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二人目の仲間か、どうしようか。 2

すいません、長くなったので切りました。


建物はそこそこ大きい作りで、

ギルド会館よりも大きいのではないかと思える。


俺たちは扉を開け、階段を下りていく。

少し薄暗くなっている。

キラキラしてたりお花畑みたいな装飾を施してるような頭悪そうな雰囲気よりはいくらかはマシだが、

こうジメジメしたのもあんましいい気分ではないな。


階段を下りると、開けたスペースに出る。

受付のようなところに行って、来訪の目的を告げる。


そうして、奥に通されると、そこにはこの町に来た日に出会ったパヴロの姿があった。


「これはこれは、カイト殿。ようこそ、私の商館へ。今日はどういったご用向きで?」

ご用向きも何もここですることって限られてるだろう。

「ええ、今日は奴隷を買いに。最近戦力の補強が課題でして。」

「ああ、そういえばカイト殿は冒険者でしたね。どういった奴隷をお探しですか?」

「そうですね、後衛を任せられる人材がいればと。」

「弓使いがいい、などといった指定はありますか?」

「女性の奴隷でお願いします。どちらかと言えば魔法を使える者が望ましいですが、

弓使いでも構いません。」

「わかりました。条件に合う奴隷を選び出しますので少々お待ちください。」

「わかりました。」


そう言って、パヴロはそそくさと部屋を後にする。


俺は待つ間シアと話すことにする。


「シア、シアが気に入った人とかいれば遠慮せず言ってくれ。」

「はい、わかりました。ですがご主人様のお気に召す人がいればそちらを優先させてください。」

「そうか、わかった。でも、シアも遠慮するんじゃないぞ?」

「はい。」


そこで会話が途切れる。

どうしよ、間がもたん。俺にトークスキルなどない。

起きてから寝るまでに初めてする会話と言えば買い物に行った時の定員さんとのやりとりだったような

俺がそんな急にペラペラと面白い話題など振れるはずもない。


俺は出されていた飲み物を飲むことにする。

味はお茶に似ているが色はなんか黒っぽい。

まあ飲めんことはない。


そうして待っていること約5分。

パヴロが戻ってきた。


「お待たせしました。ついてきていただけますか?

条件に合う者を並ばせていますので。」

「わかりました。シア、行こうか。」

「はい。」


俺たちは先導するパヴロについていく。

またここより下に下りるようだ。

階段を下りていくと、よく捕まった人が留置される牢屋のような部屋がいくつもあった。

その部屋の前に貫頭衣1枚だけを着た女性が9人並ばされている。

年齢的には10歳位から30歳位まで様々な女性がいる。

皆視線をこちらに向けている。


「ここに並んでいますのが条件に合う奴隷となっています。

何か気に入った者などいますでしょうか?」

「すいません、まだ今のところよくわかりません。どのような人なのか説明していってもらっても

いいですか?」

「はい、大丈夫でございます。では端の方より・・・・」


と言ってパヴロは説明を始める。

俺はその説明と内容が矛盾していないか鑑定で確認しながら見ていく。



名前:サン

種族:人族

身分:奴隷

性別:女

職業:弓使い 

年齢:19歳



Lv.1

HP:31/31

MP:14/14

STR(筋力):18

DEF(防御力):15

INT(賢さ):9

AGI(素早さ):14

LUK(運):17



この娘は弓使いか。能力値的にも普通だな。

見た目としてもあんまりピンとこない。



名前:リーシャ

種族:人族

身分:奴隷

性別:女

職業:弓使い 

年齢:26歳



Lv.8

HP:52/52

MP:17/17

STR(筋力):33

DEF(防御力):20

INT(賢さ):11

AGI(素早さ):17

LUK(運):12


『弓術』


この人はスキル持ちだな。レベルも他の子よりは少し高め。

感じの良さそうなお姐さんってところかな。



名前:キアラ

種族:人族

身分:奴隷

性別:女

職業:魔法使い 

年齢:33歳



Lv.12

HP:32/32

MP:48/48

STR(筋力):14

DEF(防御力):13

INT(賢さ):31

AGI(素早さ):11

LUK(運):22


『火魔法』、『水魔法素質解放』



おおぅ、この人魔法使いか!

魔法も一応2属性。

即戦力とはいかないまでも魔法使いという点は評価できる。

問題は年齢かな。

そこに目を瞑ればこの人でもいいかもしれん。



そうやって見ていって、8人目にさしかかる。

今まで3人目の人以外みんな弓使いだった。

能力値もそんなに大差なくスキルは『弓術』を持ってるか持ってないか位だった。

容姿も今一とは言わないが、それほど優れているというものでもない。


だが、8人目と9人目は他とは違っていた。


名前:エフィー

種族:ハーフエルフ族

身分:奴隷

性別:女

職業:弓使い 

年齢:13歳



Lv.1

HP:27/27

MP:38/38

STR(筋力):19

DEF(防御力):16

INT(賢さ):41

AGI(素早さ):18

LUK(運):21


『火魔法素質解放』、『風魔法素質解放』、『水魔法素質解放』、

『治癒魔法素質解放』、『弓術』





名前:シーナ

種族:エルフ族

身分:奴隷

性別:女

職業:魔法使い 

年齢:18歳



Lv.1

HP:28/28

MP:37/37

STR(筋力):17

DEF(防御力):19

INT(賢さ):30

AGI(素早さ):16

LUK(運):25


『風魔法』、『土魔法』、『短剣術』、

『治癒魔法素質解放』



この二人は別格だった。

その容姿もだが、何よりステータスが今までの人たちと比べると格段に優れている。


8人目の子は体格は少し幼めではあるが年相応な感じがする。

顔立ちはあと何年かすれば美人と言われるだろうものであるが、

かわいいといった方がしっくりくる。

髪型は少し長めの綺麗な銀色の髪をツインテールに分けている。


9人目の娘は体格は良い方で出るところは出て締まってるところは締まってる。

普通から考えればうらやましいプロポーションをしていると思われるだろうが、

シアと比べるとどうにも見劣りしてしまう。

だが容姿は美人と言っていいもので、10人中9人は確実に美人だと言うだろう。

髪は金髪で伸びた髪を後ろで束ねている。


どちらも少し耳が尖っている。これがエルフって奴か。



どっちもこの中では全てにおいて飛びぬけていてどちらが優れているとは言い難い。


だがパヴロは9人目の娘を強く勧めてくる。

「こちらのシーナはエルフでして魔法も風と土のダブルの使い手です。

魔法使いですが短剣も操れます。容姿もこの通り美人です。

この奴隷でどうでしょう?」


グイグイ来るな。

まあそれだけお勧めってことなんだろう。


「ちなみにおいくらですか?」

手の届く額なら考えるが、予算をオーバーしてるんなら元々考えることすらできない。


「カイト殿には助けていただいたこともありますし、今後ともご贔屓にしていただきたいので、

本来30万ピンスのところを今回は24万ピンスでお売りいたします。いかがでしょう?」


うぉー、ギリギリだな!

買えんことはない。

だが買ったらほぼ無一文になる。

どうしよ。


「シア、シアはどう思う?」

「そうですね、8人目の子について聴いてから考えても遅くはないかと。」

「そりゃそうだな。」


8人目の娘はどうなんだろ。

「すいません、こっちの子はどうなんですか?」


そう聴くと、パヴロの表情が曇る。

何かマズいことでも聴いたのか?


「あのですね、この奴隷はその・・・・」

「何か言いにくいことでも?」

「はぁ、ええっとですね・・・・」


何だ、そんなに言いにくいことなのか。


「ちょっとすいません。」


と言って俺はシアをわきに連れて行く。

「シア、俺が今から8人目のステータスを挙げる。

その中でこの世界では言いづらいとかマズいことがあったら言ってくれ。」

「はい、わかりました。」


そうして、俺は8人目の子のステータス項目を列挙していく。

すると、シアの表情が一瞬曇る。


「恐らくですね、彼女が『ハーフエルフ』だということがパヴロさんは言いづらいんでしょう。」

「この世界ではハーフエルフは迫害でも受けているのか?」

「詳しくはわかりませんがハーフエルフは王国から忌避の対象として見られているとか。」


王国レベルでか!

そりゃ根が深そうだな。

俺としては気にならないんだけど。


「なるほど、わかった。とりあえず戻ろう。」


俺たちはパヴロの下に戻る。


「すいません、で、どうなんでしょう?」

「そのですね、えーっと・・・・」

「この子はハーフエルフなんですか?」

「えっ、どうしてお分かりに!?

いや、実はそうなんです。この奴隷はハーフエルフでして

魔法の素質はあるんですがそのために魔法を扱うことは叶いません。」


うん?魔法が使えない?

ハーフエルフだと使えないのか?


「すいません、ハーフエルフだということはパヴロさんの様子から察しましたが、

魔法の素質があるのにハーフエルフだからという理由で使えないのですか?」

「はい、この奴隷の職業は弓使いです。魔法の素質はありますがハーフエルフですので

王国の方針上ギルドでの職業変更ができないのです。

ですから魔法使いの職業についていないと使えない魔法のスキルは

自然扱えないという帰結に至るのです。」


ん?どういうことだ?魔法は魔法使いのジョブについていないと使えないのか?


「シア、どういうことかわかるか?」

とシアに耳打ちする。

「申し訳ありません、私も詳しくはわかりません。」

うーむ、シアもよくわからんらしい。


恥を忍んで聴いてみるか。

「すいません、そこのあたり詳しく教えていただけることはできますか?

私は少し世間に疎いもので。」

「はい、大丈夫ですよ。えーっとですね・・・・」


そう言ってパヴロは俺の知らなかったジョブの仕組みについて教えてくれた。





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