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ようやく……

あれから早くも5日が経った。

『イフリートの炎爪』や『ノームの土髭』の面々は忙しそうに後処理をする中、俺達の本来の依頼はクウガー遺跡の調査ということで、その報告書を書き、提出して任務を終えた。


魔力過多の実際の原因は解明しなかったが、魔力の影響が甚大なので、しばらくは様子を見た方がいい、ということで結論付けた。


一回目の調査隊の面々はあのムカデにやられたと思われる。

助けた狼人に話を聴いたが彼らがやった訳ではない、と主張している。

嘘をついているという可能性はもちろんあるが、今現状ではそのことについての原因究明は俺達には求められていない。


要するに面倒なのだ。

元々特に接点もないのだから犯人見つけたところで俺の気がどうこうなるわけでもない。


ちなみに、外に待機させていたらしい魔法使い達の死体が発見されている。

特に何かそこに劇的な物語があったというわけでも無さそうだ。

まあ俺と違って魔法使いは詠唱する時間を稼いでもらわないと戦闘では役に立たないのだから、モンスターに襲われたとでも思っておこう。


……じゃあ何でその死体が残っていたのか、なんて疑問には深入りしないことにする。

解決できるんならまだしも、何一つ糸口も見当たらないのにいちいちあたかも何かありますよと言わんばかりなことに首を突っ込むほど俺は勇敢ではないのだ。




それに、この間に面倒なことが色々と増えてしまった。

先ず、今回の俺のダークミストを見ていた冒険者達が俺のことを『黒霧くろきり』と二つ名で呼ぶようになってしまったのだ。


俺の活躍に対する敬意を表してそう呼ぶものもいれば、「竜であるワイバーンをあそこまで追い詰めるのか、恐ろしい!!」と純粋に恐怖心から呼ぶものもいてそれぞれだった。


最初こそ、俺にもそんなカッコいい二つ名がつくようになったか、と満更でもなくニタニタしていたのだが、冷静になって考えてみると、目立つ。

俺にとってとても好ましくない状況だ。


エフィーとクレイを除く、シア、カノン、リゼル(妹は除く)は俺に二つ名がついて「やっと時代が主に追い付いた!」と言わんばかりに喜んでいたが、俺にとって必要以上に目立つことなど言語道断、面倒なことこの上ない。


緊急事態だったとはいえ、やはり派手にやり過ぎただろうか。

普通ダークミストを見たら連想位すると思うのだが、『闇魔法』を使ったということ自体はバレてはいない。しかし、それでも二つ名なんてついてしまうのだ。

今後はしばらくほとぼりが収まるまで大人しくしたい、ということを話すとクレイが、


「……じゃあ、クレイの秘密基地、くるー?」


なんてことを言い出した。

……俺も自分で大概だと思うがクレイはクレイで何でもアリな感じだな。

とりあえず皆でその秘密基地とやらに行ってみることにした。



ナギラの街から北東、約5キロほど行ったところに、地下へと続く階段のようなものが木々の中に隠れていた。

クレイの後について行ったから見つけられたが普通に散策する程度では絶対に見つからないだろう。


クレイに促される通りに下に降りてみることにする。

驚くことにその先には、よくゲームで見かけるような転移もしくはワープするための祭壇のようなものがあり、その中央には青白い光を放った空間があった。


……恐らくあの中に進んでいけばどこか違うところにワープできるのだろうが、エフィーとファル(竜人女妹)を除く3人はそれを見て大層驚き、皆俺の背中に隠れてしまう。


何も知らない人の反応としてはそれが正しいのかもしれん。

じゃあなんでエフィーとファルが驚かないのかというと……それは俺にも良く分からん。

聞いてみると、エフィーは「確かにこんなものは初めて見ましたし、驚きもしましたが、別段危害を加えてくるものでもないのでしょう」と言われ、ファルは≪こう言ったリアクションというのは姉じゃの領分、です。姉じゃがアレな分、私がしっかりする、です≫と言われた。


……エフィーの返答は分からんでもないが、ファルの言い分は少し酷いような気も……と思ったが、恐らく妹であるファルが一番姉の残念なところを見てきた以上そうした反応になってしまうのは仕方ないところもあるのだろう。

ファルがそう言ったときも姉はポケーっとしていた。

……そういうところを言ってんだよ。


安全性を試すためみたいな意図があるかどうかは分からんが、クレイが先にその空間に入って行って、想像通りどこかにワープしたので、俺も続くことにしたが、3人が俺の袖を引っ張って離そうとしない。


「……そこまで心配しなくても大丈夫だろう。クレイが先に行ってくれたんだし、俺達もついて行こう、な?」


できるだけ優しく語りかけたのだが、それでも3人は納得してくれない。


「ご、ご主人様、い、いけません!これは何かのトラップです!!」

「そ、そうだよ、シアの言うとおりだよマスター!!あそこに入ったらどこかに連れ去られて一生出てこれないんだよ!きっと!!」

「そうじゃそうじゃ!!あんな奇怪な物の中に入ってはならん!!あれは……そう、悪いスケルトン共の陰謀なんじゃ!!」


皆それぞれが訳のわからんことを言う。

……まあ百歩譲ってシアのトラップ説はアリかもしれんが、カノンとリゼル(姉のみ)の意見はどっちも無しだろう。


美人な3人が怖がって俺の服を引っ張ってくるのはいつもと違ったギャップがあって可愛いなとは思うがそれで先に行ってくれたクレイを待たせるわけにもいかんだろう。


「良く分からないもので、怖いっていう気持ちは分かるが、俺が一緒に入ってやるから安心してくれ。それとも、3人は俺が一緒でも不安か?」

「……いえ、ですがご主人様に何かあったら……」

「そ、そうだよ……マスターに何かあったらどうするの?」

「うむ、皆、主殿のことが心配で……」

「まあそりゃ心配してくれんのは嬉しいが、それだとこのままクレイを一人だけ危ないところに置いていくことになるぞ?……クレイが一緒にいたこと自体、行き来できることの証明をしてくれてるんだ。行って危ないところだと感じれば直ぐに戻ってくればいい、な?」


「……かしこまりました。ご主人様のことは必ず、必ず私がお守りします!」

「う、うん!私もちゃんとマスターのこと守るから!!」

「わ、我も我も!!」


……何かリゼルが言うと真剣味が感じられないのは気のせいだろうか?


まあいい。


3人が納得してくれたので俺達はクレイの後を追いかけることにする。

中に入っていくと、俺が最初、神様アイツに転送された時のように光に包まれ、目の前が光で見えなくなっていく。



…………




「ここは……」

「キャー!マスターが死ぬときは私も一緒ぉー……あれ?」

「ご主人様!!危ない……へ!?」

「主殿よ、伏せるのじゃーー……ほへ?」

≪姉じゃ、その驚き方はちょっと、です……≫

「カノンさんもシアさんもリゼルさんも、大丈夫ですよ、何の仕掛けもないですから」

「……皆、クレイの秘密基地、どう?」


目を開けると、景色が変わっていた。

さっきまでの石造りとは打って変わって、今目の前に広がるのは広大な自然、まあ主に南海のビーチって感じだな。

後ろを向くと、そこには木々が生い茂っている。

……まだ詳しく調べたわけじゃないが、感覚的にはどっかの無人島みたいな雰囲気だな。


「いや、すごいよ、クレイ。よくこんなところ見つけたな」

「……マスターに褒められた。……クレイ、すごい」


おお、あのクレイがご満悦だ!

とは言ってもほとんど表情の変化はないが、ちょっとは分かるようになってきた。

今後もクレイとは長い付き合いになりそうだし、クレイの感情の変化もちゃんとわかってやれるようになれればな……


その後の俺以外の皆の様子の変化と言ったらひどいものだ。


安全で綺麗な海辺まである素敵なところだと分かると、俺が許可するや否や、すぐさま皆で遊びに行った。


まあ今回の件でみんな頑張ってくれたからそのご褒美としてはいいのかもしれんな。

聖獣3体も召喚してやったら、3体は3体で、カノンが召喚したベルと一緒に遊んでいる。

直ぐに仲良くなったようだ。良かった良かった……



「……マスター、これ」

「ん?これは?」


そう言ってクレイは何か石板(?)のような物を手渡してくる。


「……クレイ、最初ここ見つけた時、拾った。……マスター、持ってて」

「え?いいのか?クレイが見つけたものなんだしクレイが持ってた方が……」

「……クレイ、マスターの従者。だからもう全部、マスターの物。……マスター、クレイの全部、貰ってくれる?」

「クレイ、お前それ、ワザと言ってんのか!?」

「……??」


何のことかわからず首を傾げるクレイ。

……そうだよな、意図してクレイがそんなこと言うわけないもんな。

はぁ、一人だけそういうこと考えてたみたいで恥ずかしくなってくる。

前回のことも踏まえて、とりあえずクレイと人前で話すのは色々と誤解を生むことが多そうだ。気を付けよう。


俺は石板を受け取り、鑑定してみた。



孤島への招待状:孤島へ入島するための招待状。招待状の所有者は入島者を制限することができる。招待状は譲渡可能。


……うーむ、なんか色々考えさせられる内容だな。

とりあえず考察は後回しにして石板を使用できるよう念じてみた。


『孤島ヘノ入島者ヲ制限シマス。ドウイタシマスカ?』


と出てきた。

ほう、鑑定通りここに入ってくる奴を制限できるらしい。制限して本当にできるかは実際に試してみないことには分からないが、観念的には俺達以外を入れないようにできるってことはかなり意義のあることだと思う。


秘密基地というだけあってバレなければとても使い勝手のいいものだが、今のところ、ここへの出入り口が転移しか見当たらない。

今後ここについての調査も必要だが、もし敵なんかにバレたりした時に制限をかけれるのとかけられないのとではやはり大きく異なる。


だからとりあえずは今ここにいる人以外に入島制限をかけておくことにした。



それからワイバーンの召喚を試みたのだが、召喚自体は成功した。

召喚は入島制限にはかからないらしい。


その後、クレイもシア達と合流し、皆で遊んでもらっている間に、俺はワイバーンに乗って孤島の周囲を調べてみることにした。


ワイバーンの時速がどれ位かは知らないが、周回してくるのに、凡そ20分~30分位かかったかな?


俺の感覚だけで言うと、日本地図に載ってはいるが、点で表される位の大きさの島だ。


周囲はもちろん海で囲まれ、中央は木々が群がっていると言ってもいい位生えている森が陸地のほとんどを占めている。

形としては丸型。

突出した部分などはほとんど見られず、いたって普通。


……ふむ。とりあえず全体像は把握した。


その後、クレイがここで生活する際はどうしていたのかを尋ねると、簡単に雨風をしのげる程度ではあるが、建物のような物を木を使って作ったらしい。中も外もあまり褒められた見た目とは言えなかったが、まあクレイが一人で寝起きする分には気にしなかったのだろう。


今後ここを拠点として生活するかどうかは皆と相談して決めることになるがとりあえず今日はここで寝ることにする。



次の日、とりあえずしばらくの生活必需品を買ってきてもらおうと思ってどうするか皆と相談したら、シアが真っ先に名乗り出てくれた。

どうしてそんなに……と思って聴いてみたら、どうやら今までの空き時間を精一杯使って算術をどうにかできるようになったらしい。


だからここで俺の役に立てると思って自分が行くと言ってくれたのだと。

俺もしばらく街に顔を出すのは避けようと考えていたところだったので、丁度いいと思った。


ただいくらシアが強くても一人だと心配だったので、お供にエフィーを付けることにした。

エフィーがいたら普通にエフィーが計算できるんだから、とも思うが、エフィーにはこっそりと買い物はシアに任せて後ろで見守ってやってくれと頼んでおいた。



とりあえずワープ後見送りがてら、ワイバーンも召喚してシア達に使わせてやり、お金もそこそこの額を渡してやる。


一瞬二人がその額を受けることを渋ったが、ハゲから得たピンスが約120万ピンスと結構な額だったし、この二人なら無駄遣いするということもないだろう。


「俺は二人のことを信頼してるからこれだけの額を預けても安心できるんだ。だから二人も心配せずに受け取ってくれていい。あ、何か欲しいものがあったらついでに買ってきてくれていいぞ」



そう言ってやったら納得してくれた。


二人を見送った後、もう一度孤島に戻ってみると、二つ新しい発見があった。



一つ目は残った皆で会話している時に発見したことだ。


「ところでリゼルはいつも姉が積極的に会話しているようだが、妹が会話することは少ないのか?」

「ん?そうじゃな……一度変わってみるか?」

「え?変わるって?どういうこと?」


カノンも良く分からない様子。

うん、確かに俺も良く分からん。


「じゃあ少し変わってみるか、ファルよ……チェンジじゃ」


ブゥン


一瞬何かがブレるような音がした。


「……姉じゃ、ちゃんと変われたようです」

≪うむ、そのようじゃの……どうじゃ、主殿?≫


リゼルとして話しているのは今は妹の方だ。

この外観で妹のしゃべり方だと若干違和感はあるが、姉の時よりかはこっちの方が可愛いようにも思える。


「どうじゃ、って言われてもなあ……」

「……え?今、リーゼ、しゃべったの?なにも聞こえなかったけど」


あれ?カノンには聞こえなかったのか?だって今……

そう言えば表の人格として出ている間、裏に控えている方がしゃべったらリゼルの口は動いてないな。


……俺、どうやって聞こえたんだろう。


「スマン、姉の方、もう一回何かしゃべってくれ」

≪ん?了解じゃ。何をしゃべろうかのう……そうじゃ!我がどれだけ主殿のことを好いているかを……≫

「いや、もういい、十分だ」

≪そ、そんな!?まだ何一つ語っておらんというのに……なるほど、主殿は初心なようじゃな!フフ≫

「どうだ、カノン、こいつが今何言ったか聞こえたか?」

「え!?また何か言ったの!?全然分からなかったけど……」

≪あ、主殿!?なぜ無視するのじゃ!?我がこれほど愛を囁いておるというのに……≫



姉はとりあえずスルーの方向で。


やはりカノンには聞こえないらしい。

一応試したのだが、クレイも聞こえなかった。

……ふむ、俺が聞こえるのは恐らくリゼルの所有者だからだと思う。

まあシアとエフィーが帰ってきたら二人にも試してみるか。


何度かリゼルに切り替えてもらって分かったことが色々とあった。

まず、表に出る人格を切り替えられるのはスキル『竜技』から『融合』を使用した姉のみだ。

そして、表の人格の者と俺以外の者には裏で控えている人格の声を聞くことができない。

つまり、今まで妹の声は姉と俺以外には聞こえていなかったらしい。

……それを考えると何だかいたたまれなくなる。


逆にそれを利用することもできるのだが、普段他の人に自分の存在を認識してもらえないように思えてならない。


俺であれば今迄のボッチ経験を活かして面白おかしく楽しんで見せるのだが、リゼルはあんななりの二人からできたとは言え、中身は二人とも女の子だ。


……このまま俺の我儘で一人の人間、リゼルとして生きさせるのはあまりにも理不尽なのでは、と思った。


俺一人があの見た目を我慢すれば二人が寂しい思いをすることは無い。

……うん、俺一人がまたあれを我慢すればいいんだ。


ごめん、シア、エフィー、カノン、クレイ。俺は……



とりあえずそのことをリゼルに話してみると、二人が泣き出し、俺に抱き着いてきた。

……もちろん今の状態はリゼルとしてだから抱き着いてきたのは一人だが、声を聞けるので、二人が泣いていることが俺には分かった。


「うえーん、主殿よ~、そこまで我らのことを……なんて、優しいのじゃ!!」

≪ぐすっ、私は、姉じゃや、このように、優しくしていただける主様だけに、声を、聞いていただけるだけで十分、です≫

「そうじゃ!他の皆とは、表に出たときに、一杯しゃべれば、よいのじゃ!我も、主殿と、ファルに聞いてもらえるだけで十分じゃ!じゃから……我も……我も……」


そう言って二人して泣き続ける。

……二人とも皆に負けず劣らずのいい子達だ。

俺の我儘のせいで苦労させるのに、俺のために融合したままでいてくれる。

……何か二人にしてやれることは無いのか?

そう思ってスキル欄を調べていると、カノンの際にも活躍してくれた『言語』の項目に至る。


するとそこに、『念話』というものがあった。

これなら……と思ったが、スキルポイントが10ポイント必要だった。

今のリゼルでは直ぐに、とはいかない、か。

……と思ったが、直ぐにハッとして『ステータス操作』を使ってみる。


こいつは今迄、ステータスを自動で上げていたのだ。

もしかしたら幾らかスキルポイントが貯まっているかも……


そうして使ってみると、リゼルは25ポイントのスキルポイントが貯まっていた。


これ幸いと俺は直ぐさま『念話』を取得してやってそれを知らせてやる。


「おい、ファル、今頭に何か思い浮かべて、カノンと話したいって思ってみろ」

≪それは……どういう、ことです?≫

「いいから」

≪わかりました、です。……≫

「え?うん、そうだよね、マスターの周りには一杯可愛かったり綺麗な女が集まって来て困るよ……ってあれ?」

≪……伝わってる、です≫


よし、どうやら成功らしい。

まあ成功したことに免じて何を念じたかは聞かないでおいてやる。


「良かったな、これで裏にいる方も俺以外にも声を聞いてもらえる。まあ念話って形だがな」

「ほ、本当か!?い、一度変わるぞ、ファルよ!!」


ブォン


≪主殿よ、我は……主殿のことを……この世界で誰よりも好いておるぞ!!≫

「……お前な、俺は元から聞けるんだから俺に念話しても確認できないだろ!後、もうちょっと内容考えろ!!」

「姉じゃは……やはり残念、です」

≪ぬわーー!?そうであったーーー!!≫



その後は念話できることを確認した二人がまた嬉し泣きしてしまって、収集がなかなかつかなかった。



念話の相手方も、その念話のやりとりだけは念話を使って応答できるということがわかった。

まあそりゃそうか。



そしてそれからもう一つの新しい発見というのはあの封印していたムカデ2匹のことだ。

封印を解いて色々と話しかけてみたり、試したところ、どうやらやはりゾンビ系らしい。

復活は普通に多くの魔力、もしくは闇魔法を使う際に用いる魔力でよいのだと。

回復もそれで事足りる、というより普通の回復魔法はゲームとかのように逆にダメージを受けるのでNGとのこと。


そして、それらの情報から、ゾンビムカデ達は闇属性と判断し、カノンの配下に加えることに。

カノンも別にゾンビや虫だからと言って嫌がることもなく普通に契約していた。

そのことについて尋ねてみると、「私は別に虫とかゾンビとか全然イケるよ!……私が嫌いなのはマスター以外の男とマスターに言い寄る女……かな?」

と言われた。

……やはり最近はカノンのデレ期が到来していたらしい。

そんな照れながら言われたらこっちも恥ずかしくなってくる。




今日は色々な発見があったし、リゼルの問題も一応片付いたしいいことばかりだとのんびり二人の帰りを待っていたら、帰ってきた二人からとんでもない物を渡された。



「これは街に行った際、アイリ様とお会いして、渡されたものです」



そう言ってシアが俺に手渡した物は一枚の手紙だった。


表には『アイリより』としっかり差出人が書かれている。


……ヤバい、これ何も良い予感がしないわ。


一応キャラが増えてきて名前を覚えるのが面倒臭くなってくる頃だと思いますので、竜人女ことリゼルの姉、妹を区別する際にはできるだけわかるように今回のお話はしているつもりなのですが、これでも分かり辛いという場合はまた改めて考えさせていただきます。

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