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ここがアイリさんとエンリさんの……

またまた遅れてしまいまして申し訳ありません。

「ここがアイリさん達の家、ですか……」

「ええ……話は中でするから、さあ入って」


促されるままに俺はアイリさんの後ろから入っていく。



アイリさんの顔は前を向いていて見えない。


「ついてきて」

「あ、はい」


俺はアイリさんについて、階段を上がり、部屋に入る。


「……ただいま、お母さん」


中にはベッドの中に入っている女性が一人。

目を開けているので起きているのかと思ったが、彼女が起きていると分かる情報は他に無い。

唯一呼吸をしているので、生きているということだけは分かる。

だからこの女性が起きていると思えているのはただ単に目を開けているということからだけなのだ。


アイリさんがその女性に向けて声をかけるも彼女からの返答は無い。

まるで死んでいるかのように身動き一つ無い。


アイリさんの言葉と女性の容姿から彼女が誰なのか想像できた。


……この女性が、恐らくアイリさんと、エンリさんのお母さん。


「適当に座って」

「分かりました」


俺はそう言われたので床に腰を下ろす。

アイリさんがそれを見て違うところに座るよう勧めてきたが、俺は別にどこだろうが気にしない。


元の世界でも床に座るなんてことはよくあることだったし実際ここで俺が今この部屋にある1つの椅子を占領してしまったらアイリさんがどこに座るのか、という問題が出てくる。


……まあ俺なりの気遣いというやつだ。

女性の部屋に上げてもらうなんて本当にいつ振りだろう……

……っと、不要なことを思い出してしまった。

今はとりあえずアイリさんのお話とやらを聴くことに集中しよう。


「で、アイリさん、ここまで移動してのお話、というのは?」

「…………」


アイリさんは沈黙している。

……話し辛い内容なのかな?

もしかして……


「アイリさん、もしかして、お話というのはこの女性と関係が……」


俺がそう告げると、アイリさんの顔が更に強張り、そして俺を見て首肯する。

……そうか。


そうして少し待つと、アイリさんはその重い口を開き、俺をここに連れてきた理由も含めて話し始めた。


「……このベッドにいる女の人、この人が私とエンリのお母さん。カイトも見て気づいたと思うけど、お母さんは精神がおかしい状態になってしまっているの。……もう一つカイトに話したいことっていうのはそのことに関係する……私が犯した罪についてよ」


……『罪』か。

話し辛そうにはしてたから若干重い話が来るとは思っていたが、そう来ましたか……


とは言ってもまあ内容によるよな。

「人を殺してしまったの!!」とかならこの世界の価値観が元の世界と同じというわけでもないのだから、別に俺がとやかく言うことでもないだろう。

それに個人的な意見だが、アイリさんがそんな悪いことをしているようには思えない。

さて、どんな話が飛び出してくるのか……









「……そうして、今に至るわ。……カイトはさっき頼ってもいいって言ってくれた。でもお母さんをこんな目に合わせてしまった私が、私が……」


話の枕でさえ沈鬱な表情で語るアイリさんの姿は見ているのが辛くなった。

……正直それだけアイリさんの話は衝撃的な内容だった。



アイリさんやエンリさんの幼少期、貧しい家庭で育ってアイリさんが良かれと思って始めた冒険者活動が裏目に出てお母さんは更に仕事を増やすことに。

その後、本当に同じ人間かとまで思える男の魔法で、アイリさん達のお母さんは廃人となってしまった。


アイリさんはその後、生活のためまた冒険者を再開し、お母さんが過ごしやすいよう、ここに引っ越した。お母さんを直すことは魔法をかけた当の本人以外無理だから治療はそもそも意味がない。となるとお母さんに必要なのは腕のいい医者なんかではなく、生活しやすい環境。今はベッドにいるが、ちゃんと起きるときは起きるらしいし、食事も取る。アイリさんはお母さんが少しでも過ごしやすいようこの街の発展にも尽力したらしい。


……何なんだろうな。

こっちの世界もこっちの世界で大概だな。

やっぱり人間なんてそんなもんか。

まともな奴の方が圧倒的に少ないんじゃないか?



……それにしてもこの状況、何となく既視感がある。

とは言っても今の俺の立場は俺の知ってる状況とは逆だろう。


……ライルさんと親友になれた日、あの日を思い出す。

ライルさんはあの時、記憶喪失だと嘘をついていたことも、俺が異世界の人間だと打ち明けても、この世界では異物であるはずの俺を一人の人間として受け入れてくれた。


今のアイリさんはあの時の俺と同じだ。

細かな事情なんかはもちろん異なるが、受け入れようとしている人間と受け入れられないと思っている人間、という抽象化した意味では全く異なるところは無い。


……ライルさん、あなただったらまたきっと同じように受け入れてくれますよね?

たとえあなたの目が覚めなくても、あなたの意志は死なない、いや、死なせはしない。

俺が受け継いで行きます。もしそれで俺が道を誤りそうになったら……

その時は約束通り、あなたが正しに来てくださいね?




……ふぅ、ライルさんみたいにうまくできるかはわからないが、俺は俺のやるべきことをやるだけだ。


よし!!


「……なぁんだ、そんなことだったんですか。アイリさんが滅茶苦茶暗い雰囲気だったからどんな話が来るかと思ったんですが……身構えて損しましたよ」

「……『そんなこと』?そんなことってどういうことなの!?私がお母さんをあんな風にしてしまったことがそんなことだって言うの!?」

「ええ、そんなことです」

「酷い!!私は、あなたを、信用して……」


アイリさんはいつになく興奮気味で目には涙まで浮かべている。


「『犯した罪』なんて大層なことをおっしゃるからてっきり私はアイリさんがお母さんを亡き者にしようとした位の話が飛び出すかと思っていたんですがね」

「そんなこと、私が、するはず、ないでしょ!!大好きなお母さんに!!」

「そうですね、アイリさんがそんなことするはずないですよね」

「当たり前……え?」


嗚咽を漏らしながらも、普段見ないような大声で俺に迫っていたアイリさんが一瞬ポカンとする。


「……アイリさんがとてもお優しい方だというのは私も良く知っています。今のアイリさんのお言葉からもアイリさんがお母さんをとても大切になさっていることが良く分かりました。そんなアイリさんが、お母さんが不幸になるようなことをするはずが無い」

「カ、イト……」

「『お金を稼ごうと思って冒険者を始めなければ』なんて仮定がそもそもおかしいんですよ。お母さんに魔法をかけたその男がいなくなっても、責められるべきは加害者のその男なのであってアイリさんもお母さんも被害者なんです。お二人ともが責められるべきいわれは無いんですよ。……それに、因果の流れなんて無限に存在するんですから。そんなことを言い出したら『そもそも生まれてこなければ~』なんてところまでも遡っちゃいます」

「それ、は……」

「まあ今のは理屈っぽ過ぎましたかね。……こんな家族想いのアイリさんを責める人なんて誰もいません。もちろん、私も、です。アイリさんがおっしゃったことも含めて私はアイリさんの全てを受け入れます。ですから、自分を責めないで、一緒にお母さんを助ける方法を探しましょう。……後はアイリさんが自分から私の手を取るだけですよ?」


俺は不安げな表情でいるアイリさんに手を伸ばす。

……アイリさん、後はあなた次第です。


アイリさんは俺の手を、そして自分の手を交互に見て逡巡する。

俺は慣れない笑顔を浮かべ、根気強く手を伸ばしたまま待った。


そして……


「……カイト、ありがとう。あなたと出会えて本当に、本当に良かったわ」


ハグするように俺の腰に手をまわし目に涙を浮かべながらそう言ってくれるアイリさん。



…………あ、れ?

俺の想像と、何か……違う。




俺の想像だと普通にがしっと握手してくれて「ええ、そうね、その通りだわ、カイト。私と一緒にどこまでも探してくれるかしら!?」みたいな感じで収まると思ったんだけど!?

……これ、一応成功、したんだよね!?


でもさっき俺の手を見てアイリさん、迷ってたよな!?

そんなに嫌か!俺の『手』を握るの!!

俺にハグしてでも握手するの回避したかったわけ!?

俺の『手』ってそこまで巨悪なのか!?


あっ、ヤバい、また過去のトラウマが……



体育祭でクラス対抗の綱引きがあった。


俺のクラスが終わった後、他のクラスと交代になった際、そのクラスの女子どもがこぞって俺が握ったところをピンポイントで把握してやがって、俺の触れた中央辺りに男子ばかりが集まり、普通太った奴とか重たい奴が務めるはずの最後尾を何故か細身の女子が務めるなんてことがあった。


その次のクラスの奴らは良く分かっていなかったらしいが、何だか気味が悪かったのでその配置を踏襲。それが何か慣習のように繰り返されることになってしまった、なんてことがあった。


俺の呪いは一体どこまで有効なんだ!?

……俺の触れたところをピンポイントで把握して避けるとか、もうそこまで行けば逆に俺のこと好きなんじゃねえの!?と超ポジティブにさえ思いたくなる位だった。




「……イト、カイト!?どうか、したの?」

「……え?あ、ああ、いえ、何でもありません」


アイリさんの声でようやく現実に帰ってくる。

声のする方、つまりは俺の顔の真下、アイリさんが疑問符を浮かべたような顔をして俺を見ていた。

まだ一応さっきの状態が続いていたらしい。



いかんいかん、少しナーバスになり過ぎた。


とりあえずアイリさんはもう自分を責めるようなこと無く、俺を頼ってくれるようになるだろう。


ふぅ、これで一先ず一件落着、かな?



その後、慌てて少し顔を赤くしながら俺から離れるアイリさん。

まあ男性嫌いな人がそんな大胆なことをすれば赤くもなるだろう。

ただ、何で手を握ってくれなかったかは聞けなかった。

……いいじゃん。ちゃんと纏まったんだし、余計なことを穿り返さなくても。




「……その、本当に今日はありがとう、カイト。これからもエンリ共々、よろしくね?」

「はは、本当に私は大したことはしていません。互いに頼り合う関係なら当たり前のことです。今度私が困ったときに頼らせていただければそれでいいと思いますよ?」

「もちろん!あなたが困っている時は必ず私が助けるわ。……あ、それとちゃんとこの後、シーナって子、連れて行ってあげてね」

「ああ、そうですね、それ以外の子たちの解放も済ませておきますのでご安心を」

「ええ。その、それと……」

「ん?他にも何か?」

「う、ううん、……その、これからも、また、会ってくれる、かしら?」

「もちろん?当たり前じゃないですか」

「そう、良かった……」

「はは、心配し過ぎです。……それではまた」


俺は頭を下げ踵を返し、歩き出す。




「あ…………行っちゃった」





俺はその後、シーナが待っている商店へと向かった。

そこはこの街では大きい方なのだが、ここには奴隷娼館が無い。

だからここには奴隷商人だけがその店の中にいて、手続等だけで商売をしている。


ここにシーナを待たせてくれたのは手間が省ける。

アイリさんの配慮かな?


俺は外で待っていたシーナを見つける。

顔色は……うん。ハゲの所にいた頃よりかは格段に良くなっている。


「……ああ済まない、待たせたか?」

「いえ、先ほどこちらについたばかりですからお気になさらず」

「そうか、これから少し待たせることになってすまないが、他のエルフの解放の手続きをしないとならん。だからお小遣い渡しとくから少し時間でも潰してきてくれ」

「え?お小遣い、ですか。他のエルフ達の解放ってだけでも結構ビックリなんですが、そんな物まで奴隷の私に与えていいのですか?」


あの最初に会った時のようなハキハキとした喋りで尋ねてくる。


「ああ、一応他の皆にもやってることだからシーナだけ仲間はずれってことにはしたくないからな」

「……そうですか、分かりました。有難く受け取らせていただきます。……それで、どうお呼びすれば?」

「何でもいいぞ、ああ一応、また自己紹介しておくが、俺はカイト。冒険者な」

「はい、では……カイト様、とお呼びさせていただきます」

「ああ、それでいい。これからよろしく」

「はい、こちらこそよろしくお願いします」


その後俺は中に入って、奴隷商人に話しかけ、解放の手続きをする。




「…………はい、これで解放の手続きは終了です。他に何か御用はございますか?」

「いえ、もう……あっ、いや、ちょっと待ってくれ……」




その後、手続を全て終え、シーナと合流し、ワイバーンを召喚して孤島に帰る。

ワイバーンの上で、ちゃんとシーナの入島制限を解除するのも忘れない。



意外と早く帰ってこれた。

ふう、早めに出たことが功を奏したようだ。


シーナはワイバーンの召喚やワープに終始驚いていた。

まあそれが普通の反応なんだろう。




「あ!マスター、お帰り!早かった……ね」


一番に俺の姿を捉え、駆けてくるカノン。

だが直ぐに俺の後ろにいるシーナを見つけ、その動きが止まる。


「……マスター、その女、誰?」


あれ?ちょっと不機嫌気味だな。


「誰って、カノンも会ったことがあるだろう。シーナって言うエルフの子だ。今日から仲間になることになった。仲良くな」

「……女と密会に行っていたはずなのに、まさか違う女を連れて帰ってくるなんて……」


おい、人聞きが悪いことを言うな!



その後、俺がワイバーンに乗って帰っている途中、シーナから聴いたことも含めて、今後のシーナの役割について提案することに。


「シーナは今回、俺に恩を返そうと頑張ってくれると言ってくれてるんだが、シアは知っている通り、戦い自体はやはり好きではないだろう。とは言え、シーナも自衛や俺達のためになら戦ってもいい位には柔軟に考えるようになったらしい。そこで、シーナには、この孤島の開発担当になってもらおうと思っている」

「開発担当……主殿、何じゃ、それは?」

≪姉じゃ、少しは自分で考えることも学んだ方が……≫

「まあ要するに、この孤島での暮らしをより良くするために働いてもらうってところか。今のままじゃ、寝る場所、結構厳しいと思うんだ。だからまず最優先で寝床を何とかしたいと思ってるんだが……皆、どう思う?」

「……そうですね、シーナは魔法も使えますし、この孤島では活躍してくれそうです」


シアが賛成してくれる。


「確かシーナさん、回復魔法も使えましたよね?」


エフィーがシーナに尋ねる。


「……うん」


少し間があったな。

……エフィーに少し思うところがあるのだろう。

仲良くしてくれれば良いのだが……


「ここを拠点とするのなら、拠点に一人、回復魔法を使える人が常にいてくれることはかなりいいことだと私は思います。シーナさんもあまり戦闘することにならないですし、いいんじゃないでしょうか?」


おお、うちのご意見番、エフィーさんが太鼓判を押してくれる!

ふふふ、これでもう大勢は決した。


これで寝るところも何とかなりそうだ。


「……エルフの美人。またマスターの周りに綺麗な女が……」


カノンが何なポツポツ言ってる。

それをリゼルが背中を撫でてやりながら「わかる、わかるぞその気持ち」なんて言ってる。


「……しーな、なかま?」


クレイが俺に尋ねてくる。


「ああ、これからは一緒に暮らしていく仲間だ」

「……分かったー。しーな、よろしくー」

「はい、よろしくお願いしますね、クレイさん」


そして、シーナは皆の前で、改めて自己紹介する。


「シーナです。本来なら戦闘をしたくないなどと我儘なんて言えない立場なのに、カイト様に、そして皆さんに良くしていただくのです、精一杯皆さんが生活しやすい環境を作れますよう粉骨砕身、頑張らせていただきます。よろしくお願いします」



その後、ささやかながら、シーナを歓迎するための簡単な食事会のようなものを催した。


シーナも思っていた以上に立ち直ってくれているし、他の皆も仲良くしてくれているようだ。



次の日から、シーナを中心に、寝床建築計画が始動した。

一応どんな外観にするかは初め、俺が紙に書いて統一しようとしたのだが、何を隠そう俺は絵が天才的に下手なのだ。

簡単な家を描こうとしても、何故かロケットになってしまった。

なので、この中で、絵ができるエフィーに、設計図を任せ、俺達は目測で必要になるもの、主に木材を集めに向った。


まだ詳しく探索していなかったので、最初は驚いたのだが、森の中にモンスターがいた。

別に強くは無かったが、これだとシーナを孤島駐在にした意味が無いのでは?と思い、聞いてみると、「大丈夫です。皆さんと一緒なら」と言われた。

何が大丈夫かは俺には良くは分からなかったが、確かに無理をしている様子は無かった。

それならいいんだが……


資材の運搬はモンスターの邪魔もあったが、ワイバーンやクレイの働きが大きく、概ね順調だ。


初日で資材運搬、組み立て開始までこぎ着けた。

それから凡そ1週間経ってようやくそれらしい建物が完成した。

組み立てるのに俺の土魔法も使用したので頑丈さで言えばそこそこのものだろう。


まあ家具とかはそりゃ無いから中は質素だが、最初のクレイのやつよりかは遥かにマシな物ができた。大きさ的には街の安い宿屋位かな。

これで今後しばらくは寝るところの心配はしなくていいだろう。


完成したのが夜なのもあり、皆には、疲れただろうから休むように伝え、皆がそれに従って眠り静まった頃、俺はひっそりと『隠密』を使いながら一人孤島を抜け出す。




「眠たいところ悪いなワイバーン、少しだけ協力してくれ」


そう言って俺はワイバーンに乗せてもらい、とある所に向う。





目的地に着いた頃にはもう夜中だった。

街はもう完全な静寂に包まれている。

だが俺は用心して『索敵』、『隠密』を使いながら街の中の目的の地へと歩を進める。

気分はサル顔の3代目。

『隠密』があることが気分を高揚させてくれる。

ふふふ、ダンボールなど無くてもこっちが有るのだよ、こっちが!!



……少し昂ぶり過ぎた。

落ち着け、落ち着け、俺!

今回のミッション……お宝は失敗できない。



目的の地に到達。俺は『索敵』を使う。

……ふむ、聞いていた通り、対象以外の人が二人。

その二人には悪いが……始末しなければ。


俺は『隠密』を駆使し、一人目の背後に忍び寄る。

そしてそのまま首筋に雷魔法をスタンガンの要領で用いる。

おっと、倒れた音で気づかれないよう、ちゃんと受け止め、そっと床に寝かせる。

……もう一人にも気づかれていないようだ。


だが2人目はターゲット……お宝の傍に張り付いている。

まるでとっつ○んのような粘りっこさだ。

ふむ、ここは……


俺は扉にノックする。


「誰だ!?」


もちろん返事はしない。

俺は息を殺し、その場に身を潜める。


キィー


扉が開く音がする。


「誰かいるのか!?」


2人目が出てくる。


「ぐぁ……(がく)」


隙を逃さず、もう一発雷魔法を使う。

ふぅ、これでお宝まで俺を邪魔する者は誰もいない。



俺は扉の奥へと進んでいく。


そこにいたのは……








「こんばんは。……アイリさんと、エンリさんのお母さん」


一応ご報告ですが、私個人としてはシーナは今のところメインとしては考えていません。

今後の展開上ずっとそのままかは今のところ私にも断定できませんが、今のところはそのように進めるつもりです。

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