ごす。そうやって永い刻を漂っていた。


ある時、久しぶりに通りかかった星が大きく変貌している事に気が付いた。

星を覆うほどに繁殖し、文明を築いている生き物がいる。


興味を惹かれ少し覗いてみると、膨大な情報が流れ込んできた。


永い刻の中で、これほど複雑な思考を持った生き物はいなかった。

翻弄されつつも少しずつ得られる情報を整理していく。

次第にそれにも慣れていく。


生き物たちの感情や言語、文化を学び、楽しいという感情を知った。

言語による思考の制限も面白い。


自分もそこに混ざってみたい——。


しかし余りにも強大な存在であるソレは、星に降りることができない。


諦めずに情報を得ていると、人間と称する生き物たちが遊ぶゲームという物を知った。


その空間で擬似的な生き方を楽しむようだ。


これならば、ソレにも干渉出来る。


早速、自分の知った人間の知識を試そう。


そうしてできたゲームは、余り人間に受け入れられなかった。


何が悪かったのか。


ソレは答え合わせをする事にした。


己の力を使い、ゲームに似た箱庭のような世界を作り出す。

そこにゲームをした人間の魂を、ゲームの登場人物と同じような環境において、行動・思考の流れを見るのだ。


その結果————



『全く動きが違ったな』


『まさに』


『今なら分かる』


『あのゲームはつまらなかった』


『寧ろ』


『やる奴がいた事が不思議』


『だな』


『だな』


『だな』


『しかし学んだ事は多かった』


『そう』


『次こそ』


『次こそは』


『人気の出るゲームを作ろう』


『やはりRPGが良いのではないか』


『落ちゲーの新たな可能性の模索というのも』


『捨てがたい』


『出来たらまた答え合わせをしよう』


『そうしよう』



目的が逸れても、楽しめれば良いのだ。


こうしてまた、新たな世界が生まれる。


それはいずれ他の世界と同じ様に、大きく、確かな存在に育って行くのだろう。



ソレの気紛れで壊されるその日まで————






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