表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

40/189

依頼をこなす前に・・・・、

修行パートです。

シアお目当ての方は申し訳ありません。

俺は普段より早起きして今は宿の庭にいる。

また以前のように訓練を再開するためだ。


昨日剣を手に入れて改めて思ったが、今の俺の能力ではいずれ壁にぶつかることになる。

そのときに俺が、シアや将来新たに買うかもしれない奴隷に守られるだけというのはあまりに情けない。

だから今のうちにまた新たに魔法を使えるようになっておきたいということなのだ。


剣に関しては少し進展した。

起きて職業を確認していたら剣士に転職できるようになっていた。

戦士を剣士にすると少し剣を振る際普段よりしっくりくる感じがした。


これで剣術に関してはしばらくはノータッチでも構わないだろう。


さて、本題に入るとするか。

何の魔法を習得するかだが、候補としては光、闇、時空がある。

ここで俺はふと疑問に思うのだが、RPGの魔法で定番の氷や雷が属性として存在しないのだ。

「魔法の入門書:スケルトンでもわかる最強の書」を見返しても攻撃魔法の属性としては

俺の使える基本魔法の4属性と先に述べた特殊魔法3つだけだった。

では治癒魔法のようにダメージを与えることを目的としていないかというとそうじゃないだろ

と思う。


ここで考えられることは2つ。

魔法として存在はするが既存の属性のどれかに当てはまるというもの。

もう一つはそもそも氷魔法と雷魔法というものがまだこの世界に存在しないというもの。


前者であれば恐らく氷は水属性、雷は風属性に該当するんだろう。

後者であれば使えるようになればすごいことになる。


どちらにしてもこの2つを使えるというのはこの世界では稀有な存在だろう。

その分使えば目立つこと間違いない。

まぁボス戦とか強い奴に使えればいいか。

一方、先述している3つの特殊魔法は使えるようになる糸口がまだ見えていない。

いずれは使えるようになるつもりだがこの3つについては今はあせらなくてもいいだろう。


よし、そうと決まれば氷と雷を習得しよう!


まずは比較的簡単そうな氷から行くか。



できるようになったらいきなり氷単体を生成したいが、

最初は水を凍らせるところから始めることにする。



俺は手のひらサイズの水を作り出す。

そこから、水の温度を下げていく。

最初生み出した時の温度が大体10~20℃位だから、

それを温度を下げ、0℃以下にしないといけない。


ただ温度が下がるイメージをしても冷たくなってはいったが、

化学で学んだような原子の振動が小さくなり、熱そのものが起きなくなる

というイメージを持つと水の温度が急激に下がり始め、

手の中の水は凍り、液体から固体へと変化した。


よし、できたか!

このイメージだとやっぱり温度が下がるのが早いようだ。


俺はそれからしばらく反復して水を凍らせる訓練を続ける。

30分程すると、失敗することもなくちゃんと氷を0から生成することも

できるようになった。


ふぅ、実戦で使えるようになるまではもうちょっと練習がいるが、

とりあえず成功だといっていいだろう。



次は雷だな。


さて、どうしようかな。

どういう風にとっかかりを作るか思い浮かばない。

原理としては理解できているが、それをどういう風に魔法として習得していこうか。


某ハン〇ーマンガの少年のようにスタンガン使うわけにもいくまい。

俺が記憶しているのでは希硫酸と銅板、亜鉛板、それに豆電球を用いて学校では実験をした。

この世界で同じものをそろえるというのは難しいし手間だからないとして、

これの代わりを考えなければいけない。


正直これはめんどくさい上に金がかかる。

希硫酸は食塩水で代替できたと思うがこの世界では塩はそこそこ値が張る。

銅板なんかの代わりも思いつきはするがこれもまた金が要る。

全部出せなくはないがそろえるとなると結構なお値段になるはずだ。

まだ余裕があるとはいえ雷を習得するのにそんなに費やしたくはない。


となると別方法を考えることになる。

俺の思いつく限りでは現象としての雷そのものを利用するということだ。

もちろん天候が悪い日を待つなんて手間なことはしない。


雲のできる原理さえ分かってれば本当に簡易の雲を作ることも、魔法を使えるこの世界では

何とかなるんじゃないか。


ちょうど氷も作れるようになったしな。



俺はMPポーションを飲み、水魔法で水蒸気を生み出す。温度を低くし、

目に見えないほどの氷の粒へと変化させ、それをぶつかり合わせるイメージで

操作する。

つまり、雲の中で静電気を発生させるのだ。

その中でも-(マイナス)の電気は雲の下層に蓄積され、地表に集まった+(プラス)

の電気と中和しようとして起きるのが雷だ。


一応雷が起こる仕掛けはできたのだが、まだ何も起こらない。


今日使えるようになっただけだからそんなにうまくはいかないかもしれん。

まあ氷魔法の練習と思えばいいか。

そのうちうまくなってできるようになるかも。


俺はその工程を10分ほど続けた。

これじゃ無理だったのかな、と思い始めたその時、

本当に見えない程度ではあるが俺がよく知る

現象が規模を大きく縮小して俺に直撃した。


よっしゃー、これであってたか!


受けた瞬間静電気にあった時のようにバチッ、としたが

それを逃さず自分の魔力と性質を合わせていく。

1回だけではまだ習得には至らないので、

雲の規模を少し大きくして何度も繰り返すことにする。



そうして5度目の落雷にあったあたりで

自分の魔力の性質を電気へと変換する感覚をつかめるようになった。


電流や電圧、抵抗についてをイメージして操作できれば

威力は実践でも十分役に立つものだと思う。


俺は自分のステータスを見てみる。



『能力値中上昇』、『異世界言語(会話)』、『異世界言語(筆記)』、

『生活魔法』、『剣術』、『ステータス操作』、『全魔法素質解放』、

『無詠唱』、『鑑定』、『偽装』、『レベルアップ時ボーナス』、

『パーティ恩恵(リーダー)』、『パーティ恩恵(メンバー)』、

『火魔法』、『水魔法』、『土魔法』、『風魔法』、『治癒魔法』、

『職業操作』、『隠密』、『経験値解放』、『氷魔法』、『雷魔法』


スキルポイント:20



となっていた。


どうやら『氷魔法』、『雷魔法』はスキルとしては独立して存在するようだ。

となると疑問が出てくる。

最初の特典で選択する時にこの2つは選択肢として存在しなかった。

だが今俺が使えるようになって1つのスキルの形として存在するようになった。

ここから導き出される結論は一つ。

推測の域を出ないが、新たにスキルを創造することは可能。

どういった条件でどんなものが作れるかなんてことはまだ全くわからんし、

そもそもこの仮説すら間違ってるかもしれん。



だが仮説としてもこれはなかなかに価値ある発見だ。

今後何か確かめる機会も出てくるかもしれん。


だが他の奴に知られると面倒であることは今まで通りだ。

今後も偽装にはお世話になるな。


さて、今日から依頼を受けていくことになるんだし、

そろそろ切り上げるか。

今後もこの2つの練習はできるだけ毎朝続けよう。



俺はそこで今朝の訓練を終え、

部屋に戻ってシアを起こして

今日の準備を始めた。





また化学の知識が出てきましたが、今回も穴があるかもしれません。


専門の方や詳しい知識をお持ちの方でこれはおかしいんじゃないか、

という点を見つけられた際は是非ご指摘いただければと思います。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ