迷宮人情余話
「迷宮人情余話」に登場した、「赤」の踏破を目指す五人組を紹介する。
リーダーはカッカー・パンラ。
同行していたのは、剣士マリート、女戦士ピエルナ、スカウトのヴァージ、魔術師のニーロの四人。
彼らは「赤」の二十七層にたどり着いたが、最下層にいるはずの魔竜に遭遇し、戦いになった。
〇ニーロ
魔術師の少年。カッカーの仲間だった魔術師ラーデンに拾われ、育てられた。
言葉遣いは丁寧だが表情は乏しく、あまり感情を表に出さない。
なので周囲からは人間味に欠ける人物だと思われている。
物語当時は推定十三歳。迷宮都市に来て三年目で、カッカーの屋敷で世話になっている。
若いどころか幼いと思われる年齢であることは理解していて、体力がないなどの欠点も自覚しているが、魔術師としては既にかなりの実力を備えている。
仲間たちとの関係性はこんな感じ。
→カッカー
口喧しいが衣食住すべてにおいて世話になっており感謝している。
探索者としても尊敬している。
→ピエルナ
なにかにつけて口を出してくるので鬱陶しい。
悪気がないのはわかっている。もう少し腕が上がればありがたいのだが。
→ヴァージ
並ぶ者のない素晴らしい腕前のスカウト。
男性から憧れの目で見られているのはわかる。
ヴァージのような顔立ちの女性が美人だと学んだ。
→マリート
なぜか敵の弱点を看破する目を持っており、探索での役立つ特技が多い。
探索の仲間としては最上の一人だが、変な口出しが多いので困る。やめてほしい。
〇カッカー・パンラ
五人組のリーダー。樹木の神殿に仕える神官で、神官長を務めている。
物語当時の年齢は四十一歳、独身。
二十年続けて来た探索者生活に終止符を打つため、「赤」の初踏破者を目指して最も良いメンバーを集め挑んでいた。
じわじわと進み続けていたが失敗し、「迷宮人情余話」ではまず死体の状態で登場している。
右足に深い傷を負い、生き返ったものの後遺症が残ったようだ。
「翠の峻険亭」という店の酒がお気に入りだそうだが、他の店でも同じものは売っている。
ちなみにカッカーの初踏破から一年後に店は畳まれていて、「12 Gates City」の作中には登場しない。
仲間たちとの関係性はこんな感じ。
→ニーロ
まだ幼いのにラーデンの悪い癖がそのままコピーされていて将来が心配だ。
探索者以外の仕事には向いてなさそうなので、社交性をあげてやりたい。
→ピエルナ
あんなところで泣いていた娘が、いつの間にやら逞しくなった。
そろそろ探索者は引退して、いい相手が見つかればいいのだが。
→ヴァージ
探索でこれほど活躍できるとは思っていなかった。
言い寄ってくる者が山のようにいるが、妙な男に引っかかって欲しくない。
そろそろ嫁入りしないと本格的にいき遅れてしまいそうで心配だ。
→マリート
これ以上ない特技をたくさん持っているが、何度か死を迎えているので心配している。 最近はピエルナとニーロが仲良くしてくれているようで嬉しい。
〇ピエルナ
数少ない女性探索者で、戦士として前衛を引き受けている。
婚約者に逃げられて落ち込んでいるところをカッカーに助けられ、屋敷の手伝いなどをしていた。
我流で剣を使っており、戦闘力としてはそこそこレベル。
だが、明るい性格と「死んだことがない」経歴を買われて、パーティーの一員に選ばれた。
田舎出身の素朴な娘。一見派手に見えるヴァージを軽薄な女だと思っていた。
物語当時の年齢は十八歳。
仲間たちとの関係性はこんな感じ。
→カッカー
あそこで出会ったのは多分運命だったのだろう。
本当に親切で頼りになる素晴らしい人。いつか恩を返す。
→ニーロ
なにを考えているのかよくわからない。魔術を使えるのはすごい。
まだ小さいのに態度が良くないので、いろいろ教えてやらなければ。
→ヴァージ
自分とは正反対の女。腕はいいし、美人だとは思う。
いろんな男に思わせぶりな態度をとっているのは気に入らない。
→マリート
なにを考えているのかよくわからない。
顔は悪くないのに。もっと打ち解けられたらいいんだけど。
〇ヴァージ
数少ない女性探索者で、才能あふれるスカウト。地図の作成を得意としている。
盗みをして暮らしていたが捕まり、カッカーが身柄を引き受けて、後に探索者になった。
物語当時の年齢は二十三歳。スタイル抜群の美女で、大勢の男に言い寄られていた。
仲間たちとの関係性はこんな感じ。
→カッカー
命の恩人。最低の暮らしをしていた自分を救ってくれた。
この恩は一生をかけて返す。恩人以上の気持ちを抱いている。
→ニーロ
まだ若いのに恐ろしいほどの才能を持っている。
ぶっきらぼうだが嘘がなく、子供だが信頼できると思える。
→ピエルナ
まっすぐで人懐っこい。可愛い女の子。
自分とは合わないのだろうが、仲間としてはうまくやっていきたい。
→マリート
どうしてあんなに他人を警戒するのかよくわからない。
腕はいいし、迷宮の中では頼りになる。もう少し心を開いてくれたらいいのに。
〇マリート
敵の弱点を見抜く特別な目を持った剣士。かなりのコミュ障で、人によって態度を大きく変える。
子供の頃キーレイと出会って迷宮都市について知り、やって来たという経緯があるが、物語内では語られない。
「迷宮人情余話」では死んでいる以外に描写がなくて、扱いが悪い。
「セーセリットの尾」を幸運のお守りとして持っていたが、不要品としてニーロに始末されている。このことを永らく根に持っていたようだ。
物語当時の年齢は二十五歳。
仲間たちとの関係性はこんな感じ。
→カッカー
助けてくれた大恩人。キーレイの師匠でもあるので、尊敬はある。
口うるさいのは少し困っている。気にかけてくれるのは嬉しい。
→ニーロ
まだ小さいし家族もいない。面倒を見て必ず幸せにしてやるつもり。
髪は長くなる前に切って、まっすぐに寝るよう矯正したい。
→ピエルナ
口うるさくて苦手だが、気にかけて話しかけてくれているのだろう。
悪い女ではない。なにかあった時は助けるつもり。
→ヴァージ
今まで見た中で一番の美人。探索者としてもかなり頼れる。
話してみると気さくだし、性格も悪くない。ずっと仲間でいたい。
生き残ったニーロとピエルナは倒れた三人の仲間と、歪な魔竜のうろこを持ち帰った。
五人はその後改めて挑戦をし、「赤」の初の踏破者になる。
「12 Gates City」までの三年間の間にカッカーとヴァージが結婚し、ニーロとマリートは独立。
ピエルナは行方がわからなくなり、ニーロとヴァージが捜索を続けている。




