X6_You are so Sincere
第二十四話「You are so Sincere」。サブタイトルは「迷宮都市の小さな邂逅」。
魔術師の屋敷で不本意ながらも暮らしているシュヴァルの様子を見に行くウィルフレドから話は始まる。
若者に好まれそうな食べ物と、文字を学ぶための本を差し入れられ、少年は寂しげな様子を見せる。
そんなウィルフレドの散歩の帰り道を見ていたのは少女マティルデで、魔術師の屋敷を訪れようと街の中央を歩いていたようだ。
ここのところ迷いやすくなった怪しげな街角で同居人たちとはぐれて、西側に一人で放り出されてしまう。
― 迷宮都市豆知識 ―
□魔術師街の迷い道
物語が始まった頃はなんともなかった中央部の道だが、何故だか迷い、不本意な場所に放り出されるという摩訶不思議な現象が起きているらしい。
謎の効果は日々強くなっており、よほど慣れた者か、魔術師側に用があり「招きたい」と思ってもらえなければ目的地に辿り着けなくなっているようだ。
□テイバンおじさんに似ているから
街の西側は「緑」に挑む探索者や薬草採集の業者でごった返しており、入口近くに放り出されたマティルデは身動きが取れなくなってしまう。
樽の影に隠れていた少女に気付いたのはギアノ・グリアドで、故郷で世話になった親切なテイバンおじさんそっくりな青年をマティルデはきっといい人だろうと感じて親切を受ける。
□食堂を訪れるニーロ
マティルデがコルディの青空を訪れている間に、ニーロが客としてやってきて魚料理を頼む。
普段はまともに飯も食わないと言われ続けるニーロにしては珍しいことだが、ギアノたちはもちろんそんなことは知らない。
能力強化の効果がある食事を珍しく思っての訪問でもあり、無彩の魔術師が訪れたことで薬効料理は評判を呼んだようだ。
□親切なギアノ
動けずに困っていた少女に手を差し伸べ、食事を提供し、家まで送り、更には夕食まで用意してくれるというあまりにも親切な男に、マティルデは更なる頼みごとをする。
図々しいと思って当たり前の展開だが、ギアノもこの頼みを受け入れる。
天真爛漫なマティルデの振る舞いには嫌みがなく、なんとなく聞き入れてしまったようだ。
□お礼行脚
コルディの青空での仕事を終えて、ギアノはマティルデを迎えに行き、樹木の神殿へと連れていく。
命の恩人であるティーオへ礼をしなければならない理由を聞き、ギアノは驚く。
当のマティルデはぞろぞろとやってきたティーオたちに恐れをなして、まともにお礼を言うこともできない。
フェリクスにはギアノから礼が告げられ、マージの蛮行についてウィルフレドへの謝罪も代行している。
□これからの暮らし
気力が尽きたマティルデを救うため、ギアノは神殿の隣にあるカッカーの屋敷へ足を踏み入れる。
食事を作り、リーチェへ優しく接し、若者たちとはあっという間に打ち解けてコルフへ協力を仰ぎ、マティルデへ今後について考えるよう諭す。
一方で、自身もまた出直さなければならない身だと打ち明ける。
いつか共に探索をしようと誓ったベリオたちが帰らなかったことを深く悲しみ、新たな目標を見つけるために歩み出さなければと考えているようだ。
□殴って欲しい
マティルデは自分を裏切った幼馴染について打ち明けるが、ギアノならきっと親切にしてしまうだろうと考える。
けれどそっと呟いた思いは届いて、マッデンと遭遇したギアノは願いを叶えてくれたようだ。
「緑」でとんだ目に遭って以来の再会を果たし、マティルデとマッデンの仲は決裂する。
□勘違いしちゃいそう
男性に恐怖を感じているマティルデにとって、ギアノは特別な一人になったようで、好意を隠さずに伝える。
一方で女性からまっすぐに好意を向けられたことのないギアノは、照れて困り果ててしまう。
□カッカーの屋敷へ
マッデンを殴ったギアノはその場にいた探索初心者たちに敬遠されてしまったが、その際に「青」帰りのニーロとウィルフレドと出会い、カッカーの屋敷の管理の仕事をしてみないか誘われる。
ニーロはコルディの青空での様子を見ており、ウィルフレドは神殿へマティルデを連れて来た後についてティーオたちから聞かされて、管理の仕事を任せるのにふさわしい若者だと考えたようだ。
喧嘩をした者はしばらく探索の仲間を見つけられない、という話をもとに、ギアノはこの提案を受け入れる。
マティルデへ報告を済ませると、ギアノは新たな職場になったカッカーの屋敷へと向かった。




