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よし、盗賊どものアジトを確認しに行きますか!

俺とライルさんはリンカの町から出て半日ほど歩いて

その場所にたどり着いた。

山の奥に位置し、なんだかいかにもって感じの怪しい洞窟があった。


よくここ今までバレなかったな、怪しさを絵に描いたようなところじゃないか!


俺はライルさんとどうするか相談する。


「ライルさん、これどうします?

中に入って確認しますか?」


ライルさんは俺の言葉を聞いて「うーん、」と考え込む。


「私としては、入り口をしばらく見張って人の出入りを確認してから潜入したい

のですが。」

「そうだな。とりあえず数時間見張ってみるか。」

俺の案で行くようだ。



一応形式上パーティーのリーダーは俺ということになっている。

だがそんなものは俺とライルさんの固い絆の間には実に些細な問題だ。


誰がパーティーのリーダーになるかメンバーになるかは申請するものとされるものによって

わかれる。

この場合、俺がライルさんに申請したから俺がリーダーでライルさんがメンバーだ。



とりあえず片方が洞窟入り口を見張ってもう片方が周囲の警戒をするという役割分担で

監視を行った。最初は俺が入り口付近を見張った。


はぁ、あんパンと牛乳が欲しい。


1時間位したら役割を交代する。周囲の警戒の方は休憩も兼ねるので、

干肉と水で軽い食事をとる。

あんまり味がしないが不味いわけではない。


見張り始めて約3時間が経過した。

まだ人は現れない。

すぐに結果が出ると期待していたわけではないが

何も起こらないというのはそれはそれで暇である。


どうしよ、突入した方がよかったのかな?

いや、ライルさんも賛成してくれたんだ、自分の判断に自信を持とう。


自分の弱気を叩き出す。

気持ちを切り替えて周囲の警戒を続けようとした時、

ライルさんから声がかかった。


「カイト、人が来た、洞窟に入っていくようだ。」

俺はすぐさま洞窟の入り口に目を向ける。


確かに8~10人位の怪しい恰好をした男達が

ぞろぞろと洞窟の入り口に近づいていく。

一人は何か大きな麻袋を抱えている。

周囲を警戒している様子はない。


「あれが盗賊の一味ならここが黒ですね。」

「ああ、多分ここで間違いないな。」


ライルさんはここを黒だと判断したようだ。


「どうする、カイト。俺はもう十分だと思うが。」

「そうですね、怪しい奴等が入っていったってだけでもここは十分怪しいです。

最後に潜入して確認を取りますか。」

「ああ、そうしよう。」


本当なら怪しいってだけで判断するのは俺としては避けたい。

それが行き過ぎになると冤罪を生むもとになる。

まあそうならないために確認を取るんだから今回は大目に見よう。


ライルさんとアイテムや武具の確認を済ませる。

問題はないな、よし。


「では状況を開始します。私が前を行くのでライルさんは後ろから私のサポートをお願いします。」

こういう経験がない俺が前を行くのもどうかと思うが、

無詠唱の魔法が使える俺が前にいる方が何かあった時にいろいろな対応ができる。

まあそこらへんは別に細かく分担せずに臨機応変でいいんだろうが。


「わかった、行こうカイト!」


そうして俺たちは洞窟の中へ入っていった。



洞窟は暗く足元も見えないものだった。

俺は生活魔法を使い、準備していたランタンに火をともす。

やっと周りが見えるようになって、ライルさんが近くにいることを確認する。


ずっと奥に続いているようだ。

俺たちはあまり音を響かせないようできるだけ事前に決めていた

ハンドサインを使って互いの意思を確認する。


10分ほど歩いただろうか。

ずっと同じところを進んでるように思えてくる。

実際周りの景色は一切変化しない。

何かのトラップか?



俺はそう勘ぐったが、その前に、どうやら行き止まりのようだ。

大きな岩が通せんぼしていてこれ以上進むことができない。


おかしい、確かに複数の人間がこの洞窟内に入っていくのを

目にしたんだが。

ここに来るまでにばったり会ったということもない。

ならここの付近に、もしくはここに来るまでに

何かの仕掛けがあったのだと考えるのが妥当だろう。

現状、一番怪しいのは目の前の巨大な岩なんだが・・・。


一応不測の事態ではあるのでライルさんと話してみることにする。


「ライルさん、どう思います?」

「ああ、ここまでに何か怪しいところは見当たらなかった。

とすると、この岩かここのどこかに何か仕掛けがあるんじゃないか?」

流石だな、ここまでに仕掛けが無いかちゃんと見ていてのか。

俺なんて前方に気を配るだけで精一杯だったのに。

ライルさんは頼りになるなぁ。


「私も同じ見解です。ここら一帯のどこかに仕掛けがあるはずです。

手分けして探しましょう。

私はこの岩を魔法でどうにかできないかやってみます。

ライルさんはこのあたりに隠し通路みたいな仕掛けが無いか探してください。」

「わかった、頼むよ。」


それから俺たちは手分けして仕掛けが無いか捜索し始めた。


俺は手始めに土魔法で岩を粉砕できないか試してみる。

岩に触れて、岩の内部から亀裂が入って、粉々に崩れていくイメージ。

はっ、ストーンバースト!


魔法は発動するものの、ビクともしない。

反応が無い、ただの岩のようだ・・・・。



そうだよ、岩だよ!

なのに何にも起きないんだよ!?


くそう、魔法の威力が足らんのか?

俺はもう一度、今度はもっと緻密で繊細なイメージを作りあげ、

MPも惜しげなく投入し、破壊を試みる。


くらえっ、ストーンバースト!!



反応が無い、やはりただの岩のようだ・・・・。


嘘つけ、ただの岩なら破壊できるだけの魔法は使ったぞ!?

何でだよ・・・・、ハッ、まさかあの有名な言葉セリフ

開くように魔法がかかってるとか?

ここが盗賊団の根城だとしたらありえんこともないか・・・。

よし、試してみるか!



「開け~、ゴマ!」



反応が無い、やっぱり本当にただの岩のようだ・・・・。


もうわからん!おまえというやつがよくわからなくなった!


その後も他の系統の魔法を試してみたり、押したり引いたりあきらめたりしたんだけど

なんともならんかった。


いや、あきらめた、っていうのはもしかしたらこの岩ツンデレなのかなって。

ほら、めんどくさくなったヒロインを突然雑に扱ったりしたら

寂しくなってデレてくるやつ。

あれかもって。


いや、ごめん。流石に無いよな。



ライルさんと状況を報告しあうことにする。

ライルさんの方も成果はなかったようだ。

いよいよおかしいぞ、この洞窟。

これだけ探しても何も見つからないなんて、

奴等はいったいどこに消えたんだ?


ライルさんも疲れた様子だ。

腕を組んで岩壁にもたれようとする。


「はぁー、どういうことだ、

いったいどこに消えたってんだ?

こんなに探して・・・・」




ん?ライルさんの声が途切れる。

どうしたんだろ、とライルさんの方を向くと

ドスンッ、という大きな音が響いた。


ライルさんのもたれた場所に大きな穴ができた。



えぇ~~~、嘘~~~ん!!



少し物語の展開が強引かなとも思っているんですが

どうなんでしょう。


あまりこういうことにはならないよう気を付けたいとは思っているのですが

如何せんこういう方向に流れがちです。

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