05_LAWFUL-Party 〈善なるひとびと〉
第七話「LAWFUL-Party」 サブタイトルは「善なるひとびと」。
「緑」の迷宮で助けた少女をなんとか救おうと張り切るティーオのエピソード。
神官に癒してもらうためには金がかかるとわかり、金策のために建設現場へ赴いた少年は、とある探索者の集団に出会うのだが……。
〇 ドレーン&ドニオン兄弟
大人数で探索をしている集団のリーダー。
ドレーンは顔に傷のある戦士で、ドニオンは皿の神に仕える神官。
大勢で助け合いながら迷宮に挑めば安全だと考え、見捨てられる者がいなくなるよう救助活動をしているらしいが、実際にどのくらいの探索者を助けてきたのかは不明。
稼ぎはすべてひとつにまとめて、ドニオンに「脱出の魔術」習得をさせる資金にする計画を立てている。
安い貸家に大勢で暮らしており、一度仲間に組み込まれてしまうと抜け出すのは難しいだろう。
〇 ユレー・クルドン
ドレーンたちの仲間の一人で、紅一点。見た目は地味で、剣を扱う。
この話では台詞もないのだが、後のエピソードに再登場する。
― 迷宮都市豆知識 ―
□カッカーのオマケ
迷宮で助けた女の子に癒しをかけてほしいと頼んだ時、ティーオがキーレイをこう思っていたことがわかる。
キーレイは既に神官長になることが決まっているのだが、神殿へ顔を出す習慣のないティーオはもちろん知らない。
体が大きいから力も強そう程度にしか思っておらず、後にカミルとコルフにぼやいて注意されることになる。
□神官の闇バイト
迷宮都市で神官に癒してもらえるのは迷宮で受けた傷だけ、という決まりがあり、神官たちはこのルールを守らねばならない。
だが、建設現場のような怪我人の多いところでは癒しを求める者が多いし、財政状況の悪い神殿もあるので、こんなアルバイトも時には行われているようだ。
□術符の適正価格
店での買い取りの基準は十万シュレール。いつの頃からか迷宮都市の住人にはそう認識されている。
市場に出回る術符の数は多くなく、特に少なくなった時には十二万シュレールで引き取られることもあるそうだ。
ちなみに買う時には、最低でも十三万は払うつもりでいなければならない。
一シュレールは日本円で大体百円くらいのイメージで。
□おまじないの炭
術符と引き換えにティーオが渡されたものの中に、魔法生物が侵入できなくなる線を描ける炭がある。
ニーロが気まぐれに作ったもので、彼自身も同じ道具はもう持っていない。
□現金の重み
ニーロが一万シュレール分の現金を用意する時に、「金は重たい」と言及している。
金貨は一枚百シュレールであり、迷宮都市で暮らす初心者が使う機会はほとんどないし、ニーロ自身も金貨だけでは不便だと考えているようだ。
※金貨には種類があり、もっと高額のものも存在しているが、庶民が大金貨にお目にかかることは滅多にない※
細かい硬貨の詰まった袋は重たく、ティーオは大変な思いをしながら現金を持ち帰っている。
□カッカーの屋敷の食事のルール
屋敷に滞在している初心者たちは、基本的に食事は自分で用意するよう決められている。
だが、集団で暮らしている間に追加のルールが出来て、余裕のある者は少しだけ多く用意し、なにも得られなかったり、疲れ果てている者にわけてやるようになっていった。
この食事のルールを無視して他人に頼りっぱなしになると、カッカーから呼び出され、注意をされる。
あまりにもいうことを聞かない者は追い出され、屋敷のありがたみを痛感する仕組みになっている。




