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ここは人類最前線7 ~魔性争乱~  作者: 小林晴幸
武闘大会本選・団体戦の部
87/122

85.【武闘大会本選:団体戦の部】無自覚なセクハラ注意報

 勇者様、安定の不憫。

 色々な意味で、不憫。






 勇者様の顔面は、真っ赤に染まりました。(トマトで)

 どろどろになり、えぐい匂いを放ちながら滴るしずく。(※トマト)

 一通り色々な物を投げつけられた勇者様は、まずは無言で顔面の赤い液体(トマト)を拭い取りました。

 シースルー素材で仕上げられていた勇者様の袖が、真っ赤に染まります。(トマトで)

 その粗野な仕草は、常の勇者様からは考えられません。

 かなりお行儀のよろしい彼は、常にハンカチと手拭を携帯しています。

 いつもだったらハンカチなり手拭なりで拭うところですが……

 腕を通した袖でそのまま拭く、乱暴な仕草。

 そこに勇者様の今のお気持ちが込められているような気がしてなりません。(トマト)

 勇者様は、胡乱な眼差しで仰いました。

「これで、満足か?」

 彼の、そんな言葉に。

 いつもとは勇者様の雰囲気が違うことに気付き、私達は投擲の手を止め。

 せっちゃんがにこっと笑顔で言いました。

「おかわりですのー!」

「『満腹(そっち)』じゃない、『満足』だ!」

 何やら堪りかねたご様子で。

 勇者様が頭に付けていたカンガルー耳を外すと、ばしっと足下に叩きつけました。

 わあ、やつあたり☆

 これもまた、勇者様には珍しい光景かもしれません。

 でもその後、床に叩き付けた耳をちゃんと回収して懐にしまう辺りは「勇者様だなぁ」と思いました。

 勇者様はごみのポイ捨てをしない、環境に優しい勇者様です。

「………………本当に、いい加減にしろ」

 でも、そんな勇者様でも。

 抗議やツッコミを入れはしても、怒りから激昂するという印象がどうにもない温厚な勇者様でも。

 どうやら時には怒ることもあるようです。

 勇者様のお身体を、可視化しそうな勢いで怒りの赤いオーラが覆っています。

 勇者様も怒れるんですね、知りませんでした!

 むぅちゃんも意外だ、という顔を隠すことなく応じます。

「こっちにとって『絶妙の好い加減』だけど?」

「わざと意味を違えて取るな……!って、その手に何を持ってるんだ!?」

「消毒用アルコールで作った火炎瓶(※魔力を帯びた特別製)」

「加減を考えろ、君達は!!」

「考えてるよ」

「考えてるわよ?」

「対☆勇者様専用の塩梅をちゃんと考えているつもりですが」

「せっちゃん、お風呂は42度くらいが良いですのー!」

「俺は……主達の、命令に従うしか出来ない男だ。言われたことに添うだけだ」

「考えていてアレか!? あと、一人意味が違う!」

 お風呂遊び用のアヒルさんを高々と掲げて、せっちゃんは乗り気です。

 気が早いことに、ガスマスクの上から頭上に手拭を乗せています。

「リャン姉様、この試合が終わったら一緒に温泉に行きましょうですの!」

「あら、良いわね。私も一緒しちゃって良いかしら? 新しい配合で作ったマッサージオイルがあるから、合間に疲れを揉み解しちゃいましょうよ。勿論、今後のデータとして使用感は記録させてね?」

「しっかり疲れを取っておかないと、明日は筋肉痛になりそうだね。メディレーナ、僕にもオイル分けてくれる?」

「良いけど……一人で揉み解すの? 大変じゃないかしら」

「そこはモモにやらせる」

「は……」

「それ……良いわね。モモ? 私にも後でやってくれないかしら。貴方、器用そうだし、力強そうだし。マッサージも得意そうだわ」

「……」

「湯上りの時で良いかしら。服を着る前に背中とかお願いして良い?」

「…………」

「あはは、めぇちゃんったら! モモさん困ってるよ? なんだか私、思いっきり救いを求める目で見られているんだけど……」

「リャン姉様、リャン姉様! せっちゃん、頑張って姉様の肩をトントンしますのー!」

「せっちゃん……手加減、よろしくね? せっちゃんがちょっと力を込めただけで私の肩が陥没しちゃうから」

「はいですの! せっちゃんにお任せですの~」

 わぁ、温泉なんて久しぶりですね~♪

 今日の試合が終わったら、しっかり疲れを取って、まったり。

 そして湯上りにはイチゴ牛乳……うん、良いかもしれません!

「折角だから、温泉は魔境名湯五百四十選から選びましょうか。私まだ全部行ったことないんですよ。ね、勇者さ……ま………………あ」

「………………」

 うっかり、お風呂の話題になって。

 うっかり、温泉の話題になって。

 うっかり、時と場合と状況と、そして『存在』を忘れ果てて。

 うっかり、お話が盛り上がっていた訳ですが。

 何の気なしに視線をやった、そちらでは。


 勇者様、絶賛 放 置 プ レ イ 中 。


 わなわなと小刻みに震える肩が、哀れを誘いました。

 でも歓談中だからと油断と隙を突いて女子供に襲いかかることが出来なかったんですね、勇者様は紳士だから。

 私達が楽しそうにしていたから、勇者様もついうっかり遠慮しちゃったんですね。

 その気遣い屋さんなところが、勇者様の貧乏籤の引きっぷりを助長させている気が無きにしも非ず、ですが。

 『試合』という正々堂々さが望まれる、現場にて。

 勇者様には不意打ちアタック☆に走れる非情さはなく。

 それでついうっかり、私達を待ってくれちゃっていた勇者様。

 あの……抗議くらい、してくれても良かったんですよ?

 多分私達が勢いよく立て板に水と話していたので、声をかける切欠が掴めずにいたんでしょうけれど。

「ゆ、勇者様―……」

 私は勇者様に恐る恐ると声をかけました。

 流石に、気まずい思いがします。

 私も配慮が足りませんでした……勇者様の、お友達なのに。

 これじゃ、お友達として駄目駄目ですよね。

「勇者様、その……」

「…………なんだ、もう話は良いのか」

 勇者様のお声が、とっても固いです。

 どことなく意固地になっている気配もします。

 そんな彼の強張りを解すべく、私はなるべく明るい口調で続けました。

「勇者様のご意見も伺わず、さっさかお話を進めちゃって済みません! ちゃんと勇者様の希望も聞きますからね? それでどんな効能のある温泉が良いですか? ちなみに私の今の季節のお勧めはズバリ炭酸泉です☆」

「ここにきて更に温泉の話題を引張るのか?!」

 あ、勇者様の目が白黒と……!

 顔が盛大に引き攣っておいでですが、最早見慣れた表情(かお)です。

 勇者様はむぅっとしたお顔で、十歳くらい若かったら頬を膨らませていそうな雰囲気です。

 そのまま苛々と忙しなく手指を動かしながら、私達をキッと睨みつけてきました。

「リアンカ、皆、君達は……俺が怒らないとでも思っているのか!?」

「え、勇者さんって怒るの?」

 おっと、めぇちゃんから正直な感想が飛び出ました!

 さりげなく、モモさんもこくこくと頷いているような……

 勇者様は先程からさり気無く苛立っていたように思えるのですが、二人からすると『怒り』の段階(レベル)には達していなかった模様。

 むしろアレで怒っていたのか、と。

 とっても意外そうな顔をしています。

 モモさんが、ぼそりと言いました。

「…………むしろ、この半年。見ている限りで他にも怒って良い場面は多くあったような気が……アレで怒らないのに、今になって勘気に触れたのか……?」

 モモさんは勇者様の一体何を思い出しているのでしょうね?

 勇者様のお故郷(クニ)から魔境に至るまで、約半年間を共に旅する間……モモさんも色々見てきて、察するものがあったのでしょう。

 実際の光景として、その目で見てきた筈ですから。

 主にまぁちゃんの横暴とか、駄竜の嘲弄とか?

 私も時々無茶ぶりしちゃいましたしね!

 私達の旅路は、勇者様の苦労の上に成り立っていた気がしなくもありません。

 その、我慢強くも寛大な勇者様がお怒りです。

「君達は俺を怒ることのない聖人君子だとでも思っているのか!」

「はい」

「即答で肯定するな! 俺は別に聖人君子じゃない!!」

「え?」

「……待て。何でそこで怪訝な顔をする」

「え、だって限りなく近しいナニかですよね?」

「君達は俺のことをなんだと思ってるんだ!?」

「いやいや、ほら、勇者様? よくよく考えてみて下さい」

 私達は残念なものを見る眼差しを一斉に注ぎながら(精神攻撃)、勇者様に諭すような声を掛けまくりました。

「先ず、勇者様? 勇者様ほど手厚くって強い神の加護を、それも複数与えられている方って、勇者様以外には神話の英雄くらいしかいないような気がするんですが」

「…………………………半分は呪いじゃないか?」

「効能が酷いことになっていても加護は加護よね?」

「ほらほら、神の恩恵をこんなに受けまくってるんですよ? その背中が証拠と言えますよね!」

「この時点で、少なくとも『聖人』の部分は該当してるよね」

「ええ、『聖人』はクリアです。……で、『君子』の方ですが」

「勇者さん、自分をちょっと思い出してみようか」

「…………」

「『君子』……つまりは、学識と人格に優れた立派な人ってことですが……確か、単純に身分の高い『偉い人』って意味ありましたよね?」

「勇者さんっていずれ、人間の国々の盟主国を継ぐんでしょ。次期国王だよね。……ほら、『君子』もクリアしてるじゃないか」

「よって、勇者様は間違いなく『聖人君子』そのものです。人格からしてこの言葉を体現していると言えるでしょう!」

「おめでとう、『聖人君子』!」

「おめでとう、『聖人君子』!」

「やったね、公的に認められたよ。『聖人君子』さん」

「……~だ、だから、精神攻撃は止めろー!」

 あれ、勇者様が爆発しました。

 あの顔が赤くなっている原因は、照れでしょうか。怒りでしょうか。

 せっかく皆で褒め称えているのに、納得いきません。

 私達いま、これ以上なく持ち上げていましたよね?

「た、ただでさえハテノ村の薬師が揃うと普段から手に負えないのに……なんだ、この集中砲火!」

「「「だって試合ですから」」」

「そうだったな、畜生!!」

 こうなったら、速攻で試合を終わらせる。

 勇者様がもごもごとそう言っているのが辛うじて聞こえました。

 このままじゃ身が持たないそうですが……勇者様なら楽勝ですよね?

 勇者様は自分の能力を見縊っている気がします。

 大丈夫、勇者様ならやれる……!

 私達は、そう期待していた訳ですが。


勇者様

  たたかう

  まほう

→ にげる

  アイテム


「審判! 俺の負けで良い、俺は棄k……っ」

「おっとそうはさせないよ」

「油断も隙もないわねぇ」


 ざんねん! ゆうしゃさま は にげられない!  


 油断も隙もないです、本当に!

 いま、勇者様……審判に向かって「棄権」を叫ぼうとしましたよ!?

 咄嗟にむぅちゃんが手に持っていた火炎瓶を投げつけました。

 焦っていたのか、着火し忘れです。

 だけど瓶が「ご……っ」と重い音を立てて勇者様の即頭部に命中しました。

 足下に衝撃が伝ったのか、若干足下がふらついた隙に。

 めぇちゃんに何かを託され、モモさんが走ります。

「……勇者殿下、御免仕る」

 背後から忍び寄ったせっちゃんが、勇者様の衣装の襟首……獅子の鬣を張り付けた、裏地の布を引っ張り上げました。

 そこに駆け付けたモモさんが、勇者様のお口に何かを、がぼっと…………あれ、丸ごとレモン(皮なし)ですね。

 急に遭遇しちゃった刺激的なお味☆に、勇者様が押し殺した呻きを上げます。

 その口元を覆うように、せっちゃんは勇者様の襟を前で交差させて……

 銀の光を棚引きながら、モモさんの器用な指先が駆け抜ける!


 引っ張り上げられた襟の布地が、勇者様の口元に超フィット。

 顔に張り付くように隙間を失くし、布地は縫い合わされました。

 勇者様の口を、猿轡よろしく塞ぐ形で。

 口封じ、完・了……!


『え、えーと……今【千匹皮】選手が何か重要なことを言いかけたよーな気がするんですが…………えっと、試合、どうします?』

「「「「続行で!!」」」」

『Oh……【千匹皮】選手、どうします?』

「んーっ! んぅぅ……っ」

『あー……えぇと、誰も異論はないようなんで、試合続行で』

「んんんっ!!」

 何か叫びたくとも、勇者様の口元は自身の衣装で塞がれていて。

 しかも口の中を埋め尽くす大きさのレモンに阻まれ、声も通らない。

 もどかしげに動いた勇者様の指先が、止むなしと自身の襟元(衣装)を引き裂きました。

 大胆に胸元が肌蹴られ、弾けるボタン(鶏型と猫型)!

 ああ、『ブレーメンの音楽隊』を意識して順番には拘ってあったのに!

 勇者様の白い胸元が、眩しく日光を弾きます。

 観客席の方から、嬉しそうな悲鳴が聞こえてきました。

 だけどそんな観客の反応も、勇者様には構っている段じゃないようで。

「……ぷはっ、はあ、はあ、はぁ、審判(しんぱぁん)!?」

「おっと、もう口が自由になったみたいだね」

「く……っお前達、何のつもりだ。審判、俺は……!」

「無駄ですよ、勇者様……棄権(それ)は叫ばせません!」

「な、なに……っ!?」

「せっちゃん、GO!」

「はいですのー」

 狼狽えた勇者様の足下に、せっちゃんの鋭いスライディング☆

 柔らかな絹の靴に覆われた小さい足が、器用に勇者様の足を刈り取りました。

 勇者様、転・倒……!

 その隙を見逃すことなく、私も飛びかかりました。

 勇者様の動きを封じるべく、胸の上に陣取って。

 振り落とされないよう、勇者様の上に上半身を押し付ける勢いで屈みました。

 どかされちゃう前に、素早く処方してあげます!

「ちょ……ちょおーっ!?」

「えい☆」

 あわあわと慌てた勇者様の、戦慄(わなな)いたお口に。

 私はぽいっと丸薬(アメ)を放りこみました。

 吐き出されないよう、勇者様の口を両手の平で塞ぎます。

 え? 何を呑ませたのかって?


 麻酔薬です。

 口の中が麻痺して、舌の動きも利かなくなります。


 元々は虫歯の治療に泣き喚く子供を大人しくさせる為、ドワーフのお医者さんに頼まれて作ったブツです。

 ドワーフさん達は子供でも逞しく、腕力が強いので、取り押さえるのが大変だったらしいんですよね。そこで、子供でも嫌がらないお口の麻酔薬開発が依頼された訳で。

 取敢えず、味は苺・檸檬・葡萄・薄荷・肝臓(レバー)の五種類。

 見た目に味の区別はつかないので、服用する際には程良くスリルが味わえます。

 結構好評で、各種族に応じた配合でシリーズ化させました。

 勇者様の口に放り込んだのは、魔族用なので強力ですよ☆


 なんとなく気になったので、勇者様の塞いだ口元に鼻先を寄せ、ちょっと匂いを嗅いでみました。

「~~~~~っ ~~……っ!!?」

「あ、檸檬味……ですね」

 勇者様なら肝臓当たるかと思ったんですけどねー。

 

 何故か勇者様が、じたばたと。

 さっきより暴れ方がより一層激しくなった気がします。



  ~その頃、観客席~


「あっはっはっはっは……おい、誰か三又矛(トライデント)持ってこーい」

「陛下、それをどうなさるおつもりで……?」


「勇者に投げる」


「…………陛下ぁ、それリアンカちゃん達の反則負けになっちゃうよ」

「あー……んじゃ、矛はいらねぇ。代わりに金タワシ持ってこい」

「それこそ、どうするんですか。陛下……」

「あぁ? 決まってんだろ」

「ああ、うん、決まってるよね……ほらさっき、皆で温泉行くってリアンカちゃん達が言ってたし」

「……ああ」

「連日の試合続きだ。勇者も随分と疲労が溜ってるだろうからなぁ……


 ――ちょっと、背中でも流してやろうかってな 」


 金タワシで。


「難儀な人だよね、勇者くん(笑)」

「不憫な……」

「あ、ちなみにリーヴィル。ちょっと次回作のタイトルなんだけど、『硫黄に混じる地獄のニオイ ~有名温泉血煙慕情、美人秘書は見た!?~』と『折檻地獄 ~食い込む縄に傷が開いちゃう☆~』のどっちが良いと思う!?」

「…………ヨシュアン、貴方、次回作は色々軽い軽薄な女性が、つまみ食いした年下の少年が実は親の決めた許婚だと発覚して下剋上される話だとか言っていませんでしたか?」

「それはもう書いたってば! それ、先月の新作の話だろ? 今言ってるのは来月の分☆」

「そうですか……言わなくても、わかってるとは思いますけど」

「ん?」

「ヨシュアン? 私のことを出演させようものなら……向こう三か月はどんな筆記具も持てないよう、丁寧に両腕の骨を砕きますからね?」

「えー……リーヴィル、お前さ、忘れてるかもしれないけど。俺、陛下直属の軍人なんだけど。そう何度も何度も度々度々腕へし折られてたら仕事になんないから!」

「私のことを出演させなければ良いんですよ。出演させなければ」

「………………名前もない端役の、仲居さんとかでもダメ?」

「ヨシュアン?」

「あ……っいた! いたたたたっ!? リーヴィル、そこ人中だから!!」

「ヨシュアン……今日は貴方の腹筋を十二に割って差し上げましょうか」

「十二!? 六つじゃなくて!?」

「筋肉断裂で、綺麗に二等分です」

「へ、陛下-!? たっけてー!」

「てめぇで何とかしろ」

「そんなご無体なー!?」




  ~戻って、試合場~


 勇者様が自分の上から、なんとか私をどかした頃。

 その時には、既に勇者様の舌は動きを封じられきっておりました。

 何故か顔を青褪めさせて、ぶるぶると震えているような……

 ……はて。あの麻酔薬、変なものは混ざっていないはずですが。

 首を傾げながらも、私は次なる攻勢に向かうべく構えました。


 手に、しっかり蓋の閉まったフラスコを握って。


 さあ、これからが本番……というべきかもしれません。

 棄権したい勇者様と、棄権させる気はない私達。

 勇者様の敗北を賭けた、本当の戦いが……いま、始まる?




 この日、魔族の武闘大会本選:団体戦の部。

 全観客の同情を一身に集めた、伝説の男がいた。

 いかなる責め苦にも、倒れることなく。

 果敢に苦境に立ち向かうその姿は、まさに『勇者』。

 剥かれても、剥がれても。

 (生レモン)詰められても(一服)盛られても。

 困難にへこたれない彼の姿は、群衆に大いなる熱狂と勇気を与えた。


 彼の雄姿は伝説となり、これ以後の大会でも長く語り継がれるようになる。



 ちなみに試合の結果は、当然の如く。

 逆転勝利の奇跡など、起こる余地もなく。

 チーム【おうまい】の圧勝に終わった。





自覚ないセクハラが、最も大ダメージ。



ちなみに次回 ↓

 a.寄り道して温泉に行っちゃう?

 b.それともまっすぐ次の試合に行っちゃう?



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