よし、じゃあまた依頼でも受け始めるか。
指摘していただ心理描写の記述ですが、確かに意識しますとへたくそだなと思いました。
エフィーが杖なしでも魔法を使えるようになってから5日が過ぎた。
その間は主にエフィーのレベル上げを行っていたが、5日間でエフィーのレベルは15まで上がった。俺とシアもレベルが1ずつ上がった。
エフィーはこの練習中に『魔力操作』のスキルも取得した。今までも続けていたらしいが、朝、一緒に早起きして俺の訓練中ずっと練習していたからなぁ。
これでパーティーの戦力補充は何とかなっただろう。
名前:カイト・タニモト
種族:人族
身分:冒険者 所有者(奴隷:シア エフィー)
性別:男
職業:1.剣士 2.魔導師 3.治癒術師
年齢:16歳
Lv.27
HP:107/86(+21)
MP:110/91(+19)
STR(筋力):48(+19)
DEF(防御力):38(+17)
INT(賢さ):50(+19)
AGI(素早さ):42(+17)
LUK(運):1(+5)
『能力値中上昇』、『異世界言語(会話)』、『異世界言語(筆記)』、
『生活魔法』、『剣術』、『ステータス操作』、『全魔法素質解放』、
『無詠唱』、『鑑定』、『偽装』、『レベルアップ時ボーナス』、
『パーティ恩恵(リーダー)』、『パーティ恩恵(メンバー)』、
『火魔法』、『水魔法』、『土魔法』、『風魔法』、『治癒魔法』、
『職業操作』、『隠密』、『経験値解放』、『氷魔法』、『雷魔法』
スキルポイント:38
名前:シア
人種:獣人族(狼)
身分:奴隷 所有者:カイト・タニモト
職業:1.戦士 2.格闘家
性別:女
年齢:15歳
Lv24
HP:114/95(+19)
MP:55/40(+15)
STR(筋力):65(+22)
DEF(防御力):44(+17)
INT(賢さ):22(+15)
AGI(素早さ):61(+20)
LUK(運):21(+5)
『経験値蓄積』、『ステータス鑑定(自己)』、『剣術』、『身体能力小上昇』、『二刀流』
スキルポイント:24
名前:エフィー
種族:ハーフエルフ族
身分:奴隷 所有者:カイト・タニモト
性別:女
職業:1.魔法使い 2.治癒術師
年齢:13歳
Lv.15
HP:54/39(+15)
MP:120/103(+17)
STR(筋力):27(+15)
DEF(防御力):18(+15)
INT(賢さ):64(+18)
AGI(素早さ):20(+15)
LUK(運):21(+5)
『火魔法』、『風魔法』、『水魔法』、
『治癒魔法』、『弓術』、『魔力操作』
スキルポイント:28ポイント
今現在所持金は13万325ピンス。思っていた以上に残ったな。
さて戦力補給もできたし、これからはまた依頼を受けていくか。
俺はその日の夕食時に二人に提案してみることにする。
「二人とも、聞いてくれ。当初の予定である戦力増強はエフィーのおかげで達成できた。今後、また依頼をこなしていこうと思うのだが、どうだろうか?二人の意見を聴きたい」
俺が尋ねるとまずシアが発言した。
「いいんじゃないでしょうか、エフィーも戦闘に慣れてきたようですし、もうCランクでの依頼も大丈夫でしょう」
シアは賛成してくれた。エフィーはどうだろうか?
「私も概ね賛成です。ですが受ける依頼の内容によると思います」
「というと?」
「はい、私もご主人様とシアさんのおかげで戦闘には慣れてきました。私たちでしたらBランク程度のモンスターでも倒せると思います。ですので討伐系の依頼でしたら何とかなると思います。ですが……」
「……なるほど、言いたいことはわかった。要するに討伐系以外は経験不足ってことか?」
「はい、その通りです」
「ふむ、シア、どう思う?」
「……そうですね、それに関してはエフィーの言う通りじゃないでしょうか。私たちは戦闘に関してはかなりの水準にまで達していると思います。ですが他の種類の依頼に関しては探索系を除いて全く経験していません。ですので未経験の種類の依頼を受けられるのは避けられた方がよいかと」
二人の言う通りだ。今まで討伐系の方が単純で他の種類の依頼よりやりやすいという理由から討伐系の依頼ばかり受けていた。今後討伐系の依頼に絞って受けていくんならまだしも今そういう風に可能性を無理に制限してしまうのは早計というものだろう。何事も経験か。
「わかった、二人の言うことはもっともだ。今まで討伐系以外を受けてこなかった皺寄せだな。でも俺の意見も聴いてくれないか?……俺は経験がないからこそ討伐系以外の依頼を受けて経験を積んでおきたいと思う。と言うのも今後もし必要に駆られて受けなければいけないときに経験したことが無いという事態は避けたいんだ。今のうちに少しでも経験しておけば後で何かの役に立つかもしれんしな」
俺の言葉に二人は考え込む。
そして……
「……はい、その通りですね。そこまでお考えなんて、流石ご主人様です!」
「……私もご主人様のご意見に賛成です。ご主人様は聡明でいらっしゃいますね!」
二人は俺を褒めてくれる。
何だか気恥ずかしくなってくるな。
元の世界で女子に褒められたことなんてほとんどなかったからなぁ。
あったとしても「谷本君って何でそこまで存在感無いかな、逆にすごいわ」とか「ちょ、その顔マジウケる!」とかだったし。
まぁ今となってはいい思い出……
んなわけあるか!!
別にこっちは無くそうと思って無くしてるわけじゃねえんだよ!
「顔」ってなんだよ、「顔」って。最早それは悪口だろう!
……また嫌なトラウマ思い出した。
どうせ俺はボールですら友達でなかったただのボッチだよ。
はぁ、なんだか虚しくなってきた……。
ボソッ「ご主人様が落ち込んでいらっしゃる!?やっぱり過去のことがお辛いんでしょうか?」
ボソッ「えっ、シアさん、過去のことって何ですか!?ご主人様はそんなにお辛い経験を?」
ボソッ「ええ、ですから私たちがご主人様の心労を少しでも取り払って差し上げないと」
ボソッ「そうですね、ご自身もお辛いのに私達を助けて下さるなんて、ご主人様はなんてお優しい方なんでしょう!」
ボソッ「その通りです!このお優しさに報いさせていただかねば!エフィー、今夜準備はいいですか?」
ボソッ「もちろんです、シアさん。ご主人様に買っていただいた頃より既に準備はできていました!いつでも大丈夫です!」
ボソッ「ではこの後……」
何か二人が話してたが全く聞こえなかった。
俺たちは明日から討伐系以外の依頼を受けていくということで一致した。
その日の夜
「じゃあ火を消すぞ、いいか、二人とも?」
俺は生活魔法で灯した火に手を伸ばす。
だが二人からは返事が来ない。
どうしたんだ?
「二人とも、どうしたんだ、何かあるのか?」
二人を見ると、下を向いて黙り込んでいたが、意を決したかのように話し始める。
「……ご主人様、奴隷の身分でこのようなことを申し上げる無礼をお許しください」
ん?どういうことだ、無礼?何か俺が悪いことして二人を怒らせたってことか!?
その物言いなのか、これは!?
「……その、二人ともまずは顔を上げてくれ、とりあえずどういうことか説明してくれるか?」
「……私たちがこれからご主人様に申し上げることは大変ご無礼なことなんです。ですから……」
ヤバい、これはマジのやつだ!!
何だっけ、俺二人に何したっけ!?
えーっと、二人の頭撫でたことか?やっぱり年頃の女の子って男に触られるの嫌なのかな!?
それが俺みたいに冴えない奴だとなんか嫌悪感ある人もいるっていうし……。
あ、あれは?エフィーが少し痩せ気味だったから俺のおかず分けてあげたことか!?
女の子ってダイエット中に食べるの控える傾向があるって聞いたことがある。
その時におかずを渡されるのってやっぱり嫌なのかな?
あーくそっ、わからん!
「二人とも、スマンかった!」
俺は潔く頭を下げることにする。
原因はわからんがこの雰囲気だ、多分俺のせいだ。
「……えっ?」
「……ご主人様?」
二人はポカンとしている。
「俺が何か二人の気に障ることをしたんだろう?本当に申し訳ないが原因が分からん。よかったら教えてくれないか?」
「その、待ってください!ご主人様は何も悪くないんですよ?」
「そうです、私たちがこれから申し上げることがご主人様に対してご無礼だから……」
「その二人が言う原因を作ったのは俺なんだろ?」
「それは……」
「いいんだ、言ってくれ。俺が悪いんなら二人の言うことをちゃんと聴いて受け止める。だからそんなに畏まらずに言ってほしい」
「ご主人様……」
二人は俺を見つめて黙ってしまう。
「さあ、遠慮せずに言ってくれ」
俺が促すと、二人は腹を決めたのか互いに頷き合い、俺に顔を向ける。
「では……」
そして、
「「ご主人様のご寵愛を受けたく(頂きたく)思います(思ってます)!!」」
「そうか、そういうことか。だから……、ん?えっ、え~~~~~~~!?」
俺の叫びが夜のミュタルの町に響いた。
「えっ、寵愛!?どういうこと?」
「その、今日ご主人様のお元気が無いように見えましたので二人で相談したのです」
元気が無い?ああ、あの話し合いの時か!?
「それでご主人様に少しでもお元気になっていただきたいと思って……」
「……それでどうして寵愛ということになるんだ?」
「恐れ多くも、その、相談すると、ご主人様は何か欲望に囚われてしまうことを恐れられているのでは?
という話が出まして、だったら私たちにしていただいて、その、ご主人様の欲望が為すことではなく、私たちの我儘が為すことと言うことであればご主人様にも安心していただけるのでは、と・・・・・・」
「奴隷であるのに私たちはあろうことかご主人様のご寵愛を頂こうというわけですからご主人様にはご無礼にあたると思いまして……」
俺は二人の話を聴いて何とも言えない不思議な気分になった。いや、俺自身二人の気遣いに感動しているし表せきれないほど感謝もしている。こんなにも俺のことを思ってくれて、俺のために自分たちの非礼であると言ってくれる。こんなにも尽くしてくれる二人に対して、「寵愛」なんだから結局は俺自身が望んでしてしまうことになるんじゃ、とか細かい矛盾は野暮だからこの際無視していい。
俺は指摘されたとおり欲望に飲まれてしまうのが怖い。自分を見失う、俺が俺でなくなる、そうなってしまうことがとてつもなく怖い。
元の世界で一度だけ完全にその状態に陥ってしまったことがある。あの時のようなことにはもう二度とさせない。
そう自分に誓って、俺は考え続けると決めた。
だが今はどうだろう、俺のために尽くしてくれる、俺を思ってくれる二人のことを考えてみる。
こんなボッチで何の取り柄もない俺を慕ってくれる。
そう思うと二人がとても愛おしく思えてきた。
ああ、そうだ、こんなにも簡単に答えは出てくるんだ。
「二人とも、ありがとう。こんな俺にそこまでしてくれて。月並みな言葉になってしまうけどすごくうれしいよ。……確かに俺は自分を見失うのが怖い。でも二人のことを大切に思うこと、いや好きだって思うことを俺が思う欲望なんかと一緒くたにしてはいけなかったんだ。……もう大丈夫だ、俺は二人のことが好きだ。だから今後は俺からちゃんと二人にお願いするよ。でも二人が俺のためにしてくれたことを無駄にしたくはない。……だから、今日だけは二人の好意に甘えてもいいか?」
俺の言葉を聴き、二人はそれぞれの反応を示す。
シアが目に涙を浮かべながら、
「……ご主人様、私の体も心もすべてが元よりご主人様だけのものであります。ですのでご主人様のお考えに否があるはずがございません。ご主人様の仰せのままに……」
エフィーは既に嗚咽を漏らしながらおいおい泣いている。
「ご、ごしゅ、えぐっ、さま、わ、わた、えぐっ、うれ、うれしくて、えぐっ……」
二人とも傍に寄って来て俺に抱き着いてきた。
俺は二人の愛情と温もりを肌で感じながら夜を過ごした。
分かり辛い点もあるかもしれません。
頑張っては見たんですが……。
ただこういった記述は苦手でして。
申し訳ありませんが私にあまり多くを求めないでください。




