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うん?何の用だろう?

今回ヒロインたちはいるのですがセリフがほとんどありません。

ヒロイン目当ての方々には申し訳ありません。

次話をお待ちください。

その後も俺達はカノンのレベル上げ兼配下の増加を図るべくモンスター狩りを続けた。

2週間続けた結果、カノンのレベルは17まで、ベルは15まで上がった。

俺とシアは1ずつ、エフィーは2上がった。


レベルアップと言えば1つ大きな進展があった。

それは俺が31に上がった際、能力値とスキルにおいて取得できたポイントが増えていたのだ。

能力値ポイントは今まで5だったのが9に、スキルポイントが3から5になっていた。

強くなってきたステータスに合わせてってことなのかもしれないけれど普通こういうのって30とか40とかキリのいいところからじゃないのか?


……まぁどうこう言っても仕方ない。そういう仕様なんだと思う以外どうしようもないんじゃないか?

この世界の摂理みたいなものだからどうこう言ったって変わる物じゃないだろう。


カノンの配下については最終的にベルが1匹(当たり前だが)、スケルトンが22体、トランバットが8匹となった。

契約後、スケルトンを召喚して戦わせてみたが、攻撃方法が素手だったのが気になったので、安物ではあったが、全員に剣と木の盾を持たせ、戦わせてみると、内容の良し悪しが大きく変わった。

1体の攻撃力は高いとはいえないものの、それが10体を超えだすと敵のモンスターは全く太刀打ちできなくなりだした。

剣や盾も装備させれば一緒に召喚できるのでスペースにも困らない。


契約したモンスターについて、最初から召喚されている場合はそのまま戦闘に参加させればいいのだが、その場合だと大所帯となってしまって進行速度がかなり遅くなる。

モンスターのレベル上げを目的とする時以外召喚は基本戦闘中に行うことになるのだが、詠唱速度は召喚するモンスターの数に正比例的にとは言わないまでも、それに応じて長くなる。

だから一回の戦闘で召喚する数は今は10体前後が適当だろうという結論で落ち着いた。


それら全体を統率するカノンは最初こそ戸惑って中々うまく操れていなかったものの、徐々にコツを掴んでいき、2日でスケルトンの統率を完璧にした。

トランバットについてはそこそこ知能があるということで主にスケルトンの手が回らないところ、その他遊撃部隊や偵察等色々な役割を担ってもらうことにした。

ベルはカノンの補佐兼護衛でさらには契約したモンスター達のボス的役割もしている。


スケルトンについてはレベルが11~14、トランバットは12~14と幅があったものの全体としての質はかなり上がってきた。野良の同種族と戦わせても負けることは無く、圧倒するようになるのに時間はそうかからなかった。

なんか共食いさせてるようで最初は気が引けたが『普通は他の同種のモンスターより忠誠を誓った契約の主の方が大事だから問題は無い』とベルに言われたので気にしないことにした。


その間にも俺は朝の訓練を怠らず続けていた。闇魔法については想像以上の効果を発揮したこともあって契約の感覚を掴む訓練と並行して続けて、かなりの練度まで上げていた。

契約についてはずっと続けてきたこともあって感覚が体に染みついてきたと思える位まで上達したが、未だ俺は何とも契約していない。


カノンの例からも思うことなのだが、こういう最初の契約相手って結構重要なんだと思う。

多分スケルトンとかと契約しようと思ったら契約できる自信はある。

しかしスケルトン達には悪いが、最初の契約相手が何の変哲もないどこにでもいるような野生モンスターというのは何かおもしろくない。


だから俺がピンとくる相手さえ出てくればいつでも契約できるよう準備を怠らないというのが契約に関しての今の俺の状態となる。


資金についてもそこそこの成果が出ている。

一日約1万5000ピンスの収入で、それを2週間続けた結果、今の手持ちは70万1173ピンスとなった。


名前:カイト・タニモト

種族:人族

身分:冒険者 所有者(奴隷:シア エフィー カノン・ファーミュラス)

性別:男

職業:1.剣士 2.魔導師 3.クレリック

年齢:16歳


Lv.31

HP:116/95(+21)

MP:123/103(+20)

STR(筋力):54(+19)

DEF(防御力):43(+17)

INT(賢さ):52(+19)

AGI(素早さ):46(+17)

LUK(運):1(+5)


『能力値中上昇』、『異世界言語(会話)』、『異世界言語(筆記)』、

『生活魔法』、『剣術』、『ステータス操作』、『全魔法素質解放』、

『無詠唱』、『鑑定』、『偽装』、『レベルアップ時ボーナス』、

『パーティ恩恵(リーダー)』、『パーティ恩恵(メンバー)』、

『火魔法』、『水魔法』、『土魔法』、『風魔法』、『治癒魔法』、

『職業操作』、『隠密』、『経験値解放』、『氷魔法』、『雷魔法』、

『????』、『????』、『闇魔法』


スキルポイント:47



名前:シア

人種:獣人族(狼)

身分:奴隷 所有者:カイト・タニモト

職業:1.剣士 2.獣狂戦士

性別:女

年齢:15歳


Lv28

HP:120/101(+19)

MP:61/46(+15)

STR(筋力):71(+22)

DEF(防御力):45(+17)

INT(賢さ):23(+15)

AGI(素早さ):65(+20)

LUK(運):21(+5)


『経験値蓄積』、『ステータス鑑定(自己)』、『剣術』、『身体能力小上昇』、『二刀流』


スキルポイント:32



名前:エフィー

種族:ハーフエルフ族

身分:奴隷 所有者:カイト・タニモト

性別:女

職業:1.魔導師 2.プリースト

年齢:13歳


Lv.23

HP:63/48(+15)

MP:123/104(+19)

STR(筋力):31(+16)

DEF(防御力):27(+15)

INT(賢さ):73(+19)

AGI(素早さ):26(+15)

LUK(運):21(+5)


『火魔法』、『風魔法』、『水魔法』、『治癒魔法』、『弓術』、『魔力操作』、

『支援魔法』


スキルポイント:39ポイント



名前:カノン・ファーミュラス

人種:魔族(サキュバス)

身分:奴隷 所有者:カイト・タニモト

職業:1.影使い 2.戦士

性別:女

年齢:14歳


Lv.17

HP:85/68(+17)

MP:134/101(+33)

STR(筋力):40(+17)

DEF(防御力):37(+17)

INT(賢さ):41(+17)

AGI(素早さ):38(+17)

LUK(運):21(+5)

 

『闇魔法』、『魅了(チャーム)』、『モンスター言語(会話)』、『MP中上昇』


スキルポイント:28



今のところ神様あいつが言っていたような厄介ごとも起こらず普通の生活を送っている。

今後も何も起こらなければいいが……




俺達は今、エンリさんに呼ばれて『イフリートの炎爪』の支部に来ている。

何でも話したいことがあるそうだ。

エンリさんのお姉さんのことで進展でもあったのだろうか?


ちなみにオークションの後に1度カノンを連れて伺ったのだが、エンリさんとゼノさんはカノンを見てなんとも言えないような表情を浮かべはしたがその後は普通に接してくれている。

だが魔族ということを聴いてからの方がリアクションが少なかった。

とすると、エンリさんとゼノさんは何についてを思ってあんな顔をしたのだろう?

うーむ、謎だ。


カノンはカノンでエンリさんとゼノさんを見たあと俺によくわからない理由で色々突っかかってきた。

仕舞いには「ふん!」と言って拗ねて話しすらしてくれず、翌日まで機嫌が直らなかった。


女性というのはよくわからん!



応接室で待つこと10数分、エンリさんとゼノさんが中に入ってきた。


「カイトさん、お待たせして申し訳ありません。こちらからお呼び立てしておきながら……」


入ってきて早々エンリさんは頭を下げる。


「いえ、そこまで待ったわけではありませんし、エンリさんがお忙しいことは事前に分かっていることです。お気になさらず」

「カイトさん……」


何かエンリさんは顔を赤くしてうっとりとした表情をしている。


遅れていたから急いできてくれたのかな?

それにしては息が乱れている様子はないし……


「う、うん!マスター、本題に入ったら?」


カノンが咳払いして話を促す。

声音からは若干機嫌が悪いことが窺える。

なんだろ、今日はあれの日なのか?

いや、魔族にもあるかは知らんが。


エンリさんもそれで表情を戻す。


「そ、そうですね、失礼しました。……今日は色々とカイトさんにお話ししておきたいことがありましたので来て頂いたのですが、聞いていただきたいことは主に二つあります。……まず、一つ目ですが、姉と直接話す機会がありましたのでカイトさんのことについて話してみたんです。ですが……」

「そのご様子ですと反対されたんですか?」

「……はい」


そりゃ仕方ないだろう。話では大の男嫌いってことだし。

まあそれでよかったんじゃないかな?

男の俺が一人女性だけのクランに入ってもやり辛いだけだろう。


「まあそれなら仕方ありません。エンリさんが気に病むことではありませんよ」

「私は一生懸命姉に伝えたんです!カイトさんがどれだけ素晴らしい方か!カイトさんがいらしてくれればどれだけクランにとって良いことなのか!……でも、姉は一向に聞く耳を持ってくれませんでした。『男なんてみんな同じでいやらしい生き物よ!その男とは直ぐに離れなさい!』と。カイトさんは他のそのような男達とは違うのだと言っても、『今は忙しいからまた今度ね。その時までにはちゃんとその男とは離れていなさいよ!』とあしらわれてしまいました」


落ち込んでいる様子のエンリさんに代わり、ゼノさんが話し始める。


「エンリ様は必死にアイリ様に嘆願なさってたのですがアイリ様は本当にお忙しそうになさってました。私もアイリ様に申し上げたのですが、一顧だにされず……」


ふむ、初めての情報だがエンリさんのお姉さんはアイリさんと言うらしい。

エンリさん姉妹の仲はとても良好なもので何でもお姉さんがエンリさんのことを溺愛しているのだということを以前エンリさんのパーティーメンバーの人から聴いた。

で、男嫌いだということもあるだろうが、実の妹であるそのエンリさんの話を聴けないくらい忙しい、と。


流石に自分の嫌いな男の話題でも可愛い妹の話をただそれだけで無碍にするということはないだろう。

やっぱりクランの団長ともなれば相当忙しいに違いない。

溺愛している妹の話を聴けないくらいに。


「姉がこんなにも理解してくれないなんて思ってもいませんでした。カイトさんはそんな方じゃないのに……。こんなことならいっそ……」


ヤバい、エンリさんが泣きそうになってる!

くそっ、泣かれるのは本当に困るんだよ!

俺みたいなボッチに慰めることなんて期待しないでくれ!!

泣いてるクラスの女子に親切に声かけただけでも痴漢と間違われたことが有んだぞ!


……ああ、もう、しゃあないなぁ。


「エンリさん、私のことを評価して下さるのは嬉しいですが、そんなことを言ってはお姉さんが可愛そうですよ。お姉さんはただエンリさんのことが大好きで心配だからエンリさんのためにそういう事を言ってくれているんじゃないでしょうか?そこを誤ってしまえば埋まらない大きな溝が生じてしまいます。家族でそんなことになってしまうことはとても悲しいことだと思います。ですからそこだけはお姉さんのことを誤解してあげないでください」

「カイトさん!!」


エンリさんは俺の言葉を聴いて俺の胸に飛び込んできて、とうとう泣き出してしまった。

嘘っ!?今の違った!?

これ俺が悪いの!?


ゼノさんは温かい目で見守ってくれているが、ああ、3人からの視線が痛い!


そんなことはお構いなしにエンリさんは泣きながら俺にしがみついて離れない。

仕方なしに俺はエンリさんの肩に手をあて、空いた手で頭を撫でる。

エンリさんの髪サラサラだなぁ。なんかふんわりいい匂いもしてくるし。


嫌がられなかったのでそのままの状態を維持した。


そうしていること数分、ようやくエンリさんも落ち着いたようだ。

恥ずかしそうにしながらも俺から離れて口を開く。


「……その、ありがとうございます。カイトさんのおかげで姉を誤解せずに済みました。お恥ずかしいところをお見せしましたが、そのお相手がカイトさんでよかったです……カイトさんには私の恥ずかしいところも含めて全部見ていただきたいですし……」


うん?最後の方声が小さくて良く聴こえなかった。

最近言葉を濁すとかそういうの流行ってんのかな?


エンリさんの顔は赤い。

泣いた後だし仕方ないだろう。


「そうですか、それは良かったです。姉妹で喧嘩別れなんて悲しいですからね」

「はい。これからも姉とは仲良くやっていけそうです。……ですが今後もカイトさんのことについて姉に話すことは続けようと思います」


まだやるのか!?その度にこういうことになるのは嫌だぞ!


「そ、そうですか。でもお姉さんもお忙しいのでしょう?大丈夫ですか?」

「今後も姉がクランの団長である限り忙しいのには変わりないでしょうが、今が特別忙しいのだと思います」

「と言いますと?」

「私にも詳しくは話してくれないのですが、姉は何か大きなことをしようとしているようなんです。『ノームの土髭』を除いた四大精霊の名を持つクランで」

「大きなこと、ですか。しかも『ノームの土髭』を除いたクランで」

「はい。そこは今日お話ししようとした二つ目と関わってくるのですが、まず姉が何か大きなことをしようとしているということについてはほとんど情報がありません。『イフリートの炎爪』、『ウンディーネの水涙』、『シルフの風羽』の3つがそれに関わるという事位しか。このことは姉のパーティー以外は私も含めて何も知りません」

「そこでどうして『ノームの土髭』だけが除外されているのでしょう?」

「よくわかりませんが本当なら『ノームの土髭』も加わるはずだったらしいのです。しかし、最近『ノームの土髭』の団長が行方不明になったんです。それで『ノームの土髭』の参加は見送りに」

「『ノームの土髭』の本館ってこの街にあるんですよね?」

「ええ、行方不明なのは一月程前かららしいのですが、最近団長の部屋を掃除していたら辞表が見つかったそうなんです。それまでは団長を捜索していたんですが、今は新しい団長を立てるべきだとする勢力と団長を捜索して戻ってもらうべきだとする勢力に分かれて内部分裂が起きそうなんです」

「……なるほど、クラン内部の問題で忙しい以上その大きなことに関わらせる余裕はないと判断されたんでしょうね」

「ええ。団長の方とは1度もお会いしたことは無いんですが、強い方だったと伺っています。その方が行方不明となったのです。自発的にいなくなられた可能性はもちろんありますがもしかしたら何かの事件に巻き込まれたのかもしれません。……カイトさん、今後何かなさる際は十分お気を付け下さい」


なるほど、近くにある『ノームの土髭』の団長位強い人がいなくなったんだったら何か起こったんじゃないかって心配になる。それで俺のために気を付けるよう注意を喚起してくれているんだ。


「分かりました。今後依頼を受けるときだけでなく他のことをする際にも注意させていただきます」

「はい」



それで今日の話は終わった。

その後エンリさんとゼノさんは支部の中の雑事を片づけなければならないという事で退席し、一緒に出て俺達はギルドに依頼を受けに行った。



その日の終わりに依頼達成状況が良好と判断されたので次の日にBランクへの昇格試験を受けることになった。




エンリさん回でした。

別に私はエンリさん押しではないのですが話の都合上こうなりました。


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